劇場公開日 1971年4月10日

「ノワール風味が足らないブロンソン作品」夜の訪問者 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ノワール風味が足らないブロンソン作品

2024年5月13日
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70年代に人気絶頂を誇ったチャールズ・ブロンソンがフランスで撮ったノワール風サスペンスで、監督は初期の007作品を担当したテレンス・ヤングだけど、なんかイマイチな出来でした。南仏で貸ボート業をしている主人公が軍の刑務所で一緒だった連中から脅迫されるつかみはなかなかです。ところが出所してきた連中は極悪人の割には、やることが手ぬるく穴だらけで、何をしたいのかピンきません。結局、ブロンソンにいいようにやられてしまい、幕切れも中途半端です。こう言うお話しは、ノワールの大家ジョゼ・ジョバンニあたりに任せとけばいいのに。とは言え、峠道でのドリフト三昧のカーチェイスは迫力たっぷりで、アクション派のテレンス・ヤングらしい演出です。役者では、ブロンソンが軽やかな身のこなしとふてぶてしい面構えが魅力だけど、フランスに出張したには今ひとつ精彩がなくて残念。

シネマディクト