劇場公開日 1954年4月1日

「グレースケリーの高速ビンタ炸裂!」モガンボ タンバラライさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5グレースケリーの高速ビンタ炸裂!

2024年7月25日
PCから投稿

非常に少人数の人間ドラマで とてもよく描けていると思った。 こういう感じの映画はいっぱいありそうであまりない 。しかも これはそのテーマだけを思いっきり全面的に描いちゃっていて何か他のストーリーに挟まっているというものではない。よく これで110分もったと思うくらいだ。監督はそこのところ、ジャングル という特殊な舞台をうまく利用して尺を稼ぎ 客の興味を引き付けた。また グレースケリーという素晴らしい女優が登場したことも成功のおおきな鍵であっただろう。 中盤以降、人兼関係がどうなっちゃうか というスリルがものすごく私を引き付けた。これはグレースケリー の女優としての素晴らしい力のおかげだろう。そして このように くしゃくしゃになっちゃった 人間関係を最後にどのように片付けるかというのが非常にサスペンスだった。それだけで引っ張った。 クライマックスで大げさな設定をしてしまうと バカバカしいものになってしまうような気がして。結局、どのようにまとめるんだろうと興味深かった。そして懸念された残念な結果ではなく最高に上手にまとめられており、ジョンフォードらしい味もでていて いい映画だったなぁという感慨が残った。描いてきた 登場人物の誰かが置いてきぼりになるのではなく、全員が上手に絡んでドラマが完成したところが見事だった。
面白いのはこの作品の次の年にヒッチコックの「裏窓」が制作されたという点だな 。ジェームズ スチュワート演じる 主人公は冒険写真家。彼女(グレースケリー)がジャングルについて行くと言い張って困っている・・というネタはここから頂いたんではないだろうか?ヒッチコック はこのような高貴な雰囲気の情熱女が好きだったみたいで グレースケリー をその後 何度も使っている。 モナコに言っちゃってからもオファーしていたという。一方 ジョンフォードではそういう女が嫌いなようだ。2度と使っていない。彼は庶民的な女が好きなのだな。
また、ついでに書いておくと グレースケリーのビンタがものすごい高速なのには納得のいく裏事実がある。彼女のパパはオリンピックの金メダリスト なのだ。彼女も運動神経が抜群だったに違いない

タンバラライ