「【妖艶怪美なる三つの短編。エドガー・アラン・ポーの怪奇小説を3人の有名監督が競作したオムニバス。どの作品もクオリティが高く魅力的である。この豪華すぎる企画は、どのようにして生まれたのであろうか。】」世にも怪奇な物語 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【妖艶怪美なる三つの短編。エドガー・アラン・ポーの怪奇小説を3人の有名監督が競作したオムニバス。どの作品もクオリティが高く魅力的である。この豪華すぎる企画は、どのようにして生まれたのであろうか。】
<Caution!内容に触れています。>
1.黒馬の啼く館<ロジェ・ヴァディム監督>
プライドの高い令嬢・フレデリック(ジェーン・フォンダ)は森の中で知り合ったウィルヘルム男爵(ヘンリー・フォンダ)に一目惚れする。
だが普段の彼女の振る舞いを見ていた、ウィルヘルムに拒絶され、彼の馬小屋に火を放ってしまう。その際にウィルヘルムも焼死し、それを知ったフレデリックは狂ったように黒馬に乗り、走り続けるのである。
- 嫉妬の恐ろしさと哀しさを、幻想的なシーン満載で描いた作品。-
2.影を殺した男<ルイ・マル監督>
小さい頃から意地の悪いウイリアム・ウイルソン(アラン・ドロン)。賭博屋で逢ったジュセビーナ(ブリジッド・バルドー)とカードの賭けをして勝ち、彼女の上半身を晒し、鞭打つ。だが、そこにマスクをした男が現れ、彼のイカサマを暴き、怒った彼女から激しく往復ビンタのしっぺ返しを食らう。
怒ったウイルソンは、その男を追いかけナイフで刺すが、マスクを剥がすと自分の顔が現れ、自身の腹部にもナイフが深々と刺さっていた。
- ドッペルゲンガーの皮肉。悪なる自分を、善なる自分が罰する話。-
3.悪魔の首飾り<フェデリコ・フェリーニ監督>
酒と薬物に溺れた俳優のダミット(テレンス・スタンプ)は、落ち目だったがイタリアの映画出演の依頼が来る。報酬はフェラーリ。
だが、彼の前には常に謎の風船を持った少女が現れる。
そして、酩酊した彼は高速でフェラーリで狭い街中、トンネルを疾走する。その時に見えた風船を持った少女。彼は、その姿に向けて猛スピードでフェラーリを飛ばすが、彼は”ピン”と張られていた鉄線により、首を撥ねられる。そして、少女は風船の代わりに彼の首を持ち、”物凄い笑み”を浮かべて振り返るのである。
- 酒と薬物に溺れた人気スターが見た幻覚”悪魔”により、首飾りとなる怖い怖い話。ー
<とんでもない豪華スターを配役に、有名監督が、妖艶怪美なる世界観を持った作品を披露した豪華すぎる作品群。
どの作品も、クオリティが高く魅力的である。
この企画は、どのようにして生まれたのであろうか・・。>