「チョコレート」八日目 ミカさんの映画レビュー(感想・評価)
チョコレート
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人生に行き詰まった中年男アリーとチョコレートが大好きなダウン症の青年ジョルジュが友情を育むロードムービーです。
相反する人物の友情物語は、映画に良くあるネタであり、特に「持たない者」により「持つ者」が人生観を変えていく話がベタですが、この作品はそう単純な話ではありません。障害者は人を感動させる道具ではなく、現実社会はもっとシニカルであることを描いています。
そして、最終的に行き場のなくなったジョルジュがとった「自殺」という行動。何故、ジョルジュは生まれてきたのだろうか。天や地、あらゆるものの創造主である神様は最後にこう言います。
「何か創り忘れたものはないかな。八日目の創造物は、ジョルジュ。」
神様は、必要があるからジョルジュを創った。必要の無い物は決して創らない。この世にある物全て。
ラストシーンは神を中心とした西洋の本質主義的な思想をベースに、自殺したジョルジュが救済される作りになっています。この当たりは、観る側の好みがはっきりと出るかもしれません。
個人的にジョルジュがアリーに「もっと笑って」というシーンが好きです。私も笑わないと。
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