モダン・タイムスのレビュー・感想・評価
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二人の姿が、新たな一期一会を生む後ろ姿
この映画はエンドマークの為にある名作だと思っている。
「努力すれば、いつか必ず報われる」と主人公は少女に言う。
二人の関係を恋愛関係と見るか見ないかだと思うが、主人公は、父か兄として、少女を見ている様に感じた。
だから、二人の姿が、新たな一期一会を生む後ろ姿に見えて、それが希望の様に思えた。
残念ながら、全く別の現実が人類を襲うわけだが、チャプリンはそうあるべきな未来を描いている様に見える。
なお、共産主義活動とストライキは別ですし、アメリカに於ける共産主義は今でも非合法同然だ。
【”へこたれないで元気を出すんだ!運は開ける!”経済的強者に厳しく、弱者に優しいチャップリンの代表作。数々の名シーン満載作品。学生時代と社会人になって観た感想が一部違ってしまった作品でもある・・。】
■巨大な工場で単純労働をする男(チャールズ・チャップリン)。
非人間的な単純コンベア労働が続き、男はついに正気を失くしてしまった。
同じ頃、父を失った貧しい少女(ポーレット・ゴダード)は微罪のために逮捕されてしまう。
奇妙な出会いをした2人は、人間らしい自由を求めて手を携えて懸命に生活を始める。
ー この名作のレビューとは、何だか恥ずかしいが、数十年振りに見た感想をシンプルに記す。ー
◆感想<今更ですが、Caution!内容に触れています。>
・今作でもチャップリンの視点は、経済的強者に厳しく、弱者に優しい。
■有名なシーン3点
1.コンベア、スパナねじ締めシーンは且つては面白かったが、今観ると何だか申し訳ない気になってしまう・・、がヤッパリ面白い。
ー 勤務する会社内に、多数のコンベアがあるためです・・。何だか申し訳ない気分になってしまったなあ・・。学生時代と感想が変わったシーンである。-
2.巨大歯車の間をクルクル回るシーンは、チャップリンの天賦の才を再確認するし、ヤッパリ皮肉が効いてて面白い。
3.自動給食マシーンのシーンも”何でも、自動化すればいいってもんじゃないんだよ!”と言うチャップリンの声が聞こえてきそうな可笑しなシーンである。
■父を失った貧しい少女が、ダンスホールで踊り子の仕事を得て、男を就職させる件も、面白い。そして、チャップリンの歌が聞けるのが嬉しいんだよね。
<ラスト、めげる少女を勇気づけて二人で腕を組んで歩いて行くシーンは、矢張り良いシーンである。
チャップリンのメッセージである、”へこたれないで元気を出すんだ!運は開ける!”を受けて、辛くても、頑張ろう!って気になるからである。>
これが集大成 これが頂点
この作品からメッセージ性が強烈になって、アメリカ国内で非難を浴びるようになります。 前作「街の灯」はペーソス寄りで、このあと「独裁者」「殺人狂時代」「ライムライト」「ニューヨークの王様」と問題作続くので、これがスラップスティック的、いわゆるチャップリン的シャシンの集大成です。 話の構成も刑務所とシャバを行ったり来たりしながら工場、造船所、デパート、ショーパブと舞台が目まぐるしく変わり、テンポが良いという次元を超えてアクロバット的な高速展開にロマンスが絶妙に絡んでゆきます。 ラストの唄と踊りとパントマイムは最早神業です。凄すぎて泣きそうです。 初めて歌舞伎を見る人には「勧進帳」か「助六」を勧めるように、初めて先輩の映画を観る人には「モダンタイムス」でしょう。
人間は機械じゃない‼️
チャップリンが機械文明に挑戦‼️時代はトーキー真っ盛りなのに、あえてサイレント映画の手法で、ミュージカルのようにリズミカルでスタイリッシュな映像世界を創造‼️大量生産時代、暴走する資本主義、警察国家の悪夢を喜劇に仕立て上げるその手腕‼️脱帽です‼️工場における社長のテレビによる監視の目‼️テレビの放送開始よりも20年近くも前に現代の巨大モニターを先取りしている凄まじい先見の明‼️現代でも実用化されていないオート給食マシンは、椅子に座るとスープが流し込まれ、パンを押し込み、トウモロコシが口の前でゆっくり回転、ナプキンが口をぬぐう‼️アイデアの塊ですね‼️そんなオート給食マシンに襲われたり、工場の歯車と戯れるシーンはあまりにも素晴らしく呆然としてしまいます‼️一方で、チャップリンのパントマイム芸術の集大成であり、絶妙な芸人ぶりが発揮された作品でもあります‼️デパートでのローラースケートシーンのウマさ、誰も解読できない造語で歌われた「ティナティナ」‼️ホントに堪能させてくれます‼️そしてヒロインを演じる実生活でのチャップリンの奥様ポーレット・ゴダードの魅力‼️明るくて快活で優しくてホントに美しい‼️彼女が演じるスカーレット・オハラも是非観てみたかった‼️そんな彼女とチャップリンが、腕を組んで歩み去る後ろ姿のラストシーン‼️これほど素晴らしいラストシーンが他にあるでしょうか⁉️やっぱりチャップリンは天才です‼️
不運に次ぐ不運。そんな二人の行く先。チャップリン氏の生き様。
チャップリン氏映画初鑑賞。 あらすじだけをみると、孤児が出てくる映画が多いが、ご自身の人生の反映か? 羊の群れ、人々の出勤風景。 社長が取り組むパズル。 ラインでの作業風景。 歯車に飲み込まれる主人公。 誇張された風刺を簡潔にテンポよく見せてくれる。 食事の自動化。生産性向上を目論んだ人間の機械化計画。 実際に、オートメーション化された工場が立ち並んだ頃、パフォーマンスを上げるための様々な実験ーどんな照明が良いかとかーが行われていた。 この映画を観れば、人間性の喪失を憂えることができるのに、その皮肉に笑いも出るのに、 実際の生活では、子どもたちが栄養素が凝縮されたカロリーメイト等を片手に、食事する間も惜しまされて、勉強しているとか、 画面による工員管理≒最近はやりの、仕事場にいながら、家にいるわが子をモニターする装置とか。 時間で管理されて、塾や習い事の掛け持ちとか。 この映画を笑えない状況が進んでいる。 そんな場で働き、おかしな行動をとるようになり、入院治療を受けることになった主人公。 治ったかと思ったら、あらぬ誤解で刑務所へ。 刑務所内では、ひょんなことから厚い待遇を受けることになるものの、 推薦状を得て職に就けば、さしたるOJTもなく、大ポカをやり、失職。 結局、生きるために罪を犯す。今も、刑務所等で問題になっている回転ドアのループ。 何とか職を得ても、事件に巻き込まれたり、デモが始まったり、理不尽な罪に追われたりして失職。 なんて人生ままならぬ。 支えあう少女も、今の言葉で言えば貧困女子。妹たちの食料を何とかして母の代わりに家事をするヤングケアラー。父も不慮の事故(と言えるのか?)で失う。しかも、安定した職を得たと思ったら、パンの窃盗罪で連行されそうになるのならともかく、私には理解不能な罪で追われる。 こちらもままならぬ人生。 そんな二人の日々が、ロマンティックに、コミカルに描かれる。 新婚夫婦をみて憧れた少女が、家を見つけてきて、キレイに整える。座ろうとすれば床が抜け、ドアを閉めれば梁が落ちてきてという家ではあるが。二人で、テーブルで食べる食事のおいしそうなこと。 デパート。外には食事もまともにできない子どもたちが溢れているが、ここには何でもある。女王のように、ロープをまとい、ふかふかのベッドで寝る少女。その前のボロ小屋の床で寝ている姿を観ているだけに、涙が出てくる。 少女は夢見ることを忘れず、叶えるための努力を怠らず、自分を助けてくれた主人公を大切に思い、最高の笑顔を向ける。 主人公は、とぼけた表情ながら、相手を大切に扱い、腐らず、淡々と自分のやるべきことを自分なりにはやろうとする(失敗続きではあるが)。 場当たり的と言えば、場当たり的ではあるが、前述のように、努力しても実らぬ日々。そんな中で、(盗みはするし、勝手に使うけれど、必要最小限)人をだまして陥れることなく、その時その時を最善のものにしようとする姿が愛おしく。 チャップリン氏のパフォーマンスに笑わされるが、全体的には、大きな歯車に巻き込まれ、自分の力では抜け出せないーーレストランでの一場面が端的にそれを表現していて秀逸ーー様が描かれている。そのやりきれなさ・口惜しさは『自転車泥棒』を彷彿とさせる。 だから、気持ちの良いカタルシスは得られない。 それでも、ラストの「スマイル」。孤児であったチャップリン氏の生き様が反映されているのか、そんな運命に押しつぶされない人間性に強く心打たれて、じんわりとする。 と、映画の筋だけを追うと、もやもやも相まって、評価はあまり高くない。 それでも、チャップリン氏のパフォーマンスにくぎ付けになる。 ローラースケート、ダンスと歌は圧巻。永久保存版。それ以外でも、工場中を逃げ回る場面でも、体の軽いこと、美しいこと。バレエの素養があるのだろうか。 パフォーマンスだけではない。 最初と、次のデフォルメされた工場内の美術・演出。 刑務所内での寸劇。 造船場での間のおかしさ。 パトカー内。 レストランでの演出。あの、フロアダンスの見事さ。 一つ一つが素晴らしい。語り継ぐべきシーン。 観る価値あり。
素晴らしい映画。
「イキリスから来た若者に冷たいハリウッド」 この当時チャップリン映画への評価は低かった。 大道芸を映画に取り入れたような貧相な物語。 体制に背く作品は金儲けに走る者達には目障りだった。 現に1930年前後の勢いのあった頃のチャップリンの映画は 賞レースにはほぼ無縁であった。 賞は、製作・配給など力のある会社の映画が独占し アメリカの良心、金の飛び交う映画の時代でもあった。 それぞれは名作だが、今になるとその映画の影は薄く、 観た観ないを含め、題名や内容を言える人は少ない。 「賞は獲れなかったが後世に残る映画を作った」 このモダンタイムスはー 体制と貧困の中、必死に生きる若者の物語だ。 楽しく笑えて、泣けて心に残る。 そして、全てが力強く、美しい。 今日辛くても明日が来る限り前を向きましょう。 チャップリンには、そう云われている気がする。 ※
ハッピーエンドなのかな
大きな工場のラインで働くチャーリーは、毎日同じ工具を使ってネジを締める単調な仕事を続けていた。そのためか、錯乱し精神を病んで病院へ入院することになった。しばらくして、退院したが、今度は共産主義のデモ隊と間違われて投獄されてしまった。無罪が判明し造船場で働き始めるがすぐに解雇され、無銭飲食をして捕まったチャーリーは、護送車の中でパン泥棒の少女と知り合い、最終的には・・・てな話。 人間を人間扱いしていない機械優先の大工場を皮肉った先見の名だなぁ、って感じた。 最後はハッピーエンド、でいいんだよね。
テンポ感がすごい。笑
トントントントンとすごいテンポ感でシーンが移り変わり、お決まりなお笑いが続いていく心地よさはあった。 あくまでも昔のお決まりなお笑いなので、現代の私が観て素直に大爆笑とはいかなかった😂 けど、終盤のダンスシーンでデタラメな歌を歌うシーンの可笑しさや、未完成の船が出航したときの「…」というシュールな間だったり、全自動食事マシーンだったり、誰にでも分かりやすいお笑いは現代にも通じる(というか現代の笑いの祖になった部分も多いのだろうけど)と思った! 歯車に飲み込まれるシーンとか、工場のてんわやんわとか、結構好きだった笑 風刺はいたるところにあるんだろうし、時代の教材としても優秀なのだろうけど、そういうことを視聴中に考えさせる余白はつくってないのだろうなと。笑
チャップリン作品初鑑賞! すごい…バックスバニーショーみたいな動き...
チャップリン作品初鑑賞!
すごい…バックスバニーショーみたいな動き
喜劇王と言われるだけあるコミカルさである
笑の教科書のようなオチやフリが沢山あって、
ここから生まれたのかな?と思うとチャップリン天才なんだなやっぱり
有名な機械のネジに巻き込まれていく映像を見れて感動
夢のある未来を感じさせる終わりが涙をさそうね
チャップリンがスマイルって言う声が聞こえてくるような
見事なシーンだった
昔の人類は これで笑えていたのでしょう
喜劇王と呼ばれるチャールズ・チャップリンが監督・脚本・製作・作曲・主演を務め、機械文明と資本主義社会を痛烈に風刺した名作喜劇です。白黒映画です。 なお、 無音映画ですが、 英語の文字の説明は挿入されるため、 完全に言語を排除しているわけでは有りません。 ひどい映画でした。 コメディー映画ですが、 小学生が考えたような低俗なコメディーが延々と続くだけでした。 全く笑えず、 物語も退屈でした。 喜劇王チャップリンの映画ということで前から しちょうしたいと思っていたのですが、 予想外に低品質で驚きました。 多分、 昔の人類は これで笑えていたのでしょう。 私は今後、 チャップリンの映画を二度と しちょうしません。
コメディだけど社会諷刺
これが80年以上も前(1936年)の作品ということに驚きを感動を覚え当時のアメリカ式の大量生産主義に皮肉を加えつつコメディである歯車のシーンやダンスフロアでのシーンは見応えががあり ラストシーンの二人が一本道を歩いていくシーンは二人の希望を感じさせるシーンでした。
チャップリンの軽業を鑑賞する映画。 工場の歯車に巻き込まれるシーン...
チャップリンの軽業を鑑賞する映画。 工場の歯車に巻き込まれるシーンが有名なので、オートメーションの機械に翻弄される人間のさまを皮肉を込めて描いた映画かと思いきや、それは冒頭の部分だけで、その機械化の波に飲まれ、抗議のストライキもあって仕事に就けなくなり貧困に喘ぐ庶民が、不運に喘ぎながらも愛する人と支え合いながら強く生きようという映画だった。どんな苦境にあっても強く生きようという人間讃歌ではあるのだが、その分批判的な主張は弱まっていると感じる。 チャップリンが無声映画という制約の中で培った、動きや表情で愛嬌あるキャラクターを表現するという見せ方が、時折オカマが媚びているように見えてしまうのはこちらの問題だろうか?
ローラースケートすごい
長編映画というよりスケッチ集のような感じ。 有名な機械工のパートは冒頭。刑務所に入ったり、造船所で働いたりデパートで働いたり、デモに巻き込まれたり。 ヒロインとふたり、ぼろぼろの家で過ごす幸福なシーン、2人で想像するしあわせな家のシーンは涙が出る。 あの元ネタはこれか!と思うようなところがいくつも。チャップリンの歌と踊りも見惚れる。身体の使い方がすごい。デパートでのローラースケートもすごい! 人々への目線がとにかく優しい。 ラストのささやかな希望。 心がつかれたビジネスパーソンにも染みる。
普通に面白いコメディ
資本主義への風刺とか、人間性の追究とか そんな難しいことを抜きにしても、普通に笑えるコメディ映画で、現代人でも変わらず楽しめる。 歴史の教科書にも載るほどの映画だが、そこにハードルを感じずに気軽に見てもらいたい。 ただ、やはりこの映画を傑作たらしてめているのは、絶望にあふれた社会情勢を背景としているからであることは確か。 特に最後のシーンでは、それまでの喜劇は現実に起きている、ということを殊更に強調しているように見え、それでも前を向いて歩こうというメッセージが込められていることは容易に見て取れる。 兎角言いたいのは、「モダン・タイムス」は映画として完成されているからこそ、今でも評価されているのだと思った、ということ。
すごく面白い
チャップリンが工場で精神を病んで病院に入ったり、刑務所にも入る。どこに行っても面白い。デパートの深夜の場面が最高だが、経営者やテナントのオーナーはたまらない。
ヒロインがずっと裸足で特におんぼろの掘っ立て小屋で暮らしている時は、足にとげがいくらでも刺さりそうで怖い。踊り子で成功して靴が履けてよかった。けっこう顔が大人っぽくて、少女に見えない。
映画ファンなら絶対見るべき映画
チャップリンのベスト1でもあり、同時にコメディの傑作でもあることは言うまでもないが、映画史に残る遺産でもある。
全編笑いのオンパレードである。
工場での自動飲食機の暴走、特にナプキンの仕草が面白い
流れ作業による過労で、なんでもネジに見えてしまう、最後は歯車の中にまで入り込んでしまう
造船所での仕事で、船を止めてあった楔を勘違いで外してしまい、未完成の船が出港してしまう
デパートの警備で、目隠しで、あわや下に落ちそうなところギリギリでローラースケートをする、目隠しを外した途端よちよち歩きになる
レストランのウェイターの仕事で 歌を歌うシーンで、歌詞を書いやカフスを、踊っている途中に飛ばしてしまう、結局パントマイムに合わせてでたらめな歌を歌うが、客からは結構ウケる、一応無声映画であるが、このとき初めてチャップリンの肉声が聞ける
他にもいっぱい笑えるシーンがあるが、この映画は単に笑いだけの映画ではない。
この映画が言いたいのは、希望を持つことの大切さだろう。だからたとえ今が苦しくてもやっていけるのだろう。どんな仕事でも一生懸命やることができるのだろう。
どんなに辛いことがあっても明日になれば良くなっているかもしれないと言っているようなラストシーンは、見ている我々にも希望を与えてくれた。
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