劇場公開日 1971年4月10日

「B級映画ながらなかなか侮れない」夜の訪問者 あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0B級映画ながらなかなか侮れない

2018年12月1日
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チャールズ・ブロンソンの渋い演技、彼の個性が活かされている
低予算のB級映画がながら脇役やスタッフにも才能ある人の名前があるので侮れない

例えばブロンソンの妻役のリヴ・ウルマンは巨匠ベルイマン監督の公私のパートナーで彼の作品の常連女優
かなりのパートを占めている大きな役を演じているが、その演技と存在感は正直ブロンソンを上回っている

また撮影はジャン・ラビエで、あのシェルブールの雨傘を撮影した人
だから映像が、そのシェルブールの雨傘の映像と同じあの雰囲気が色濃く画面に滲み出しておりなかなかにお洒落感が漂う

テレンス・ヤング監督作品ながら、フランスはコートダジュールを舞台にしてフランスのフィルムノワールの味わい
ただ脚本はもう少しこなれていれば、もっとお話も膨らんだし面白くなったのにと思ってしまう

とはいえ、楽しめる映画であるのは間違いない
南仏の美しい風景、街並み、登場人物のお洒落な衣装の着こなしと色彩はファッション雑誌から飛びだしたかのよう
また終盤の岩だらけの峠道の爆走シーンはブリットを思い出させるほどの迫力がある

低予算でこれだけの作品を撮れるのだから、やはりテレンス・ヤング監督は侮れない

あき240