劇場公開日 1999年4月17日

「【愛する女性と息子を守るために、ナチスに対しユーモアを忘れずに男が行った崇高な行為を描く作品。愛した女性と息子をユーモアで二人の不安感を払拭しつつ守る姿には、真の男の姿を見る思いがする作品でもある。】」ライフ・イズ・ビューティフル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【愛する女性と息子を守るために、ナチスに対しユーモアを忘れずに男が行った崇高な行為を描く作品。愛した女性と息子をユーモアで二人の不安感を払拭しつつ守る姿には、真の男の姿を見る思いがする作品でもある。】

2022年7月12日
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鑑賞方法:映画館、VOD

悲しい

知的

幸せ

■イタリアの小さな町にやってきたユダヤ系イタリア人・グイド(ロベルト・ベニーニ)は、美しい小学校教師・ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)と出会い、略奪に近い形で結婚する。
 そして、息子・ジョズエが生まれ家族三人で幸せに暮らしていた。
 しかし、ユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れるファシズム政権下で、グイドとジョズエは強制収容所に連行される。

◆感想

・ナチスの、ユダヤ人に対する行いはヴィクトール・フランシスの名著「夜と霧」に記載されているように、過酷な描写が多い。それは、真実であろう。
 だが、今作では、喜劇俳優のロベルト・ベニーニがメガホンを取った事もあり、そのような部分は抑制したトーンで描かれる。
 - 最も、端的に描かれたシーンとしては、グイドが撤退するドイツ兵に撃たれるシーンであろう。撃たれるシーンは直接的には描かれず、銃声のみが響き渡る。-

・グイドが、ドーラに一目ぼれし、彼女の婚約の場から連れ去るシーンはコミカルに描かれる。
 - 象徴的なのは、ユダヤ人への侮蔑の言葉を書かれた馬に乗って、二人が式場から出奔するシーンである。-

・後半は、グイド一家が、ナチスの収容所に連れていかれるシーンが描かれる。
 - だが、グイドはドイツ指揮官の言葉を、自分の息子を含めた収容された人々に、ユーモアを持って伝えるシーンの素晴らしさ。
   そして、グイドは、息子ジョズエに対し、”これは、ゲーム何だ!”と言って、不安感を軽減させる数々のシーン。
   更に、別れ別れになった愛した”お姫様”ドーラに対し、音楽を介してメッセージを伝えるシーンも素晴らしい。-

<ジム・ジャームッシュの「ダウンバイロー」で知った、面白きイタリア喜劇俳優のロベルト・ベニーニが監督・脚本も手掛けた素晴らしきユーモアと気品溢れる反戦映画の秀作。
 一人の男が、愛した女性と息子をユーモアで二人の不安感を払拭しつつ守る姿には、真の男の姿を見る思いがする作品である。>

■その他
 ・イタリア映画の秀作って、自転車が重要なアイテムとして描かれることが多いなあ・・。

NOBU
りかさんのコメント
2023年2月27日

こんばんは♪、

昨日ザシネマchでアカデミー作品特集をしていて、見始めと途中からのギャップに驚きました。

NOBU様の誠実なお人柄が滲み出たレビューでした。

ありがとうございました😊

りか
マサシさんのコメント
2022年10月13日

フォローさせていただきます。

マサシ
マサシさんのコメント
2022年10月12日

僕はずっとこの映画が『ニュー・シネマ・パラダイス』の続編と思って、見ていませんでした。あの自転車がそうさせていました。今日初めて見て、あとからジ~ンと来る映画だと思います。

マサシ
こころさんのコメント
2022年7月13日

NOBUさん
序盤の明るいドタバタした描写が、より切なさを増幅させ、息子を護ろうとする父親の愛情深さが一層心に沁みました。

こころ
talismanさんのコメント
2022年7月12日

こんばんは、NOBUさん。「自転車泥棒」はまだ見てません。デシーカの映画、いいのが沢山あるんですね。最近やっとわかってきました。イタリアのネオ・レアリズモ。イタリアの映画はホラーも凄いし色んなのがあって面白いですね。最近ではスコラ監督の映画を友達から教わって見ていいな、と思いました。マストロヤンニのオーラの凄さに感動した一瞬の場面にドキドキしました💕

talisman