ライフ・イズ・ビューティフルのレビュー・感想・評価
全175件中、1~20件目を表示
ライフ・イズ・ビューティフル
笑えて泣ける名作。映画を観て泣くことはあまり無いのだが、この映画は普通に泣いた。
主人公のグイドは、常に明るく周囲を笑わせる愉快な男。妻のドーラもそんな彼の人柄に惹かれて結婚し、息子のジョズエを授かる。映画の前半はそんなグイドとドーラの馴れ初めが描かれている。
映画の後半は、グイドと息子のジョズエが、ユダヤ人の強制収容所に収容される。グイドは息子には「これは1000点貯めれば戦車が貰えるゲームなんだ」と言い聞かせる。自身も辛いはずなのに、そんな素振りを息子の前では微塵も見せず、明るく楽しく振る舞い続ける。息子に余計な心配をさせまいとする彼の姿に、父親としての優しさや、精神の成熟度合いが表れている。
映画の最後には、大人になったジョズエによるモノローグが流れる。父親の、自分を大切に思う気持ちや愛情深さを、幼い頃はあまり意識していなかったはずだ。しかし大人になるに連れて、父親が自分に対してしてくれたことの重みを深く感じるようになる。それがこのモノローグに表れていて泣ける。
家族を愛し守る、ひとつのカタチ。
映画はドキュメンタリーではない。
映画はファンタジーである。
男から見た女性。
女性から見た男の良心。
夫婦となったふたり。
夫婦から見た子供。
子供から見た親。
男から見た妻と子の危機。
子供から見た父の姿。
甘い恋から流れた彼らの人生。
命懸けで守った家族の姿。
過酷な現実に男は泣き叫んでも良かったが、
男は家族を安心させる方法を取った。
現実から離れたあの子の見た事実。
男のユーモアは悲しみを倍増させる。
その愛に包まれた現実は、後に知る。
愛はファタジーでもあるべき、と思う。
※
身勝手なネタさえなければ
評判が良いみたいなので見てみましたが、正直自分は感動出来なかった。
前半は自分勝手な主人公が周りの迷惑も考えずに調子に乗った行動をとる、ローワン・アトキンソンのようなドタバタコメディ。
こういった作品は普通「近くにこんなやつがいたら迷惑だろうなー」と笑いながら見る作品なのだが、後半は事態が一変、ドイツ軍による強制収容所の話になる。
ここからは息子を怖がらせまいと優しい嘘を吐いて陽気に振る舞う父を描いている、らしい。いや、描きたいのは伝わるのだが、やってることは前半と変わらず身勝手コメディなのだ。
たかがフィクションのお話ではあるものの、最悪同室のメンバー全員が処刑されかねないレベルの自分さえ良ければ構わない自己中行動を取るのでかなりの不快感を覚える。
おバカコメディだったら全く問題ない内容だけど、この作品における主人公は「迷惑なやつ」ではなく「立派な父親」として描かれているので、コメディとして見れない、感動ドラマとしても見れない、中途半端な見方になってしまう。
私は涙もろく、安っぽい感動ドラマでもすぐに泣いてしまうのだが、この作品は他人に迷惑をかけ続ける主人公の行動と、それでも彼の思う通りに物事が進んでいくご都合主義のお陰で涙ぐむこともなかった。
ただ、まぁコメディ要素がこの映画を見ようかなというきっかけにもなったし、暗く悲しいという雰囲気が前提として描かれるべき戦争を舞台にした映画がここまで暗さを感じることなく見られるのは良い部分だと思う。
コメディタッチで描くにしても、もう少し他人の迷惑にならないようなネタを中心にしてくれれば私もこの映画を受け入れられたと思うと残念でならない。
最初はバカ映画かと思ったが
................................................................................................
主人公のおっさんが一目ぼれの女性の結婚式に乗り込んで略奪婚。
やがて子が出来て、そして家族でナチスの強制労働所へ。
子供に心配かけるまいと「これはゲームだ」と楽しいフリをする。
優勝したら戦車をもらえるから、と言いくるめてコントロールする。
やがてドイツが負け、この機に脱出しようと子供を一時隠れさせる。
そして嫁を探しに行って、見つかって射殺される。
その直後ドイツ軍は撤退し、嫁と子供は助かり、援軍の戦車で帰れた。
................................................................................................
主人公のおっさんがやかましくて、最初は糞映画かと思った。
が突然強制労働所に行かされてから空気が変わる。
でも無理に明るくし過ぎる主人公にはあまり共感できんかったなあ。
実際、チョロチョロせんかったら生き残れたんじゃないの?
過去に見たという嫁が横で見ていたが、やたら泣いてた。何故?
完成度の高い脚本
息子のために優しい嘘をつく主人公に感動しました。
個人的にそれ以上に凄いと思うのは脚本の作りですね。もう、一つ一つの小ネタを上手く作ってはここというタイミングで解消していくという所が見事でした。
コレと同じような話を書けるかもしれんが、ただ、ここまでの完成度の高い小ネタとその提示と回収のバランスは真似できないだろうな……
最初は
うざキャラだと思ってしまいましたが、こんなに打たれ強くてユーモアあって家族思いで一途で行動力あって尊敬しちゃいます。
ほんとに最後の判断が悔やまれます。
展開が早くて引き込まれました。さすが名作!
忘れられない映画。戦争に巻き込まれたのは少し変わった男だった。
何て愛が深い映画なんだろう。
敵国の収容所に送られてしまった、男と彼の息子。待ち受けているのは、死あるのみです。男の妻は収容所送りを免れたものの、愛する夫と息子の愛の為に自ら志願。妻の愛の深さたるや、言葉がありません。
でも男の持つ愛も深い。息子には「ゲーム」と称して恐怖を排除。映画ラストで見せた男の姿は、まさしく究極の愛です。もちろん妻への愛も忘れてはいません。自分の命よりも愛する人の命。
極限状態の中でも愛を貫いた男に、今一度大きな拍手を送りたいです。
親としての選択
まず始めに私は戦争モノの映画が1番苦手です。
だけどこれだけは観なくてはいけないと思い、ちゃんと最後まで完走しました。
人類と戦争は切っても切れない縁で結ばれていて、それは過去も未来も関係なく私達に銃口を向けてくる。心に、精神に、肉体に。
私は子を持ったことがないし、今後持つつもりも一切無い。だが、彼等夫婦が選んだ選択(グイドははこれを全てゲームなんだとジョズエに偽り、ドーラは乗らなくてもいいはずの列車に乗り込み強制収容所へと同行する事)は限りなく愛でしかない。
今作は決して強制収容所やホロコーストの残酷さや惨さを直接的には描いてはいない。しかし私達はそんなの別の作品で腐るほど観て来たし、なんなら歴史の授業で学んできた。
冒頭、「これは私の物語である。」から始まるこの作品は大人になったジョズエの語り口で始まり、ジョズエのセリフで幕を閉じる。
収容所に居た時の幼い彼は理解できなかった事が、大人になり父の偉大さと愛を理解し、回想しているといった内容となる。
どんな状況下でも希望を忘れない。
家族への愛を忘れない。
それが彼の生きるための活力となる。
この作品がフィクションであれどうであれ、私達は決して戦争の悲惨さや身勝手さを忘れてはいけない。
他の戦争映画も同じく悲劇を繰り返さないため、作品として形に残し後世に語り継がなくてはならないのだと思う。
それが戦後に生まれた私達の義務なのかもしれない。
父として
お調子者グイドとお姫様ドーラの巡り合いがある前半と、ジョズエが生まれてからの後半との雰囲気がコロっと変わる。
前半の幸せたっぷりの生活で自分の店の屋根に
『ユダヤ人の店』と大きく書いてる。
何を意図するのか、と思っていた。
強制収容所
男女分かれ、高齢者と子供も別、つまり叔父さんも服を脱いで殺された。服を脱ぐのは、遺体を焼く時の手間が楽なのと、上質な服なら戦利品という事だろう。
働ける者だけが、当分の間生かされて働かされる。
ジョズエも父親に隠されていなかったら、殺されていた。ドイツ人の子供達の食卓に座れたのは、ドイツ人の子供以外子供はいない、という前提のもと。
ナチスの説明の時、グイドが、偽通訳を買って出て?ジョズエが不安がらないよう、ゲームの説明と思わせる内容に言い換えていたのは、面白く父の愛情満タン優しさたっぷりの場面だった。
しかし、周りのユダヤ人男性が黙っていてくれたからこそ、であり、誰か一人でも、「違う!」とか、グイドに「ふざけるな!」とか言ってれば、失敗に終わり、グイドがどこかに連れ去られ、殺されたかもしれない。
ユダヤ人の連帯を表したかったのか。
グイドは、ドーラの安否確認に行って見つかって殺された。明朝までおとなしくしていれば助かったのに。
妻ドーラとは、連れ去られてから会っていない。息子を守り妻も心配。父として夫として責任を感じていたのだろう。危ないが、この機会に様子を見に行こうとしたのだろう。
ぐっと堪えて朝まで待って欲しかった。
助かって家族三人無事にめでたしめでたしでも良かったのに。
だが、主役も務めたロベルト•ベニーニの意図がわかる。
ユダヤ人として何ら恥じることなく堂々と生きるべきだ。
しかし、幸せには終わらなかった。
このことを忘れないで欲しい、と。
ルパンのカリオストロの城みたい
冒頭なんですがカリオストロの城と似たような感じだった。画質が古臭い感じだったので、ルパンはこの映画からぱくられていたのかと思ったが、1999年の作品なので、この映画がルパンからぱくったのか?よくわからん。
家族を想う愛に感動しかない
前半は主人公の適当な嘘をつきまくるいい加減さにうんざりで、見るのが苦痛でしかなかったです
それでも高評価なので我慢して観ていたら、途中からガラッと変わって一気にシリアスな感じに
そこからは主人公の嘘が適当な嘘ではなく、全ては息子への思いやり、もう感動でしかなかったです
ユダヤ人迫害のひどさより、父の息子への愛が残る作品でした
そして息子役の男の子が天使のような可愛さでした
全175件中、1~20件目を表示