召使のレビュー・感想・評価
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匂わせが多い
あらすじにがっちりと召使との肉体関係と書いてあるが、
繰り返し確認したけどもそのものずばりな
描写は作中にはなかった。
とはいえ貴族の寝室には男性のボディビル写真が貼ってあるし
召使にあなたと私は兄弟だ、意味わかるだろ?と
言わせてもいる。
最初は貴族の父が召使の母に昔手をつけて腹違いの兄弟なのか?と
思ったがどうもそうではないし、
では同じ女と関係を持った穴兄弟(お下品失礼)ということか?とも
思ったのだが、
よくよく考えるに、この時点で
おれ達はバイでお互いに性的魅力を感じてるんだろう?という
暗に匂わせてる言葉だったのかもしれない。
実際に関係を持ったとするなら
貴族がもうかなり堕ちぶれてアル中のようになり
僕たち。。。と言い出した後ではないかと思うんだが
そこもはっきりとは言ってない。
召使が貴族を堕落させていくのが蜘蛛の巣にかけていくよう。
南米から移住してきたばかりで
家族と婚約者くらいしか交流が無い貴族を、
その関係性をじんわりと断ち切らせて
さらには仕事もしなくなって引きこもって
外界と遮断させて世界に召使しかいないように隔離してしまう。
メンタル弱弱貴族の篭絡など簡単だったのだろう。
完全に主従関係が逆転していく。
元婚約者の涙が悲しい。
まだ「ここに来ないほうがいい」と忠告したのは
彼女をこの汚れた場所へ入れて傷つけたくない
愛情のかけらだったのだろうし、
彼女が召使との濃厚な抱擁を見せたのは
完璧に貴族の最後の頼みの綱を切る行為だった。
元婚約者は心から愛してたからなのだろけど
貴族の望みとはいえ悲しすぎる手助けだったに違いない。
精神的パワーゲームはヘタなホラーより恐ろしい。
主従逆転
1963年 英映画
召使役のダーク・ボガードがその実力発揮で
英国アカデミー男優賞受賞
A・ドロンが時々、美貌でサディスティックな
メフィストフェレスを演じていたが
これは全く別のタイプのやつ
泥沼、陰気、魚の目… 英国の天気のような
どんより湿気が感じられる男
それにパッチリお目々で口の大きい
普通なら明朗という印象なはずの不思議なサラ・マイルズが
媚態を示しながら絡む、が
全体を流れるのは ホモセクシャルなムード
ハロルド・ピンターとジョセフ・ロージーの
英国の階層の違う二人の男への容赦ない視線を感じます
俳優達のプロフィールを見てたら
ボガードは男のマネージャーと長年暮らしており(笑)
マイルズは怪事件に巻き込まれていた
監督はこういうことを見抜いたり、予見出来るのだろうか?
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