「アフリカを舞台に野生的なクラーク・ゲーブルをめぐるエバ・ガードナーとグレイス・ケリーの争いの勝者は意外にも」モガンボ Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
アフリカを舞台に野生的なクラーク・ゲーブルをめぐるエバ・ガードナーとグレイス・ケリーの争いの勝者は意外にも
ジョン・フォード監督による1953年製作のアメリカ映画。原題:Mogambo、配給:MGM映画会社。1932年の『紅塵』(ヴィクター・フレミング監督、クラーク・ゲーブル、ジーン・ハーロウ主演)のリメイク。
カラー映画で、ベルギー領コンゴ・タンガニーカ・英領ケニア・ウガンダでロケーションが行われたらしく、ゴリラはじめ野生動物がたっぷり登場。
映画3作目24歳のグレイス・ケリーが、女たらしクラーク・ゲーブルが本気で好きになる学者妻役で出演。綺麗だが、お嬢様育ちという役柄のせいか演技力の拙さのせいか、あまり魅力は感ぜず。
一方、脚本の計算通りであるが、二人の恋の進展に嫉妬して苦しむ元ショーガール役エバ・ガードナーが段々と可愛い良い女に見えてくる。二人の親密度を気にしながら、学者のピアノ伴奏で「麦畑」(原曲はスコットランド民謡「故郷の空」)を歌う姿がとても良かったし、小像と戯れる姿も魅力的だった。何より、ゲーブルが無理やり迫ったと、浮気心満載で発泡したグレイス・ケリーを夫の前で庇う姿が何とも健気だった。最後、帰国を止めてゲーブルのもとへ、船を下り川を渡ってくる姿も素敵。エバ・ガードナーという女優の素晴らしさが印象に残った。
監督ジョン・フォード、脚本ジョン・リー・メイヒン(騎兵隊等)、原作ウィルソン・コリソン、製作サム・ジンバリスト、撮影ロバート・サーティース 、フレディ・ヤング、美術ジョーン・ブリッジ 、アルフレッド・ジュネ、録音A. W. Watkins、編集Frank Clarke。ー
出演 クラーク・ゲーブルVictor_Marswell、エバ・ガードナーEloise_Y.Kelly、グレイス・ケリーLinda_Nordley、ドナルド・シンデンDonald_Nordley、フィリップ・ステイントンJohn_Brown_Pryce、エリック・ポールマンLeon_Boltchak、ローレンス・ネイスミスSkipper、デニス・オディアFather_Josef。