「#真相をお話しします。 オチが広まってしまったドンデン返し系映画に果たして価値はあるのか?」ユージュアル・サスペクツ たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
#真相をお話しします。 オチが広まってしまったドンデン返し系映画に果たして価値はあるのか?
とある事件の面通しの為に集められた5人の容疑者が、謎の男“カイザー・ソゼ"に翻弄される様を描いたクライム・ミステリー。
監督はブライアン・シンガー。
脚本はクリストファー・マッカリー。本作でアカデミー賞脚本賞を受賞した。
5人の容疑者のうちの1人で、手足に障害を持つ詐欺師、ヴァーバル・キントを演じるのは『ワーキング・ガール』『摩天楼を夢みて』の、レジェンド俳優ケヴィン・スペイシー,KBE。本作でアカデミー賞助演男優賞を受賞した。
5人の容疑者のうちの1人、フレッド・フェンスターを演じるのは『007/消されたライセンス』の、後のオスカー俳優ベニチオ・デル・トロ。
👑受賞歴👑
第68回 アカデミー賞…脚本賞/助演男優賞(スペイシー)!✨
第49回 英国アカデミー賞…オリジナル脚本賞!
第11回 インディペンデント・スピリット賞…脚本賞!
第8回 東京国際映画祭…ゴールド賞!
ブライアン・シンガーとクリストファー・マッカリー、そしてケヴィン・スペイシーの名を世に知らしめた、叙述トリックミステリーの代表格。観客の意表を突くラストシーンが特徴で、その巧みな語り口から“史上最高の脚本“の1つとしてその名が挙げられる事も多い。
世界的に評価される1本なので、こんなことを言うのは憚られるのだが、正直に言います。
めちゃクソつまらなかった…🌀🌀🌀
コンディションが良くなかったという個人的な理由もあるのだが、とにかく眠い。ただただ眠い。中盤以降は常に眠気との闘いを強いられていた様な気がする。
映画鑑賞でここまで眠くなる事は稀なのだが…。それほどこの映画が退屈だったのである。
何故ここまで退屈してしまったのか。それは偏に、この映画のオチを知ってしまっていたから。
その性質上ネタバレ厳禁の作品なのだが、流石に公開から30年も経つと内容はダダ漏れ。カイザー・ソゼの正体なんて、ダース・ベイダーと同じくらい…とまでは言わないが、映画好きであれば未見でも当然知っているくらいには世に広まってしまっており、その驚愕のラストにはもう何の価値も残されていないのである。
とはいえ。面白い映画であればネタバレしていようがいまいがあまり関係ないと言うのが個人の意見。ダース・ベイダーの正体が分かっていても『スター・ウォーズ』(1977)は面白いし、タイラー・ダーデンの正体が分かっていても『ファイト・クラブ』(1999)は素晴らしい。『シックス・センス』(1999)もまた然り。ドンデン返しとは映画を構成する一要素に過ぎず、大事なのはそこに至るまでの過程なのだ。
しかし、本作はその過程がつまんない。5人の“ユージュアル・サスペクツ“は特にケミストリーを醸し出しているわけでもないし、キントとキートンの友情は全く観客に伝わってこない。ケイパームービーの筈なのに、その面白みが1㎜も描き込めていないのである。
叙述トリックに注力するがあまり、肝心のお話がおざなりになってしまうというのはこの手のジャンルにありがち。本作も後多分に漏れずその落とし穴に嵌ってしまっている。
細かい部分のキメの荒さも気になる。重度の火傷を負った参考人の病室で、マスクを外したり大声で電話したり…。いやさっき、感染症の恐れがあるので消毒をしっかりしないといけない云々というやり取りがあったばっかりやないですか。
カイザー・ソゼの銃の構え方も気になる。何で銃を横に傾けて撃つんだろう?何処ぞのチンピラならともかく、プロの殺し屋であるソゼがそんなカッコつけた撃ち方するかぁ?
新鮮味があるうちは美味しいが、すぐに鮮度が落ちてしまうのが叙述トリックの弱点。だからこそお話しの部分を強化しなければならないと思うのだが、本作はそこがヘナチョコである。
少し厳しいことを言うが、これはアカデミー賞で脚本賞を受賞する程の作品か?同年に公開された『セブン』(1995)は本作と共通点の多い作品だが、こちらは無冠どころか編集賞にノミネートされただけという冷遇っぷり。…いやおかしいだろっ!アカデミー会員の目は節穴か!?
どう考えたって『セブン』の方がよく出来ていると思うのだが。30年前のアカデミー賞に文句を言っても仕方ないが、それにしたって…。
リアルタイムで観ていれば感想は違ったのかも知れないが、ネタがバレてしまった今となっては、このくらいのしょっぱい評価が妥当な所だと思います。
あ、ちなみに本作の1番の驚きはベニチオ・デル・トロ。今と印象が違い過ぎて、初見では全く気が付きませんでした。気付いた人は凄いっ👏
たなかなかなかさん
ですね!
ベニチオ・デル・トロ、アメリカで5月公開予定の映画「 ザ・フェニキアン ・スキーム 」に主演されているんですね。トム・ハンクス、スカヨハとの共演だそうです。日本で劇場公開されるかは分かりませんが。
たなかなかなかさん
コメントへの返信を頂き有難うございます。
ホラー回避の私にとって「 セブン 」鑑賞のハードル、かなり高そうですね 😆
ベニチオ・デル・トロ、プエルトリコご出身だからか、ブラピよりもセクシーかも知れません。
たなかなかなかさん
おおっと!なかなか辛辣なレビューですね 👀
本作情報、全く知らずにに観てました(笑)
「 セブン 」、ホラー苦手な為引きずってしまいそうなので観ていません。。
なるほどーーー。
この作品いいと思ったけど… 、あの俳優さんの演技凄かったけど… 、ありますよね 👀
鑑賞作品数が多くない割に「21グラム 」、「 ボーダーライン 」シリーズを観ていた( 録画です )からか、ベニチオ・デル・トロ、認識出来てましたよ 😆
確かに本作ではブラピタイプでしたね!