ウェディング・バンケットのレビュー・感想・評価
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アン・リー監督とラン・シャンによる父親三部作二作目
劇場公開時に…観てた…はず。たぶん。
ラン・シャンさま〜。
重くなりそうな要素が多いのにユーモアで包んで辛くならない。考え方の違いを乗り越えたなら、きっともっと良い関係が作れると思いたい。
嘘から出たまこと(真実)
四年前に同じ劇場で観ている。そのことを忘れているが、映画の中身は忘れていない。アン・リーの作品にはそれだけの力がある。
台湾出身のゲイの青年が、そのことを両親に知られたくはないということで、中国出身の女性との偽装結婚をでっち上げる。
嘘で塗りかためられた息子の生活だが、息子の結婚を祝福する思いが溢れる両親。異国の習慣に戸惑い、落胆しながらも、息子を案じ、かつその成長した姿を頼もしく感じている姿は、洋の東西を問わず、時代を超えた老親の心境であろう。
ほんの束の間の偽りのはずが、いろいろな想定外の出来事の積み重さなりによって、人生や家族の本当の姿を浮き彫りにしていく。
本当の自分を知って貰いたい気持ちに気付く息子。息子の本当の姿に気付く父親。この二人がそのことを互いに告げ合うことはない。
何も言わず、よく理解し、深く受け止めてくれる父親に目頭が熱くなる。空港で別れる親子の姿に、自分の父のことを重ねない観客はいまい。
中国語圏にはあるのだろうか。「嘘から出たまこと」という言葉が。
アン・リーの家族三部作。
エリートコースまっしぐら、非の打ちどころのないと思われた自慢の息子がまさかのゲイ。
両親を気遣う息子、その彼を気遣うパートナー、カモフラージュで偽装結婚する女、偽装結婚とは知らず大喜びする両親。
おのおのの複雑な思いがからみにからむが、見事に最後は(ある意味)ハッピーエンド。
お母さん+2人のお父さんが育てる子供がこれからどうなるかなんてわからないけど…このおさめ方は見事。
何も知らないのは父親だけかと思いきや、実は父親が一番すべてを冷静に見ていた、という点も、父親のどっしりした存在が気持ちがよかった。
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