「本物の狂気」欲望という名の電車 よしたださんの映画レビュー(感想・評価)
本物の狂気
ビビアン・リーの鬼気迫る妖女ぶりが恐ろしく、それを瞬間的に見抜くマーロン・ブランドもまた人間の裏側を見通す怖い男を体現している。
「風と共に去りぬ」のリーとは全く異なる様相に、はじめは同じ女優とは思えなかった。本当に狂気をが潜む人にしか出来ない演技だ。
「欲望」という名の電車に乗って墓場へ行くというタイトル通りの女性を描いてはいるが、人間の一生とはまさにこの通り、自分にとって都合の良いイメージを追い求めて、死に向かっていくものだろう。
人間というもののいやらしさ、欺瞞をスクリーンにあぶり出したエリア・カザンの秀作。
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