ライフ・イズ・ビューティフルのレビュー・感想・評価
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それでも、人生は美しい
破天荒だが実は頭の回転が速いユダヤ系イタリア人が、家族を守るために、ユニークなやりかたでホロコーストに立ち向かうコメディ。始めは、主人公グイードのテンションの高さ、騒々しさが鬱陶しかったが、くすりと笑うシーンを何度か経るうちに、ベニーニのコメディの枠にはまっていた。カンヌ映画祭やアカデミー賞の評価は高いが、一般人の感想は賛否分かれるようだ。その原因は、ホロコーストという重いテーマをコメディという枠組みで扱うことへの違和感と思われる。「シンドラーのリスト」「サラの鍵」「ソフィーの選択」など、不条理を正面から取り上げた名作と比べると、確かに違和感は否めない。しかし、先入観をもたず、虚心坦懐に見れば、これはまちがいなくチャプリンの「独裁者」を越える名作だ。見終わったとき、グイードの機転の才能は、父親としてこの奇跡を現実にするためにあったのだという感動が湧き上がる。
「ライフ・イズ・ビューティフル」というタイトルは、映画の邦題としては、失敗と言っていいほど内容とかけ離れているように見える。ところが、これは実は原題「LA VITA E BELLA」の直訳であるらしい。Wikipediaによれば、ベニーニは「どんな状況下でも人生は生きるに値するほど美しい」というトロツキーの信念に感銘を受け、本作を着想したという。とすれば、フランクルの「それでも人生にイエスと言う」を思い出さずにはいられない。「LA VITA E BELLA」=人生は美しいこそ、本作のメッセージだ。冒頭、「LA VITA E BELLA」のタイトルは、ラテン系の映画ならさもありなんと思える。前半のストーリーもタイトル通りだ。だが、見終わったあと、スクリーンには見えないが、「それでも、人生は美しい」というメッセージが明確に感じられ、勇気づけられる。
今の平和があるのは先人たちの経験からの学びの末
平和な世に生まれた私たちは
考えると、目にするとあまりに現状とかけ離れすぎて、、無意識に深く触れないでここまで生きてきたけど、たまたまみたこの作品で過去の悲惨な歴史を知った。
今では考えられない、と言える平和な今があるのは、囚われて辛い思いをした人、辛い思いをさせた人も自害してる。それぞれの不幸な体験から得た教訓をしっかり生かしてくれた結果なんだなぁと涙がでた。そして、向き合った事がなかった歴史を調べるきっかけになった。知識があることは素晴らしい。せっかくこの世に生まれたんだ、もっと沢山のことを知らないと!って思った。知ることで何かを感じ、感謝すり。ただの平和な毎日がどんなに幸せなことかに気づける。
どんな状況にあっても、人生は生きるに値するほど美しい
ドイツ衛兵に連行されながらも、おどけた表情で滑稽な姿で歩き始めた瞬間、ドバドバって来た。
人が、それを美しくしたいと思う分だけ
人が、美しくしようとした努力の分だけ
美しくなるのが人生。
それを苦しいと思えば思う分だけ苦しくなり
努力は無駄だと思えば思う分だけ虚しくなる
それが人生。
そんな映画でした。
とにかく、人生は己の心次第だって事で。
そこでですよ。グイド役を務めたロベルト・ベニーニ(監督兼脚本)は、「どんな状況にあっても、人生は生きるに値するほど美しい」という、ロシア人革命家レフ・トロツキーの言葉に、この物語の着想を得たそうです。
で、そのレフ・トロツキーとはどんな人物だったのか。トロツキーはロシア帝国時代にウクライナで生まれた革命家。ユダヤ人一家に生まれ、学生時代にマルクス主義に触れ共産主義運動に加わり、「君主制の打倒を目指す」勢力に身を置きます。ロシア革命までは逃亡生活を送る身の上。WWⅠ開戦時には「反戦」の立場を取りますが、彼自身は、レーニンの死後「赤軍」を創設し「白軍」との内戦を経て革命政府の中心的人物となります。
スターリン勢力との権力闘争に敗れたトロツキーは、カザフスタンへ国外追放。その後、トルコを皮切りに海外を転々。体制に批判的なトロツキーを快く思わないスターリンは、彼の元に刺客を送り込みます。変わらんよね、ロシアって。トロツキーの長男は留学先のパリでNKVDの刺客により殺害されています。1940年、トロツキーは逃亡先のメキシコで暗殺されましたが、当時トロツキーは日本への亡命目前であったとのトンデモ話すらありました。「国際社会主義運動の組織化」に乗り出そうとしていたとあれば、日本への亡命はあり得ない話ですけどね。
この映画に着想を与えた言葉は、スターリンが派遣する暗殺部隊の攻撃に曝されていたメキシコに居た頃のものの様です。思想的には「玉虫色」な印象もあり、一貫性に疑問を覚える行動もあるのですが、当時、機関銃乱射で自宅を攻撃されるような状況にありながら、「どんな状況にあっても、人生は生きるに値するほど美しい」なんて、よくぞ言えるもんだと思う訳で。これは尊敬に値します。
感動!後世に残したい映画の一つ!
家族愛と戦争の切なさを感じる名作
イタリア男の家族愛が感動的な戦争悲話、そこにある献身と機知の父性愛
お父さんがきっと出てくると思った
良い映画!
父からの贈り物
人生を生きて生きて生き抜いた
現実は非情だ
悲しみは世の中に溢れている
大小あれど、悲しいなと思えば、それは悲しいことになる
どんなに辛く、苦しく、死にたくなるような時だって、
人生は美しいはずなんだ
生きるとは…
とことん生き抜いた1人の人生
前を向くことの大切さ、大変さ、
自分が辛い時、彼の笑顔を思い出そう。
ありがとう。
残酷ながらも愉快で美しい映画。
残酷ながらも愉快で美しい映画。
あらすじ
1939年、ユダヤ系イタリア人のグイドは、小学校の教師ドーラに恋をする。彼の純粋さに惹かれた彼女は結婚を承諾。やがて可愛い息子も生まれ、3人は幸せな日々を送っていた。そんなある時、彼らに突然強制収容所への収監命令が下る。
グイドのユーモアに富んだ自由な生活っぷりが面白い。突然空から降ってきたドーラに恋をし、そのあと自転車でドーラとぶつかったり、将校のふりをして潜入した小学校で偶然ドーラに会い、彼女の予定を聞き出したり、ドーラの婚約パーティーで馬に乗ってきて彼女をさらってしまったり、、謳い文句のとおりに御伽噺のような、現実で考えたら破天荒な彼に魅了された。
強制収容所に送られても、息子を安心させるために”これはゲームだ。一等になったら戦車が貰えるんだよ。”と、嘘をつく。また、引き離された妻のためにナチス軍の隙をついてスピーカーで自分と息子の無事を知らせたり、給仕会場のレコードプレイヤーを外に向け、思い出の曲を流したりする。
苦境においても、知恵とユーモアを駆使して人々を楽しませることの素晴らしさや美しさを感じた。
最後に彼がナチス軍に殺されるところも、息子に受け継がれるものを表しているようでよかった。
陰鬱な時代をコミカルに描いた傑作
とても情熱的で、ユーモア溢れる楽しいお父さん。出会って恋に落ちてから、それこそ魔法使いみたいな仕掛けでお母さんのハートをキャッチする彼。見てるこっちが思わず微笑んでしまう。
そんな前半のコミカルな伏線が、後半の暗い状況での希望になる。
いろんな仕掛けで、不安な子供に収容所の生活を楽しいゲームだと思わせるお父さん。明石家さんまさんの、『さとうきび畑の歌』にもちょっと通じるものがある。
悲しいはずなんだけど、見終わったあとに残るのはあったかさ。最後の満点の、子供の笑顔。そこで改めて、なんだかこの作品の題を思い出した。ああ、『ライフ・イズ・ビューティフル』、なのか、と。
脆く儚く尊い
鳥肌が立った。
本作は、第二次世界大戦下のユダヤ人迫害を、ユダヤ系イタリア人の親子の視点から描いた作品である。
ホロコーストに怯えるジョズエに父グイドが、
「これはゲームなんだ。良い子にしていたら勝てる」
と励まし勇気づけるのである。
戦争が終わりナチスが撤退する中、ジョズエとグイドが逃げようとして見つかってしまったシーンを、私は生涯忘れることはないと思う。
グイドの背中に銃を突きつけられ殺されると分かってもなお、まるで喜劇の主人公のように、
怯える息子ジョズエの前を戯けて通る様子に、
父の愛、1人の男としての勇気と覚悟を感じた。
グイドは実際、殺されてしまうのだが、
この作品の儚さは何故か神秘的で美しくさえ感じた。
フィクションであるが、リアル。
人の命は脆く儚く尊い。
私たちはその重みをどれだけ感じられているだろうか。
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