劇場公開日 1971年4月24日

「アイルランドに魅せられて‼️」ライアンの娘 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0アイルランドに魅せられて‼️

2023年10月2日
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青い青い大海原と断崖絶壁‼️アイルランドの大自然を捉えた雄大な映像美でデヴィッド・リーン監督が描くのは、不倫物語を軸にした人間の愚かさであり、愛しさ‼️そこにイギリスとアイルランドの反目の歴史、神と宗教、政治と民といったスパイスが効いています‼️この映画のヒロインのロージーは、自分の人生にとてつもない期待をしている。夫のチャールズがその期待に応えてくれないことを悟ると、彼女はさらなる何かを新たなる恋人である英国将校ランドルフに求めてゆく・・・要は不倫です‼️初見の際はロージーの自分勝手さとわがままさ、そしてチャールズの不憫さが気の毒に思えたのですが、その時デヴィッド・リーン監督の声がした‼️心の中に情熱を持ち、"何か" を密かに待ち続ける‼️「君たちみんなの中にそれはあるんだよ」‼️この作品に出てくる人間はロージーやチャールズはもちろん、ロージーを裏切り者と信じ込んで集団リンチする村人たちや、娘を救ってやれないロージーの父親など、情けない人間ばかり。でもそんな彼らがちらりと人間の美しい瞬間を垣間見せてくれる。不倫を疑われる中、倒れ込むランドルフに手を差しのべるロージーの強さと潔さ‼️妻の裏切りを知り、苦しみながらも全てを許して受け入れようとするチャールスの懐の深さと静かなる威厳‼️ロバート・ミッチャムは名演ですよね‼️荒れ狂う海、干拓の海辺のそぞろ歩き、白百合の咲き乱れる丘を駆け上がるロージー、ロージーとランドルフが酒場で出逢った瞬間の視線、森の木々の間に揺れるクモの糸、森での官能的な密会、嵐の海辺での武器陸揚げシーンのスペクタクル、そしてロージーとチャールズが保守的な村を出て行くためバスを待つシーン‼️特に森でランドルフがロージーの着ているものを一枚ずつ脱がせていくシーンは大好きというか、ホント美しいシーンですよね‼️もうホントに全てのシーンが好きすぎて、デヴィッド・リーン監督の愛への洞察力の深さに唸らされます‼️デヴィッド・リーン監督にとっても「アラビアのロレンス」や「ドクトル・ジバゴ」と並ぶ代表作なのではないでしょうか⁉️そして忘れられないラストの神父とチャールズのやりとり「向こうに着いたら、ロージーとは、別れるつもりなのかい?」「まぁ」「それは私には疑問だな、その疑問が、私のはなむけだ」‼️

活動写真愛好家
トミーさんのコメント
2023年10月6日

わたしの私的ベスト1なのです。不倫話なのに、あの荒れる海の画! どうやって撮ったんでしょう? アンバランスなストーリーも逆に魅力を感じます。
レビューは上げてないので済みません。

トミー