ユージュアル・サスペクツのレビュー・感想・評価
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信頼できないのは「語り手」だけじゃない。
◯作品全体
大好きな作品なので既に数回見ている。衝撃のラストやキントによる「信用できない語り手」の回想に惹かれる作品だけど、登場人物たちの仕草やカメラワークによる騙すギミックも素晴らしいな、と感じた。
たとえばキントが事務室に入ってきて間もない、冒頭のシーン。キントが様々なところに目線を這わせ、偽装工作の準備を始める。視線が落ち着かない変な男、のように見せるミスリードが巧い。時間稼ぎのようにコーヒーを淹れさせ、たばこをつけさせるシーンも良い。不審がらせないように、さりげなく障害者、社会的弱者であることを強くアピールしている。
状況説明をするようなカメラと登場人物の距離感も良かった。回想には必ずキントの語りが挟まっていることを、客観視するカメラによって印象付けている。まるで「画面上で行われていることはキントからの情報によって構成されていることを忘れるな」と訴えているようだった。
その「キントからの情報」を強く感じるのはキートンの描写だ。キートンはすごく魅力的な、人情味ある人物として映されている。イーディを見る視線もそうだし、仕事を続けることに躊躇いがあったり、キントを逃がそうとするところもそうだ。本当にそうだったかはわからないが、回想シーンのカメラには必ずキントのフィルターがかかっていると思ったほうが良いだろう。そう考えると警察が「キートンは冷徹な男」と見ているのを逆手にとって、キントが騙されていたという方向へ誘導するような演出がカメラに仕組まれていたと感じる。
例えば、序盤でキントがキートンを仲間に誘うシーン。イーディについて言及することでキートンから暴行を受けるが、映すのは二人の上半身だけで暴行を直接的に描写しない。これは「キントからの情報」がキートンにダメージを与える描写を規制しているのだと思う。終盤で警察が「キートンがソゼだ」と結論づけるが、そのシーンではキントに対して冷たい仕打ちをとるキートンが映される。これは「キントからの情報」というフィルターが外れて、警察側による情報として映像が切り替わったような効果があった。そう考えると、宝石商を撃った場面もキントが意図的に庇っている可能性があった(=キートンが躊躇いなく撃った)り、フェンスターの遺体を埋めようとするキートンは実際には唾を吐いたのかもしれない。
これはもう、正確なことは何も言えないわけだ。人によってはこの不正確さ、曖昧さに興醒めするのかもしれないが、個人的には映像作品の、そして映像演出の妙を強く感じて感動した。
過去の回想において画面上で行われていた行為は、全くと言って良いほど信頼できない。だからこそ「語り」だけでなく映像演出も含めて登場人物の意図を考えたくなる。
カメラワークは神の目線のスタッフの意図だけじゃなくて登場人物の思惑もある…そう考えると登場人物がより生々しく見えてくる。そこに作品の作り込みを強く感じた。
◯カメラワークとか
・ファーストカットが良い。港の水面と複数浮かぶ光源の揺れ。物語の静かな導入としてもかっこいいし、虚像を映すことで真実の霞みを感じられる。
・コバヤシの事務所でイーディを見つけるシーンではガラスの反射を上手く使った演出があった。事務所内にいるイーディをガラス越しに見つめるキートン。事務所内からキートンを映すことでガラスが反射して外にあるビルしか映らない。しかし反射の先にイーディを見張る”ボディガード”が立つことで影になり、反射の奥にいるキートンと、手前にいるイーディが映るという仕掛け。キートンとイーディの間には避けられないコバヤシの魔の手がある、ということを画面から伝える演出だった。
◯その他
・終盤とラストカットも何度見ても良い。ゆっくりと本性を現していくキントの足取りが戻っていくところは本当にゾッとする。ラストカットでキントの言葉を反芻させるのも本当にうまい。誰のことを言っているのか、と考えていると、最後の「フッと消えた」がトドメを刺してくるような。
“カイザー・ソゼ”が頭の中でリピートされる
この映画のエンディングを見終えてからというもの、似たような設定やキャラクターが映画やドラマに出てきた時、もしくは実生活においても裏で何か得体の知れない大きな力が働いているのではないかと感じた時などにふと思い出す名前があります。それほどブライアン・シンガー監督のクライム・サスペンス「ユージュアル・サスペクツ」(1995)のラストに鳥肌が立ちました。
その巧妙なストーリー展開と演出をさらに魅力あるものにしているのがキャストです。クセのある前科者5人を演じた、ガブリエル・バーンの渋み、スティーブン・ボールドウィンとベニチオ・デルトロのキレ味、ケビン・ポラックの狂気、ケビン・スペイシーの不敵な笑みが相乗効果を発揮。さらにチャズ・パルミンテリ、ピート・ポスルスウェイトらが脇を固めていて、彼らの絶妙な演技の応酬が、この映画のもう一つの見どころです。
なかでも物語の語り手であり、左側の手足が不自由で気弱な詐欺師のヴァーバル・キントを演じたスペイシーは、この演技により第68回アカデミー賞で助演男優賞を受賞しました。(※スペイシーは、2017年から告発が相次いだ性的暴行疑惑のため現在は主だった俳優活動を行っていません)
キントが語る出来事によって事件が次第に明かされていきますが、その中に出てくる、実在しないとも言われる伝説のギャングの名前が“カイザー・ソゼ”なのです。
まるでパズルを組み合わせていくような面白さがあるのですが、次第にキントが語る話はどこまでが真実なのか、映画を見ながら組み合わせていたパズルが果たしてあっているのか、見終わった後に自分の頭の中で組み直すことになるかもしれません。
謎解き苦手な人は口半開きで見てるしかない映画。※ネタバレは纏めて最下部
見終わった途端「やってくれたね!!!!!」と叫びたくなる作品でした。やってくれたね!!!!
評判が良いとずーっと聞いてはいたものの、何故か今の今まで見ずにいましたが、いやはや。見て良かった。ていうかもっと早く見れば良かった。GEOで旧作50円キャンペーンやってたんで借りてきたんですが、買っても良いレベル(まあ、ラストを知った後は何度も見るもんでもないのかもしれないが)。
言うて大昔(1995年)の作品なので、今見てもそこまで驚きはないのかもしんないなーとか思ってたんですが、全然でした。
大抵、絶賛された作品って割とオマージュにオマージュを重ねて後世まで引き継がれちゃって、今見ると「当時は凄かったんだろうけどさーもう今は使い古されてるよねー」と期待外れになってしまうこともあるので、こんな昔の作品が今も色褪せずに見られるってのはなかなか凄い。
自分は特にミステリーファンではないですが、家族がミステリーファンなので定期的にこういうのを借りてきて見ています。なので推理力はないけど、本数は結構見てる…はず。
上に書いた通り自分は口半開きで見てる勢ですが、そういう人でも何かスゲー!ってのはわかるはず(頭悪い感想)。
すかさず美男美女のエロを差し挟んだり過剰なグロで一部のファンを釣ったりといった、嫌な言い方すると客に媚びるような演出に頼りきりな作品ではなく、かなりの正統派。評判通り、満足度の高い作品でした。
エロなし、虫なし、焼死体あり。
あらすじ:
カリフォルニアの港でマフィアの麻薬密輸船が爆発し、その船上からは焼死体や銃殺体の大量の死体が発見される。マフィアの抗争と思われる凄惨な現場だったが、その中で唯一無傷で生き残ったヴァーバル・キントを捜査官のクイヤンが尋問する。キントは6週間前に遡り、事件のあらましを思い返しつつ話し始める。ニューヨークの警察署に銃器強奪事件の容疑者として、元汚職警官のキートン、強盗のマクマナスとフェンスター、爆薬に詳しいホックニー、そして詐欺師のキントの5人が集められたが、証拠不十分で釈放される。しかし互いの腕を認め合っていた5人はそこで新たな仕事を一緒にすることになり、宝石強盗を成功させる。途中、取引の仲介をするレッドフッドから新たな仕事を持ちかけられるが、それは嘘だった。レッドフッドに詰め寄ると、依頼主であるコバヤシという弁護士に直接会えと言われる。コバヤシは「5人は全員、自分の雇い主である伝説のギャング、カイザー・ソゼの物を、それと知らずに盗んだことがある。5人が集められたのもソゼの力であり、借りを返せ」と言う。ソゼの名を聞いたフェンスターは逃げだすが、翌日死体となって発見される。キートンはコバヤシこそがソゼだ、コバヤシを殺そうと3人に持ち掛けるが、身内を人質に取られ結局コバヤシの求め通り船を襲うことに。仕事は商売敵の麻薬取引を邪魔すること。麻薬を処分し商売敵を困らせることができれば、あとの物は好きにして良いとのことだったが、4人は麻薬も強奪しようと目論む。しかし、船内に麻薬など1つもなかった。
ちなみにタイトルの『ユージュアル・サスペクツ』は、何か犯罪があった時に必ず容疑者として名前を挙げられる人達のことで、要は何度もやらかしてる常連犯罪者のことだそう。
何を書いてもネタバレになりそうな気もするけど、とりあえず製作陣のコバヤシ推しが凄い。もはや何の意味もなくコバヤシという語感が好きで連呼してるんじゃないかと疑うレベル。おかげでコバヤシだけは覚えてますが、登場人物が3人を超えると名前を覚えられないアッパラパーの自分には少々厳しい人数。ミステリーってほんと登場人物多いよな…もちろんわかりにくくするために必要なんだろうけど。
序盤でそれぞれの名前を覚えてないと、結構厳しいです。とはいえ、理解できなくて口半開きで見てても面白いから、我こそは他人の名前覚えるの苦手!勢はもう、わからないままボーっと見ててもいいと思います。
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以下
完全
ネタバレ
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ヴァーバル・キントという名前について、ヴァーバルは「言葉だけの」という意味。序盤でキントは全く喋らないのに、キント本人は「本当にお喋り(ヴァーバル)でね」と言っています(全然喋んねーじゃんと突っ込まれますが)。
よく「ノンヴァーバルコミュニケーション」なんて使われますが、あれが「言葉によらないコミニュケーション」という意味なので、その逆ですね。
そしてカイザー・ソゼ。ソゼはトルコ語で「お喋り」という意味だそう。カイザーがドイツ語で「帝王」なので、カイザー・ソゼは「お喋り帝王」です。何か可愛いな。
というわけで、実は最初からキントがソゼであることはわかるようにはなっています。におわせるどころか、自らヒント出してくタイプ。
が、最初からそれを意識して見ている人がどれだけいるかということですね。むしろ、ここまで伏線を張って、最初からキントが犯人だとわかるように作っているのに、それでもラストを見て「とんでもねえどんでん返しだ~!」と思ってしまう作りに感服。2回目からは、キントが最初っからこんだけ怪しかったのに何で気付かなかったんだろう…?という不思議に浸りつつ見られるかも。
気付かないというより、「何か変なんだけど、何が変なのか理由を探しても見つからない」が正しいかもしれません。確かに最初から最後まで、キントは「何か変」なんですけどね。
キントは結局、部屋にあった物に書かれた名前を適当に並べ立てて作り話をしてただけという、とんでもねえ妄想野郎だったというオチ。想像力が豊か過ぎてついてけねえや。でもこれだからキントは「詐欺師」なんでしょうね。他は皆強盗だの爆弾魔だの、人殺しもしている模様。なのにキントは何かショボい「詐欺師」。しかも気弱そうだし、左半身の麻痺という「即見てわかる障害」を持っている。なーんか変だぞ。
序盤でそこまで思っていても、いつまでもキントは大した動きを見せない。う~ん、違うのか?と思わせて、やっぱりお前かーい!という、芸人が大喜びしそうな王道のノリツッコミを気持ち良くさせてくれそうな、素晴らしいオチでした。
全部キントの妄想で作り話だから、キントが決定的に怪しい動きをしているシーンなんて見つかるはずがない、という完全犯罪すぎる脚本にまんまとハメられました。
絵面はオッサンばっかで地味だし、美男美女でごまかそうとせず、恋愛だの友情だのといったドラマチックな展開も全くないにも関わらず、最初から最後まで苦痛を感じることなく集中して見られました。ぜひ一度は見てほしい。
タイトルなし
ケビン・スペイシーが出てる時点でラストは予想出来たし、わざとらしい不自由ヨワヨワ設定も絶対嘘だと思ってたw
ラスト車乗り込んだ後、カメラ目線で「あの歩き方と話し方は毎度疲れるよ」みたいなフランクアンダーウッドが脳内再生されたw
最後、似顔絵握られてるのは映画のネタバラシのためとは言え、これまで徹底してたのにお粗末では?とは思った。
個人的には、あの火傷の奴が息を引き取る寸前に、刑事だけに「スペイシーが奴です」と告げて物的証拠は無し。みたいな方が良かったかな
カイザー・ソゼ 〜 集められた5人
ガブリエル・バーン、ケヴィン・スペイシーの演技が巧い。
何処か微笑ましい面通しシーンがいい。
終盤の尋問シーンからラストに全てを持って行かれた。いつのまにか捜査官目線で観ていた 👀
作品のポスターが効いてる。
BS松竹東急を録画にて鑑賞 (字幕)
なかなか面白かった。
どんでん返しがあるとか何も知らずに鑑賞。
正直カイザー・ソゼの正体は途中から予想がついたけど、そこに至るプロセスが読めなかったので楽しく観れた。
クイヤンが壁を見て全てに気が付くシーンは圧巻!
終盤キントもといソゼが泣くシーン、涙ゼロで嘘泣き丸出しだったのは監督の指示なのか、ケヴィン・スペイシーの泣き演技が下手すぎるだけなのか、それだけ気になった。
そして、フッと消えた・・・‼️
何者かに雇われ、犯罪を重ねる5人の犯罪者たち。物語が進むにつれ、浮かび上がってくる伝説の犯罪者カイザー・ソゼ‼️彼は一体何者なのか?襲撃された密輸船、ガブリエル・バーンが火をつける。爆発物に向かっていく導火。高所からの立ちションで火を消すカイザー‼️このオープニングシーンからして作品全体に漂う不穏さがハンパないです‼️アカデミー賞では助演だったけど、事実上主演といえるケヴィン・スペイシー扮するキント‼️半身麻痺で片足引きずって歩くこのキントの回想で語られる物語構成そのものが映画的な仕掛けとなっていて唸らされる逸品ですね‼️底の部分に "Kobayashi" の文字が見える、刑事の割れたマグカップのスローモーションとクローズアップ‼️そして警察署を出たキントが歩き出し、引きずっている足のアップが普通の歩行に変わっていき、カイザー・ソゼになるシーン‼️ホント素晴らしいです‼️最近では「トップガン マーヴェリック」「ミッション・インポッシブル」などで、トム・クルーズの右腕となっているクリストファー・マッカリーの計算され尽くした巧妙な脚本‼️ユーモア、緊迫感、フィルムノワール的雰囲気を織り交ぜたブライアン・シンガー監督の演出ぶりも見事‼️ただやはりケヴィン・スペイシーですね‼️今になって思えばこの作品と「セブン」「 L.A.コンフィデンシャル」「アメリカン・ビューティー」と、90年代はケヴィン・スペイシーの時代だったと思います‼️ところが最近ではセクハラ問題‼️「そして、フッと消えた・・・」‼️
カイザー・ソゼ
今はこの手のどんでん返しは結構ドラマや映画に出てくるので、そこまで驚きはなかったですが当時観ていたらもう少し印象が違っていたと思います。
ちょっと前半わかりにくいとこもあったけど、いいシナリオで私は好きでした。
『メメント』的どんでん返しもう一回見直したら発見あるよ系。 いつも...
『メメント』的どんでん返しもう一回見直したら発見あるよ系。
いつもながらケビン・スペイシーが魅せるんだけど、褒めにくい人になってしまったのが本当に残念。
ようやく謎が解けました!
昔から大どんでん返しの例えとして芸人さんたちが使っている「ユージュアル・サスぺクツか!!」っていうツッコミの元ネタが気になっていて、アマプラでブックマークしていた時は有料だったのですが、知らない間にプライム特典扱いになっていたので、ようやく視聴するに至りました。
どんでん返しがあるとわかった上で観ていても、それを上回るほどの大どんでん返しに、そりゃ例えとして使われるわと納得がいきました。
秀逸な脚本とケビン・スペイシーの表情の演技の上手さにまんまと騙されると同時に、もしどんでん返しがあることを知らずに観たらどんだけビックリできただろうとそこだけが悔やまれます。
低予算でありながら30年近く経った現在でもどんでん返し映画の代名詞として語られる本作、映画製作のお手本のような映画だと感心させられました。
どんでん返しからのどんでん返し
登場人物多めだけど、みんな顔が似てないからかすぐ覚えられた。
最初はよく理解できなかったけど、時系列が行ったり来たりというのに気付いてから理解出来た。
最初のどんでん返しは予測付かなかったけど、最後のどんでん返しはなんとなく予想ついた。
だってケヴィン・スペイシーだけ段違いで有名なんだもん、、。
コバヤシ役の人が雰囲気ありすぎて怖い!ロミオとジュリエットでは良い人の役で出てたのにちょっと怖かった。
記憶を忘れた頃にまた見たい。
サスペンス好きなので辛口評価です。
自分がこの映画の評価を落とした点は3点。
1.サスペンスミステリーとしての御法度破り
まずこの物語は2人の話からなる物語になっています。
観る側の人間は2人の会話の内容を映像化した物を見せられているわけですが、つまり観る側はこの映像こそが真理でありそれを信じるしかないのです、だがしかし結果はどこまでが真実で嘘かわからない1人の人物の作り話になっています。そんなのなんでもありじゃん、って話でやはり映像は真実でありその中に観る側をいかに騙すかというトリックが面白いのにこれではまるでミステリーでは御法度の夢オチと差異はないレベルの邪道だと思いました。要は何でも有り状態になっています。なので推理もカットの深読みも伏線も全てに意味がありません。なぜなら彼の作り話は何が事実で嘘かの線引きが観てる側には測れないからです。当時は真新しく珍しかったのかもしれないが現代映画でこの手法は通用しないと思います。完全に個人の好みですが自分はやはりルールの中での騙し合いが好みなので評価は落ちました。
2.オチに全振りしてる為序盤中盤が壊滅的にくだらない
ラスト10分まで睡魔との戦いです。
ずっとダラダラ何の起伏もなく物語と時間だけが進んでいきます。
3.犯人は1人しか考えられない
ずっと怪しいんですよね。障害者の詐欺師。
なんで彼がチームに必要とされてるのか?だって普通に足手纏いじゃないですか。最初から彼ばかりが疑問でした。またシーンによっては障害の症状に差がありこれはブラフなのか?と勘繰るほどです。結果はブラフだったわけですが.....間違いなくこのキャラクターが鍵を握っているなと感じるはずです。
決定的だったのは終盤に近づくにつれて確信に変わります。
あと10分で映画終わるぞ!?そうなればカイザーソゼって誰?いきなり新キャラクターが出てきて私がカイザーソゼでした!というものなら興醒めです。映画である以上は登場人物の中の誰かが犯人じゃないと物語として成立しないレベルまで時間は進んでるんです。だってラスト10分ですよ?
そう思考すれば犯人はもう1人しか成立しないんです。
それは唯一の生存者です。
上記3点が評価を下げた理由です。
唯一良かったのは最後のシーン。ケビンスペイシーの足元のズームから歩き方が切り替わっていくシーンはカッコよくてお洒落だった。
これは4時間映画。絶対に2回見ろ。
数年ぶり2回目の鑑賞。いやあ~ほんとタランティーノ映画はコレに限らず2回以上見るべき。これぞスルメ映画。こういう作品こそDVDで所持したい。
さてさて、カイザーソゼがセ○ンのパパラッチなのは皆さんご周知の通りなので、この作品は一回観たらもう大方の面白い要素は接種出来るんですけれども、それでも2周目だからこそ楽しめる要素も盛りだくさんなのです。
まず冒頭から『足の感覚が無いよ、、』のセリフでニヤつかされ、字幕版で聞くと声も一緒で「これバレバレじゃねえか笑」と覚えていたよりも遥かに分かりやすい演出にビックリさせられました。
特にカイザー・ソゼの話をした次のシーンでキントが映る回数が多いこと多いこと。普通にカイザー・ソゼ→キントの構図が多くて「これ初見でも全然気づくんじゃねえか?」と何故かヒヤヒヤしている自分が居たり。
それでも他の方々のレビューを散見すると皆さん『騙された~!』って言ってるんですよね。いや、ほんと凄いですよこの作品。
あと、どうしても吹いてしまったのが犯行中など外面モードの時のキントの態度(笑)。マスクの悪役だった兄ちゃんやコバヤシと取引してるシーンではカッコよくタバコ吸って立ってるんですよね。どう見ても親分の態度やんけと(笑)。
パトカーを襲撃するシーンでもオーラ有りまくりです。初見の時はこの辺どう見えてたんだっけな~。ただイキってる下っ端みたいに見えたっけな~。
で、だ。
結局この映画ってどういう話だったの?という部分を掘り下げるとだいぶ考察サイトの助けを借りないと常人には理解出来ない。少なくとも、警察が確認している部分は事実なので、5人が顔合わせに来たことや船での一連の事件は事実。一方で、マスクの悪役兄ちゃんとの取引やその間に挟まれているエピソードの大半は真偽不明なのだ。
まあ、コバヤシなる男は実在したし概ねは実際に有った出来事なのでしょうが、この辺の「ん?ん?」と最後放り出されるのがまた未知の快感を呼んで人々をこの作品の虜にする所以なのでしょう。
そもそも、キントですらもソゼの下っ端説が有るとか無いとか。
大体、4人への復讐ってのも手間が掛かり過ぎですし、今基準に考えると色々と突っ込みどころは有るので、95年の映画だからこそな完成度の気もします。これほど完璧な犯行をした後で、顔を晒しちゃってるのが「ソゼ甘くねえか!?」って言いたくなるんですよね。
まあそんなつまらない感想は置いといて、とにかく名作です。2周目で普通にソゼが笑ってるところとかを発見した時のもうこっちもニヤついちゃう感じを絶対に味わいましょう。
※浅い感想※
ふんわり観終わりました。序盤を超適当に見たせいで、顔と名前とがほぼ一致しないまま最後まで駆け抜ける羽目になりました。全編集中して見れば普通に面白かったと思うので、今度もう少し集中してみようかと思います。以上。
オチのどんでん返し映画としてよく名前が上がるので超期待して観てたんですけど、半ばでママン(サスペンス好き)が真犯人を予測して見事それが当たってしまったので、面白さ7割減でした。サスペンス映画を超適当に&サスペンス場数を踏んでる人と一緒に見るとこうなります。
開始5分に最大のヒント
1回目を7年くらい前に観たが忘れてしまい、Netflixで発見したので再視聴。
注意深く観てみると冒頭のキートンを殺すシーンで銃を左手に持ち替えている。
コレが最大のヒントになっていて、分かっていながら観ると誰が黒幕かわかるようにちゃんとなっている。
コレは上手い演出、ワザとらしく丁寧に持ち替えている。多分に2度目観る人を意識しての演出だという事に気付かされた。1回目の人はそこまで細かく観ないだろう、勿論気付く人は居るだろうが。
なのでこの映画の肝は誰が黒幕か?というものではなくそこに至るまでの流れをどうやって上手く構成するか?というものになっている。
2時間弱の映画でこれだけうまく起承転結がまとまった映像作品はそうない。
誤解を恐れずに言えばミステリーの様式を引用した挑戦的な映画である事は間違いない。コレが20年以上前の作品であるから尚驚く。
【映画の面白さ】
この「ユージュアル・サスペクツ」の公開された年のアカデミー賞の作品賞に、これがノミネートもされていないのかと結構驚いた記憶がある。
それほど、この映画は面白いし、大作主義じゃなくても良い映画は作れるのだと思った。
ただ、この作品は、脚本賞と助演男優賞(ケヴィン・スペイシー)を獲得した。
この作品は、多くの人の支持を受けていると思うが、今回、午前10時の映画祭の、この作品の上映に足を運んで思ったのだが、まあ、ちょっと想像してほしいのだけれども、映画SNSにちょっといる”キャクホンガー”や、”エイガハゴラクンジャー”、そして”フクセンカイシューン”も楽しめるだろうなと思った。
”キャクホンガー”はアカデミー賞脚本賞で異論は出づらいし、まあ、これほどヒットして、今でも支持されると”エイガハゴラクンジャー”も文句のつけようがない気がする。
ただ、”フクセンカイシューン”はどうだろうか。
この作品は、ちゃんと伏線は回収されているだろうか。
そもそも、この「ユージュアル・サスペクツ」という映画タイトルは曲者だ。
ユージュアル・サスペクツ、つまり、”いつもの容疑者”なのだ。
そして映画の多くは、ケヴィン・スペイシー演じるキントの回想による。
キントは、”ユージュアル・サスペクツ”の一人だ。
このキントの回想の中で、警察が唯一確実に確認できたのは、5人のユージュアル・サスペクツが警察に連行されたことだけのはずだ。
回想の中で、あれっと思う瞬間がある。
日本人ならではだが、コバヤシに日本人の血が流れているようには見えないことだ。
しかし、養子という可能性だってある。
そして最後、解放されたキントが、障碍者のような動きから健常者の足取りとなり、回想上のコバヤシの車に乗り込んだ時点で、キントこそがカイザー・ソゼだと映画を観ている人に確信させて、じゃあ、なぜキントは”いつもの容疑者”の一人たりえたのか、警察は確認していなかったのか、もしかしたら、カイザー・ソゼがキントに変装したのか、似顔絵は似ているようだが、実は別人のようにも見えるし、実は、整形していた可能性だってあるじゃないかとか、根本的な疑問を残し、つまり、伏線はちゃんとは回収させないようにしているのだ。
フクセンカイシューンにとっては厄介な映画だ。
でも、本当にこの作品は面白い。
たぶん、小説にしても面白いに違いないと思う。
キャクホンガー、エイガハゴラクンジャー、そして、フクセンカイシューンの皆さん、ごめんなさい。
※ ところで、午前10時の映画祭の人、週末の早起きはきついので、週末は、午後1時の映画祭とかにできませんかね?
I don't believe the God, but I`m afraid of him. カイザー・ソゼ❗
「午前10時の映画祭」で鑑賞しました。いやいや、これは面白かったです。どれぐらい面白かったかというと、映画館を出る時に左足を内側にして歩いてしまうぐらいでした。歩きにくかったからすぐ止めましたけど。
とりあえずケヴィン・スペイシーがスゴい‼️この頃って「セブン」にも出ていた頃なので、正に油が乗っていた時代なんでしょうね。色んな理由で消えてしまったのが残念です。後、若いデル・トロのチンピラ感😁似合ってました。
個人的にはx-menのイメージが強いブライアン・シンガーなのですが、最初に注目を浴びたのは本作だったんですね。確かに良くできている❗実はキートンがソゼだったと思わせてからの真犯人はお見事な作りでした。ソゼさん、自分に害をなした奴らを一気に復讐しちゃってます。そうそう、冒頭の港でロープ等の道具が置いてある場面が写ってて「きっと後で何か意味があるんだろうな」っと思ってたら、その後ろにヴァーバルが隠れていましたって所に繋がるという。シンガー監督、ちゃんと最初から最後まで考えて映画作ってますよね。
まぁ、ヴァーバルが喋った内容はほぼ作り話だったのですけど。でもヴァーバルことカイザー・ソゼさん、壁に貼ってあるニュースの単語からドンドン話を作れるってスゴい能力ですよね。もう、何処からが現実で何処からが作り話か全くわかりません。こんなタイプの人が会社にいたら厄介だろうなぁ。
オチを知っていても面白い事は面白い
最後のどんでん返しを知っているのにこの映画を観ても面白いんだろうか?
そんな思いで改めて観ました。
初見は公開した頃なので20年程前ですが、ラストのインパクトは凄かったです。
正直に言えば、たぶんキントが親玉だろうというのは読めてはいたものの、
その場の張り紙やコーヒーカップのメーカーから空想で物語を作り上げていた事への天才ぶりに驚きを飛び越えてゾッとする程の恐怖を感じ、
引きずっていた足で平然と歩きだす姿に完全に逃げ切りを果たし切った痛快さを知り圧倒させられる。
ストーリーを遡れば、ひ弱なふりをしたり、カイザーソゼの存在をFBIが掴んでいる事に激高したり、キートンに騙されたと泣いたり、そんな姿まで嘘だったのか!!と思うと、そこにも絶句しかない衝撃があって。
20年経った今でも、この映画のラストの急展開、どんでん返しを超える映画はないかな。と個人的に思える映画でした。
改めての観返しですが、オチを知っていても面白い事は面白いです。
けれど、知らないでこの映画を観るインパクトにはやっぱり敵うはずもなく。というのは正直な感想です。
ラストの展開も、そうそう、こんな感じ!と、割と微笑ましく迎えながら、やっぱりこの展開かっこいいな。と感心したり。
ただ、とにかくケヴィン・スペイシーの存在感、その一挙手一投足に完全に釘付けになりますね。
表情、声、語り口、感情の変化、ここまで怪しくて、知性的で、得も言われぬ余裕を感じる佇まい、ひたすら凄いとしか言えない存在感です。
また、オチを知っているからこそ、ストーリーの細かい部分の合点が行ったり、純粋に謎解きを楽しめたり。という部分が多かったのも事実で、ラストばかりに目が行く映画かと思っていましたが、推理物としてもかなり面白い映画でした。
ただ、推理部分に関しては、警察の掴んだ事実、キントの説明する内容の2つから、キントの隠した本当の真実を推し量るしかなく、しかもその部分の解答に関しては、実はキントはカイザーソゼだった。という事実くらいしか明らかにならないんですよね。
なので、見終えた今の状態では謎だらけというのが実情です。
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