劇場公開日 2021年11月5日

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「【”悲劇在っての快楽・・。”愚かしき男女が、美しいイタリアの島の中でヘロインに嵌って行く姿を描いた作品。内容的には肯定出来ないがミムジー・ファーマーの蠱惑的な魅力に溢れた作品でもある。】」MORE モア NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5【”悲劇在っての快楽・・。”愚かしき男女が、美しいイタリアの島の中でヘロインに嵌って行く姿を描いた作品。内容的には肯定出来ないがミムジー・ファーマーの蠱惑的な魅力に溢れた作品でもある。】

2023年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

ー 私は、年代的にヒッピー族や、過剰なる薬物摂取により亡くなられたミュージシャンや俳優さんの名は知ってはいるが、同時体験はしていない。
  だが、学生時代にインド、ネパールなどを放浪していた時期に、薬物を購入した事がある。但し、先輩に言われていたように"ハシシ(大麻)までで、ヘロイン、コカイン、LSDには絶対に手を出すな!"と言われていたためである。
  ハシシを吸引した際に、私は、何ら体調に変わりなく”偽物か・・。”と思ったが、同行していた友人は見事にバッド・トリップしてしまい、大変だった。
  それ以来、違法薬物には一切手を出していないが、酒は毎日飲んでいる。(煙草は一切吸わないし、酒は昼日中は休日を含め、一切飲まない。所謂アルコール依存症になる方々の様な連続飲酒は絶対にしない。)
 産業医からは”いい加減にして下さい!”とγ―GTPの値から言われているが・・。
 過度の酒の摂取は、法的に大丈夫なのだろうか・・。-

■ドイツ人青年・ステファンは、ヒッチハイクでパリにやって来る。
 ある晩、パーティで見かけた魅力的なアメリカ人女性・エステル(ミムジー・ファーマー)に一目惚れする。
 イタリアのイビサ島で再会した2人は愛しあうが、エステルが隠し持っていたヘロインが二人の運命を変えていく。

◆感想

・バイ・セクシュアルでもある、エステルを演じたミムジー・ファーマーの蠱惑的な姿が印象的な作品である。
ー 端正な顔立ちながら、元ナチスのウォルフが持つ、大量なヘロインに耽溺して行く姿。資料には、実際に役者たちは薬物を使用しながら演技をしていたとあるが、ホントかな!-

・エステルに惹かれたステファンが、ドンドンヘロインに耽溺していく様。エステルもそれを止めようとはしない。彼女自身も禁断症状が出ているのである。

・そして、ヘロインに呑み込まれたステファンの最期。

<偉そうなことは言えないが、倫理的な問題を扱いつつも何故か、魅入られる作品である。それはミムジー・ファーマーの蠱惑的な姿によるものだと思われる。
 そして、今作は薬物依存の齎す現実を、淡々と映し出しているのである。
 今作は、”麻薬撲滅キャンペーン”に使用するには芸術性が高すぎるが、記憶に残る作品である事は間違いない作品である。>

NOBU