モガンボのレビュー・感想・評価
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グレースケリーの高速ビンタ炸裂!
非常に少人数の人間ドラマで とてもよく描けていると思った。 こういう感じの映画はいっぱいありそうであまりない 。しかも これはそのテーマだけを思いっきり全面的に描いちゃっていて何か他のストーリーに挟まっているというものではない。よく これで110分もったと思うくらいだ。監督はそこのところ、ジャングル という特殊な舞台をうまく利用して尺を稼ぎ 客の興味を引き付けた。また グレースケリーという素晴らしい女優が登場したことも成功のおおきな鍵であっただろう。 中盤以降、人兼関係がどうなっちゃうか というスリルがものすごく私を引き付けた。これはグレースケリー の女優としての素晴らしい力のおかげだろう。そして このように くしゃくしゃになっちゃった 人間関係を最後にどのように片付けるかというのが非常にサスペンスだった。それだけで引っ張った。 クライマックスで大げさな設定をしてしまうと バカバカしいものになってしまうような気がして。結局、どのようにまとめるんだろうと興味深かった。そして懸念された残念な結果ではなく最高に上手にまとめられており、ジョンフォードらしい味もでていて いい映画だったなぁという感慨が残った。描いてきた 登場人物の誰かが置いてきぼりになるのではなく、全員が上手に絡んでドラマが完成したところが見事だった。
面白いのはこの作品の次の年にヒッチコックの「裏窓」が制作されたという点だな 。ジェームズ スチュワート演じる 主人公は冒険写真家。彼女(グレースケリー)がジャングルについて行くと言い張って困っている・・というネタはここから頂いたんではないだろうか?ヒッチコック はこのような高貴な雰囲気の情熱女が好きだったみたいで グレースケリー をその後 何度も使っている。 モナコに言っちゃってからもオファーしていたという。一方 ジョンフォードではそういう女が嫌いなようだ。2度と使っていない。彼は庶民的な女が好きなのだな。
また、ついでに書いておくと グレースケリーのビンタがものすごい高速なのには納得のいく裏事実がある。彼女のパパはオリンピックの金メダリスト なのだ。彼女も運動神経が抜群だったに違いない
アフリカの大自然ではなく、クラーク・ゲーブルの男っ振りではなく、グレース・ケリーの固い蕾の様な美しさではなく、エヴァ・ガードナーのearthyな魅力をこそ楽しむべき映画!
①エヴァ・ガードナーがハンティンググループが集まった居間で、ピアノの前で軽く持たれて美しい肢体の線を見せながら「誰かさんと誰かさんが麦の中…」で有名な歌(勿論オリジナル)を歌うシーンに先ず魅せられる。
浮気の恋には雷が。
1953年。ジョン・フォード監督。アフリカで動物捕獲やサファリツアー会社を経営しているハンターの男。アメリカからやってくる気の強い女といい関係になるが、それはいつもの遊びの延長だった。ところが、次にやってきた研究者の若い妻とは浮気になってしまうにもかかわらず本気の恋になりつつあって、、、という話。同時代のアフリカ映画と比較してよくできているとは言い切れない作品。
野性味あふれるハンターに心を奪われる二人の女の違いをいかに描くかということだけでなく、大勢のアフリカ現地住民の姿、ゴリラをはじめとする野生動物たち、浮気現場の宵闇、川、雷などが少々まとまりなく表現されている。
酒を飲むときに物語が動き出す。誰と飲むか、どう飲むか、飲まないか。
アメリカの女は、画面の内外を自由に歩き回る。ハンターが一人でいるとその画面のなかにやってきて、そして画面の外に立ち去っていく。かたや、学者の妻は一人では画面の内外を行き来しない。1人でいると危険な目にあってしまう。だからエヴァ・ガードナーは怒ったら画面外に消えてしまうし、苦しむのは一人だが、グレース・ケリーは画面内で身もだえしながら苦しむ。そして大抵誰かがその場にいる。
アフリカを舞台にした三角関係もの
グレース・ケリー出演作だから観たら、主演はクラーク・ゲーブル、エヴァ・ガードナーの映画で、アフリカを舞台にした三角関係もの(不倫もの)。
アフリカで野生動物をいろいろと捕獲して生業を立てている男(クラーク・ゲーブル)のもとへ、ニューヨークの踊り子(エヴァ・ガードナー)がやって来て、二人は熱愛関係となる。
更に、そこへ研究者の夫とその妻(グレース・ケリー)が夫のゴリラ研究のためにやって来るのだが、グレース・ケリーがこれまたクラーク・ゲーブルと熱愛関係となる。
クラーク・ゲーブルは、エヴァ・ガードナーに続いて、グレース・ケリーとも熱いキスをするというイイ役…(笑)
グレース・ケリーのファッションがアフリカの奥地には似合わないような綺麗さで良い。
この映画、当時MGMが力を入れて、大々的に長期間にわたるアフリカ・ロケを敢行して、ジョン・フォードが監督したものだが、ジョン・フォード監督はそもそも企画段階からあまり乗り気でなかったような雰囲気が出ている感じ。
乗り気でなかった監督が作った映画であるにも拘らず、エヴァ・ガードナーはアカデミー主演女優賞ノミネート、グレース・ケリーはアカデミー助演女優賞ノミネート。(二人ともノミネートされたが受賞は逃す。)
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