「ギャング映画の歴史に残る傑作だ。」汚れた顔の天使 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ギャング映画の歴史に残る傑作だ。

2024年9月27日
PCから投稿

2人のアイルランド系の少年が強盗を犯す。捕まったロッキー(ジェームズ・キャグニー)は、少年院を経てギャングとなり、逃げ切ったジェリー(パット・オブライエン)は、カトリックの司祭となる。

ジェームズ・キャグニーが、不良少年たちの憧れとなるが、人生を生き急いだロッキーを好演している。ハンフリー・ボガートが、悪徳弁護士フレイザー役で出ている。

早い展開で、実に骨太なドラマだ。ギャングの生き様を、虚しくも感動的に描いている。同じ生い立ちから全く異なる運命を歩んだ2人の男というプロットも、後世の作品に多大な影響を与えている。

ギャングという生き方しか出来なかった男の、心を引き裂かれるような、やり切れない人生を描く。非常に忘れがたい余韻を残す、ギャング映画の歴史に残る傑作だ。

瀬戸口仁