劇場公開日 1950年11月7日

無防備都市のレビュー・感想・評価

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5.0邦題がいいですね

2025年12月4日
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鑑賞方法:映画館

怖い

斬新

 なにか塚本晋也さんの映画でありそうな題名ですね。ちなみに原題は「Roma città aperta ローマ開かれた街」だそうです。

 イタリア現代史🇮🇹に疎いので同盟国であったイタリアが連合国軍に降伏した後ドイツ軍が乗り込んできたわけですね?B・ベルトルッチ「暗殺の森」ではムッソリーニ政権が崩壊後のバドリオ政権樹立で終わるわけですが、その後にドイツ軍が支配するのか時代的に不明です。今度、世界史を勉強してみます。

 昔、キネマ旬報「ヨーロッパ映画200」という本に、この作品が紹介されてました。
アンナ・マニャーニが道路に飛び出して叫んでいる写真が載っておりました。あまりに有名なスチール写真でA・ヒッチコック「断崖」のミルクを運ぶケーリー・グラントぐらい知名度がありますね。

 昔名画座で同監督の「戦火のかなた」と二本立て上映されてました。

 いやはや、この前観たW・サレス「アイム・スティル・ヒア」より怖いんですけど😱
ここはセットでプロの役者さんが演っておられるてのは分かってるんですけど。

 ファシズム、モルフィネ、同性愛・・・
これてB・ベルトルッチ「ラスト・エンペラー」で描いていました。退廃ていうこと?

 主人公はアンナ・マニャーニ演じるピーナかと思ったら違った。神父ドン・ピエトロを軸に話が動いていますね。実際にファシストに抵抗運動に参加されていた神父がモデルになっております。

 昔「ドイツ零年」を観に行ったのですが凄まじいストーリーだったので本作品もラストが予想できるんですよね。ハリウッド映画を観なれたり勧善微悪を期待してる方には物足りないかもしれません。

 私の個人的見解ですがL・ビスコンティ「若者のすべて」やヌーベルバーグ作品に影響を与えているのではないでしょうか。

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naoki

3.5その時の出来事を

2024年5月7日
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イタリア側から、そして作者の視点から 忠実に描いたもの。
それだけ。
我々は多少なりともあの戦争の勉強をしている。だからここで描かれてるものが戦争の中のほんの一部 、ほんの一面性でしかないことを知っている。 そしてそのことが大きな要因となって映画を見終わったあと、余韻が強く残った。
彼らの視点は彼らの視点でしかなく、同時に事実の一部でもあった。

そしてその出来事、その辛さをその憎しみを忠実に描いた筈のこの映画の写真的 芸術性の高さは 何だ? 本当に伝えたいから作ったのか、作品を作りたかったから作ったのか? ・・・という変な矛盾のようなものも そこに感じた。

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KIDOLOHKEN

3.5素晴らしかった

2023年7月8日
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2部構成となっており
一人の死をも淡々と描く姿勢が良かった。

最初の方ではどこをどう描きたいのか
飲み込むのが難しいんだけど、
2部になってくっきりとわかった

それと、2部の女性たちよ
あれは結局、騙されたってことなんだよね

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JYARI

5.0ローマ解放へ!! 映画の力強さを感じる。

2023年6月3日
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製作は1945年
物語は第二次世界大戦中のローマ。
イタリアを支配する非情なドイツ軍と
傷つく国を守るローマ市民。

この映画には「名画とは…」の答えのひとつが有る。

恐怖と怒りと叫びと勇気。
国を支配されたら
黙り、言いなりになるか
レジスタンスになるか。
そのどちらかしか無い。

死ぬことより、生きることの方が難しい。

映画は神父と子供達の衝撃的なシーンで終わる。
観ている誰もが、この後のことを想像する。
それが、更なる強い感情を呼び起こす。



過去の出来事では無い。
今、彼の国で行われている戦争。
侵略のためなら簡単に引き金を引く。
本当に占領されたらもっと残酷だろう。

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星組

4.5占領下のレジスタンスを冷徹に描いたネオレアリズモ映画の衝撃作

2022年5月6日
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鑑賞方法:映画館

第二次世界大戦末期にイタリアは混乱と苦難の特殊な事情に置かれて、それは占領したナチス・ドイツ軍の残虐性を如実に表していると思う。敗戦国イタリアに対してナチス・ドイツが補強した政治は、主人としての地位を思う存分悪用するものだったという。それに対するレジスタンスの記録として制作されたのが、この映画史に画期的な変革をもたらしたネオレアリズモを象徴する『無防備都市ローマ』である。ゲシュタポと戦う反ファシスト地下運動の記録を基に、小説家セルジョ・アミディがまとめた脚本には、まだ無名のフェデリコ・フェリーニも参加している。デ・シーカやヴィスコンティとはひと味違うロッセリー二の演出には、敗戦後の社会不安の悪条件の中、現実を直視した映画制作を敢行する意欲と情熱が直に伝わる。題材は違うが、同じ戦時下に作られたフランス映画の大作「天井桟敷の人々」に感じた映画に賭ける力強いエネルギーに圧倒されてしまった。

それは俳優たちの真剣な表情を観れば明らかであろう。レジスタンスの緊張した心理状態は刻々と変化を見せて、インサートされる残虐非道なナチスのベルクマン少佐のシーンと対比されて緊迫感を深めていく。地下運動の指導者ジョルジオがゲシュタポに追われ同志フランチェスコのアパートに逃げ込む発端から、彼らの良き協力者でもあるドン・ピエトロ神父が反逆者の宣告を受けて無残に銃殺刑にされるラストまでの男も女も、そして子供たちまでも、それは演技の枠を超えて迫真の表情を見せる。ロッセリーニの演出力と、この状況下にいたイタリア人が本来持っている表現力の豊かさの賜物であろう。特にフランチェスコがナチスに連れ去られ、追い掛ける婚約者ピーナが殺されてしまうシーンのアンナ・マニヤーニの演技と、それを捉えた臨場感のある鋭敏なカメラワークは、残虐そのもので衝撃的だった。劇映画(フィクション)のドラマティックな演出とは違う、このリアリズムの迫真性に公開当時はもっと衝撃を受けたのではないだろうか。そこに至るまでのピーナの行動力や生活感が確りと描かれているからこそ、そのシーンが更に訴える力を持っている。そしてピーナの息子マルチェロが泣き叫ぶ悲劇の場面は、イタリア映画のひとつの特性を表していると思った。オペラの国イタリアの正しくドラマの感情表出。
恋人マリーナの裏切りによってゲシュタポから凄惨な拷問にあうジョルジオ、対してピーナの孤児との別れを惜しんで逮捕を逃れたフランチェスコと、緊迫した攻防の中のそれぞれの命運がリアリズムの真実味とドラマの両面を構築している。ロッセリーニ監督の演出は、室内シーンを安定したカメラワークで撮り、屋外ではカメラの揺れを意識したドキュメンタリー技法で張り詰めた臨場感を印象付ける効果を狙って、独特なドラマを創作することに成功を収めたと言えるだろう。

冷徹な視点によるリアリズムの映画ではあるが、その根底には敗戦から占領の混乱を経験した母国イタリアの人々に対する、作家としての熱い想いがある。そこに私は、ロッセリーニ監督の良心を見た。イタリアが最悪の状態から、このような感動と衝撃のネオリアリズモを世界に知らしめた時代の証明は、とても意味があると思う。レジスタンス運動で命を落とした人々への鎮魂歌も含めて。役者では、名女優アンナ・マニャーニを筆頭に、ドン・ピエトロ神父のアルド・ファブリーツィ、ジョルジオのマルチェロ・パリエーリが特に素晴らしく、称賛したい。

  1978年 6月5日  フィルムセンター

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Gustav

3.5神父様の顔が頭から離れない…

2021年10月14日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

怖い

時代背景含め少し難しい内容だったが、ショッキングな作品。本当にドキュメンタリーを観ているような迫力だった。結婚式を控える男女や、無垢な子供たちなど、"普通の人たち"を取り巻く環境の恐ろしさ。神父様、いい人、好き。

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みな

3.0抑制された表現にも拘らず、後味の悪さが記憶にこびりつく

2021年9月7日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

映画『無防備都市』の感想です。

ブログではネタバレありで書いています。

『巨匠を観る』企画、15作目(全27作)の映画です。

監督:ロベルト・ロッセリーニ
制作年:1945年
制作国:イタリア
カンヌ国際映画祭 パルム・ドール(最高賞)

【あらすじ】
イタリア敗戦後、ナチス・ドイツに占領されたローマの市民やレジスタンスの人々の物語。

レジスタンス活動に身を投じた誇り高い男達や、それに協力する神父や女性達。
敗戦の中から新しい国を作った市井の人々の、厳しく苦しい日々を描いた作品です。

【感想】
☆☆☆ 面白かったです。

厳しく生きる人々の現実に焦点をあてて映画を作ったイタリア・ネオレアリズモの先駆けとなる作品。
この映画の前と後で映画の歴史が変わったとも言われる作品です。

抑制された表現にも拘らず、後味の悪さが記憶にこびりつくようなシーンが印象的な映画でした。

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評価は、以下のような感じで付けています。
☆☆☆ 面白くない~普通に楽しめた。
★☆☆ 個人的にかなり楽しめた作品。
★★☆ 少し気になる点はあるものの、凄い、大好きと感じる作品。
★★★ この先、何度も観返したいベストの作品。

ブログの方では、ネタバレありで個人感想の詳細とネット上での評判等を纏めています。
興味を持って頂けたら、プロフィールから見て頂けると嬉しいです。
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trico

4.0ネオレアリズモの始祖の名作

2018年8月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しくはない
戦中戦後の物資不足の中で手作りで苦労して撮ったことが、結果的に高いリアルさに繋がったのは画面から容易に伝わる
それだけでなくナチズムとの対決、平和の希求、その闘いへの連帯のメッセージが熱い思いとして伝わる
ゲシュタポ将校の台詞と酔っ払ったドイツ軍将校の台詞に監督の製作意図が吐露される
ヒーローはいない、市井の普通の等身大の人々すべてが主役という姿勢
資金難で結果的に素人を使うしかできなかったことが却ってそれを明確化できた
きちんと映画として起承転結しており、決して独善的なものでは無かった

観て損はない

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あき240

4.5楽しめました。

2015年4月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ヌーベルヴァーグに影響を与えたというから、難しいかなとおもいましたが、楽しめました。
冒頭から引き込まれ、映像の凄味に圧倒されっぱなしでした。
何でもないシーンでも存分に楽しめます。
余談ですが、マリアという役をやったマリア・ミキという女優さんが魅力的でした。日本語のwikiがなく日本語のネットを探してもこれとこの後のロッセリーニ作品が一本出てくるだけで、あー、一発屋みたいな人かなと思いましたが、もっと活動した方だったんですね。

まあ、映画史に残ると言われるシーンと言いその後の映画の流れと言い、黒澤映画などにも影響が見られてとても素晴らしい作品です。

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lotis1040