「昔は男の子なら、夢は戦闘機パイロット、テストパイロットか宇宙飛行士!←全部入ってます」ライトスタッフ Chuck Finleyさんの映画レビュー(感想・評価)
昔は男の子なら、夢は戦闘機パイロット、テストパイロットか宇宙飛行士!←全部入ってます
名作再映で2022年初夏の今日改めて見たら、
「60年代ドキュメンタリー調、高空のTOP GUN」
だった!
上映3時間超と長いのでお尻が痛くなったけど、細かい過程描写がある割には不思議と冗長さを感じなくて、寧ろ50〜60年代の米国風物を楽しめました。
もはや古い映画ですが、カッコいいパイロットもの、宇宙モノが好きな方ならおススメです。ただそのぶん劇中の技術者陣が対比として単純・道化的に描かれているので、近年の宇宙SFX作品にある緻密感・リアルな切迫感には欠けます。
批評ではアメリカ万歳や軍エリート万歳(&当時上院議員だったジョン・グレンアゲ)に嫌気な意見が多いですが、まあ「アメリカ最高の7人」「不死身のテストパイロット」が主キャラで、アメリカが最も幸せ(人種問題等除く)だった50-60年代が舞台の映画なのだから、まあそれくらいは仕方ないでしょう。
それでもこの物語は所々に、「等しく孤高の栄光と無名」「エリートと、周りのそれ以外」「現実社会を生き抜く女性」など、含みを持たせた台詞回しと対比描写で、80年代の娯楽映画としては勇敢なほど実に多くの“思い”を映し出しています。立派だと思います。
トム・コンティの安定した音楽も盛り上がります。
公開当時よりも今年観た時の方が「深イイ、味のあるアツい映画」みたいに感じてちょっと不思議でした。私が変わったのか時代が変わってそう見えるのか、よく分かりません。でもそれが映画鑑賞の醍醐味でしょうね… 歳食った今になって、命懸けで打ち込むアツさを思い出しても仕方ないかも知れませんが。う〜ん次のアポロ13も観るべきかしらん。
命を懸けて挑戦することが美しく見えた時代の物語ですね。
男なら皆憧れる…と言うのも今の時代は禁句かもしれませんが、古き良き時代の格好いい男たちです。
軍人を讃えることが戦争を肯定することにはならないと思うのですが、実際に技術発展のために命を懸けた人たちがいたことへのリスペクトですね。
純粋なヒロイックファンタジーと捉えてもいいと思いますね。