劇場公開日 1954年4月1日

「浮気の恋には雷が。」モガンボ 文字読みさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0浮気の恋には雷が。

2022年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1953年。ジョン・フォード監督。アフリカで動物捕獲やサファリツアー会社を経営しているハンターの男。アメリカからやってくる気の強い女といい関係になるが、それはいつもの遊びの延長だった。ところが、次にやってきた研究者の若い妻とは浮気になってしまうにもかかわらず本気の恋になりつつあって、、、という話。同時代のアフリカ映画と比較してよくできているとは言い切れない作品。
野性味あふれるハンターに心を奪われる二人の女の違いをいかに描くかということだけでなく、大勢のアフリカ現地住民の姿、ゴリラをはじめとする野生動物たち、浮気現場の宵闇、川、雷などが少々まとまりなく表現されている。
酒を飲むときに物語が動き出す。誰と飲むか、どう飲むか、飲まないか。
アメリカの女は、画面の内外を自由に歩き回る。ハンターが一人でいるとその画面のなかにやってきて、そして画面の外に立ち去っていく。かたや、学者の妻は一人では画面の内外を行き来しない。1人でいると危険な目にあってしまう。だからエヴァ・ガードナーは怒ったら画面外に消えてしまうし、苦しむのは一人だが、グレース・ケリーは画面内で身もだえしながら苦しむ。そして大抵誰かがその場にいる。

文字読み