モンタナの風に抱かれてのレビュー・感想・評価
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「普通の人々」での女性像の修復的意味合いの作品だったのだろうか…
この作品は、「L.A.コンフィデンシャル」
「プライベート・ライアン」「タイタニック」
「グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち」等
の名作や話題作揃いの年に、
キネマ旬報ベストテンで第9位に選出された
作品で未見だったが、
テレビ放映を機に初鑑賞することが出来た。
この映画、
少女とその母親と馬の再生物語風ではある。
しかし、作品の中で、
人間と馬との関係の歴史は語られたが、
この個別のケースにおいて
母親が娘の心の病を治すために、
馬の再生が必要とどう確信したのか。
結果的には良い解決になったものの、
途中での彼女の振る舞いにそうは見えない。
また、雑誌の編集長として
独善的で多忙な人間像を
初めに見せておきながら、
何故、長くその現場から遠ざかる決断が
出来たのか等の疑問を
引き摺ったままの鑑賞となったことが、
逆にこの作品を、その疑問の解明のためにと
飽きなく観ることが出来たように思う。
しかし、殺されそうになったことで
生じた馬の恐怖心と
娘の事故は別次元であるとの前提が、
この物語への基本的な理解の妨げに
なってしまったような気にも。
また、都会のせわしい時間世界と、
地方のゆったりとした時間世界の対比を
描いているようにも感じたが、
牧場の日常を中心とした描写の多い
長い上映時間そのものにも、
そんな意味合いがあったのだろうかと
邪推もしてみたくなる長尺な作品だった。
それでも、
最初で最後になるであろうと思わせた
意識的に身体を寄せ合う二人のダンスシーン
は見ていて切なくなった。
人生には、心を通じ合わせながらも
別れざるを得ない関係は
数多くあるだろうが、
続くラストシーンには「マディソン郡の橋」
が思い出された。
立ち去るのは伴侶のある女性の方で
「マディソン…」とは逆ではあったのだが。
さて、同じレッドフォード監督の
「普通の人々」は、家庭問題の原因を
母親一人に押し付けての内容だったが、
ここでは、“母親”として、と言うよりは、
二人の男性との関係のみならず、
娘との関係においても
“女性”としてと、その視点を移して
家庭問題を描いていたように感じる。
他の男性への心の揺らぎを気付き、
妻の最終判断を諭す夫。
また、惹かれ合いながらも、
伴侶もあり別れた妻と同じ都会的な匂いの
女性であることに悩んだのであろう結果、
慎重な判断を彼女に諭す牧場の男。
そんな中、少女の母親は、
冒頭では、「普通の人々」と同じ
独善的な人間性として描かれていたが、
最終的には、
少女や馬の再生の影響もあってか、
二人の男性の諭しを受け止めることの出来る
“女性”として再生を遂げていた。
レッドフォード監督は「普通の人々」で
描いた女性像を修復する意味合いも込めて、
この作品を製作したのだろうか。
馬は演技してるのか、と思わせるくらい撮り方が上手い
こういう映画は観たこと無かった。馬と少女を襲った瀕死の苦難と、再生の物語。
少女を守るために死にかけた馬と、目に前で友の死を見た少女、
ともに、心と体に受けた傷は、深い。
それをロバートレッドフォード扮する主人公が、少しずつ癒していく。
その再生を主題にすればいいのだが、老いらくの恋にも焦点が当たりだし、
ラストは、そっちの話で終わる。それが自分には、マイナスポイントだった。
全体的にいい話なのに。
忘れていた大切なものを、再び思い出させてくれる
20代の頃観た映画。最近レンタル店がつぶれてなぜかこのサントラを買いカントリー音楽に触れてみていたら、もう一度観て見たくなりメルカリで500円ほどで購入。
当時は大好きな映画のひとつ「リバー・ランズ・スルー・イット」の延長線上で、監督ロバート・レッドフォード作品を楽しむ感覚で観ていた。さすがに彼の作品らしく映像美が素晴らしいと思うくらいで、それほど大切な作品としては残らなかった。
しかし、年月が経ち家庭や子供を持つ親となり、この映画に触れてみると全く別の感動が僕の心を震わせていた。
約3時間ほどの長編映画にもかかわらず、これから先あと何度観ることになるだろうと思わせるほど、大切な映画のひとつになりました。
ラストのすべてに答えを出し、正しさだけが正解ではない感覚。まだそれほどブレイクしていないスカーレット・ヨハンソン子役時代の演技力。そしてロバート・レッドフォード監督の台詞なき映像表現に心奪われました。
「故郷は場所というより、心の中にあるのかも」
風景とともにゆったり、そして秀逸な結末
乗馬中のひどい事故で、心身ともに大きな傷を負ったグレイス。愛馬ピルグリムも、その影響で気性が荒くなってしまう。カバー誌の編集長でグレイスの母アニーは、娘の回復にはピルグリムの治療も必要と判断。グレイスとピルグリムを連れ、ニューヨークからモンタナのトムのところにやってくる。
モンタナは、スペイン語で山の意味。その美しい風景がメインの作品かなと思いましたが、ゆったりした物語もよかった。トムが誘って距離が近くなり、アンナが誘って別れる。別れのシーンが秀逸でした。
大人キュートなクリスティン・スコット・トーマスと、だいぶしわが増えたロバート・レッドフォード。年の差が結構あるけど、やっぱりそっちのほうに行くか。スカー レット・ヨハンソンは、この時12歳。
原題はThe Horse Whisperer、凝った邦題です。
ロバートの心の寛大さが心に残った
乗馬が趣味だったので、「インターナショナル・ベルベッド」「黒馬物語」「馬を放つ」「ドリームホース」などなど数多くの馬が登場する映画を見てきた。この映画は、心身ともに傷を負った馬をトムと少女が回復へ導くのだが、馬の心理面での特性を理解しての描写となっていた。モンタナの草原をトムとアニーが駆け抜けるシーンは実に素敵だった。モンゴルの草原と同じくらい素敵な草原だった。トムとアニーはひかれあうのだが、自分にはトムがアニーに惹かれる理由がわからなかった。全く、生活が対照的な故になのか、単にアニーの美しさに惹かれたのか。アニーの旦那ロバートは、妻のトムへの感情に気づいて、決断をアニーに任せるのだが、なんて寛大な心の持ち主なのかと感じ入ってしまった。すごいよ。心が広すぎるよ。そして、なんてアニーへの愛情が深いのかと。
麗しい次第に馴染んでいく姿
ロバートレッドフォード扮するカウボーイトムブッカーはスカーレットヨハンソン扮する落馬事故で足を切断したグレイスマクリーンのリハビリを依頼された。
スカーレットヨハンソンがまだ少女だね。反面ロバートレッドフォードは結構老けた感じになったね。落馬で傷ついた娘を如何に治すのか。
まずは馬の乗り手グレイスの意思確認、そして暴れ馬の調教と進めていったね。グレイスも馬も次第に馴染んでいく姿が麗しい。モンタナはリハビリにぴったりだ。
女優の演技が鼻につく
若き頃のスカーレットとレッドフォード共演の映画。
ある雪の日事故により馬とスカーレットが傷つく。馬の癒しにとモンタナに行く。
大自然の中の風景は素晴らしいだけど、母親役の女優、そこで鼻につく演技をすると違和感を感じる。
レッドフォードもモンタナに住んでたと思うけど、馬とレッドフォードと大自然の絵はただただ素晴らしかった。
自我
少女グレース(ヨハンソン)の母親が
やり手編集長アニー(スコットトーマス)なのだが
直感で事故った娘と馬をトム・ブッカーの農場に運ぶ
この強引さ
というか自我の強さがプラスにもマイナスにも働く
という話で 最後に本人もそれを自覚する
そしてその自我の強さにも惹かれた
みたいなトム(レッドフォード)は
この恋の結末が自身の結婚生活と同じ運命になることを理解している
馬の治療とは馬の自我とも向き合うことだからだろうか
生きてゆくために人間との信頼関係が大切な西部では
同じように馬との信頼関係も必須
「都会がそんなによいの?」と問いかけるトムは
ハリウッドから距離を置いて暮らしたレッドフォードの姿に重なる
(変人と言われていた!?)
「黒馬物語」(1994)で主役の馬に興味を持ったので この映画を見てみようと思った、が
彼が演じたのはピルグリムではなくて、ガリバーの方だった
事故の場面もそうだが、どうやって撮影しているのだろうか
調教師の仕事に興味を持ったら
同じような人が沢山いるらしく
バック・ブラナマンを描いたドキュメンタリー「バック」が存在していた
機会があれば観てみたい
この映画の主役は馬とカウボーイと西部(モンタナ)の大自然みたいですが
陰の主役は調教師だと思われます
冗長
普通に馬とスカーレット・ヨハンソンの話だけでいいと思う。ロバートレッドフォードとスカヨハの母さんの恋愛話はなくていいかと思った。途中の恋に発展しそう、みたいな伏線も少々興醒めである
折角いい話、いい画なのに、なんだかなあと思った。
そこ削って2時間で納めた方が美しいかと
馬は友だち
ポニーを飼っていたことがあります。
馬は群れで生きる生き物。1頭飼いすると呆れるほど人間にベタベタに甘えるんですよ。
すり寄ってきて離れません。
袖口を噛んでついて回ります。ブラッシングを求めているのです。
毎朝出勤しようとすると「一緒に連れてってちょうだ~い!」と大騒ぎ。
あぐらをかいて本を読んでいるとマジでネコのように膝に乗ってこようとします(汗)
邪魔なので押し返すと足元で横になってイビキをかいて寝るので僕は馬に寄りかかって読書継続。
(馬って立って寝るんじゃなかったですけ?)。
話には聞いていましたが、馬がここまで人間の友だちになり、“癒しのバティー”になってくれるとは驚きでしたね。
だからよーくわかります、
映画で「馬ロス」でヨハンソンがああなってしまうこと。
そして人間嫌いのレッドフォードこそ、馬=友人がいなくては生きられなかった人なんだろうなってこと。
馬の映画はたくさんありますが、どれも馬好きの作者によるものですね。
いまでも大好きな映画①
もう20年もむかしの映画なのに、いまの映画より好きです。
と、いうかこれで映画をすきなった時代だ。
たぶん、「ビジネス」じゃなくて「映画がすき」だから作られた最後の映画の時代なのかも。
当時のすきな監督だったロバート・レッドフォード。
の、いちばんすきな映画。
余談をいえば、これで馬肉を食べるのをやめた(笑)。
おなじように、牛肉も。
どっちも「かわいい」
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