「これは4時間映画。絶対に2回見ろ。」ユージュアル・サスペクツ 真中合歓さんの映画レビュー(感想・評価)
これは4時間映画。絶対に2回見ろ。
数年ぶり2回目の鑑賞。いやあ~ほんとタランティーノ映画はコレに限らず2回以上見るべき。これぞスルメ映画。こういう作品こそDVDで所持したい。
さてさて、カイザーソゼがセ○ンのパパラッチなのは皆さんご周知の通りなので、この作品は一回観たらもう大方の面白い要素は接種出来るんですけれども、それでも2周目だからこそ楽しめる要素も盛りだくさんなのです。
まず冒頭から『足の感覚が無いよ、、』のセリフでニヤつかされ、字幕版で聞くと声も一緒で「これバレバレじゃねえか笑」と覚えていたよりも遥かに分かりやすい演出にビックリさせられました。
特にカイザー・ソゼの話をした次のシーンでキントが映る回数が多いこと多いこと。普通にカイザー・ソゼ→キントの構図が多くて「これ初見でも全然気づくんじゃねえか?」と何故かヒヤヒヤしている自分が居たり。
それでも他の方々のレビューを散見すると皆さん『騙された~!』って言ってるんですよね。いや、ほんと凄いですよこの作品。
あと、どうしても吹いてしまったのが犯行中など外面モードの時のキントの態度(笑)。マスクの悪役だった兄ちゃんやコバヤシと取引してるシーンではカッコよくタバコ吸って立ってるんですよね。どう見ても親分の態度やんけと(笑)。
パトカーを襲撃するシーンでもオーラ有りまくりです。初見の時はこの辺どう見えてたんだっけな~。ただイキってる下っ端みたいに見えたっけな~。
で、だ。
結局この映画ってどういう話だったの?という部分を掘り下げるとだいぶ考察サイトの助けを借りないと常人には理解出来ない。少なくとも、警察が確認している部分は事実なので、5人が顔合わせに来たことや船での一連の事件は事実。一方で、マスクの悪役兄ちゃんとの取引やその間に挟まれているエピソードの大半は真偽不明なのだ。
まあ、コバヤシなる男は実在したし概ねは実際に有った出来事なのでしょうが、この辺の「ん?ん?」と最後放り出されるのがまた未知の快感を呼んで人々をこの作品の虜にする所以なのでしょう。
そもそも、キントですらもソゼの下っ端説が有るとか無いとか。
大体、4人への復讐ってのも手間が掛かり過ぎですし、今基準に考えると色々と突っ込みどころは有るので、95年の映画だからこそな完成度の気もします。これほど完璧な犯行をした後で、顔を晒しちゃってるのが「ソゼ甘くねえか!?」って言いたくなるんですよね。
まあそんなつまらない感想は置いといて、とにかく名作です。2周目で普通にソゼが笑ってるところとかを発見した時のもうこっちもニヤついちゃう感じを絶対に味わいましょう。