ミリイ 少年は空を飛んだ
劇場公開日:1987年3月21日
解説
両親を飛行機事故で亡くして以来、殼に閉じこもってしまった少年と、彼の隣家に越てきた少女の交流を描くファンタジー・ロマン。製作はゲイリー・アデルソン、監督・脚本はニック・キャッスル、撮影はスティーヴン・ポスターとアダム・ホレンダー、音楽はブルース・ブロートン、視覚効果はリチャード・エンドランドが担当。出演はルーシー・ディーキンズ、ジェイ・アンダーウッドほか。
1985年製作/アメリカ
原題または英題:The Boy Who Could Fly
配給:日本ヘラルド
劇場公開日:1987年3月21日
ストーリー
ミリイ(ルーシー・ディーキンズ)は14歳の可憐な少女。最愛の父を思わぬことで亡くし、母と弟と3人でセントルイス郊外の小さな2階家に引っ越してきた。そこでミリイは隣家の2階の窓に座っている奇妙な少年を見つける。彼の名はエリック(ジェイ・アンダーウッド)。腕を水平に伸ばし、ちょうど飛行機が空を舞うような格好をしていた。その夜、2階の寝室でミリイは夜空に閃光が走るのを感じた。外を見ると、昼間少年が座っていた窓が開いていた――。ミリイの新しい山での生活が始まった。初登校の日、ミリイは同じクラスにエリックがいることを知った。彼は最後列に座り、黒板に背を向け無心に紙ヒコーキを投げていた。ミリイはクラスメートにエリックのことをいろいろと聞かされた。彼は5歳の時、両親を飛行機事故で亡くし、それ以来、誰とも口をきかず心を閉ざしてしまったという。数日後、友達と日光浴をしていたミリイは、エリックが屋根のてっぺんに登って飛行機のマネをしているのをみつけ、あわてて彼を家の中に連れ戻した。彼の家には泥酔状態の叔父ヒューゴ(フレッド・グウィン)がいた。そしてヒューゴは「誰も信じないが、オレは見たんだ。エリックが空を飛ぶのを……」とつぶやいた。ある日、ミリイは担当のシャーマン先生(コリーン・デューハースト)にエリックの友達になってほしいと頼まれた。学校ではのけ者扱いされ、街の人には医療施設に収容されようとしている彼を先生は唯一人かばっていた。ミリイは積極的にエリックとつき合うようにした。そして2人が一緒に公園で遊んでいる時、突然野球のボールがミリイめがけて飛んできた。危や!というところで、エリックがそのボールを素手で受けとめた。彼の不思議な能力をみたミリイは翌日、早速、学校である実験を試みるがエリックは何の反応も示さなかった。社会科の授業で植物園に出掛けた際に、ミリイは崖の花をとろうとして、あやまって20メートル下の岩場に転落してしまった。ところが、気がつくと病院のベッドの上にいて、軽い脳震盪を起こしただけだという。きっとエリックが助けてくれたにちがいないと彼女は思い、エリックに会いに行くが、彼は医療施設に収容されたあとだった。雨が激しく降るある夜、医療施設を抜け出したエリックが稲妻の光を背に屋根の上に立っていた。急いでエリックのもとにかけつけるミリイ。翌朝、街中がエリックのことで騒いでいた。医療施設の看護人も必死でエリックのあとを追っていた。屋根の上で一夜を過ごした2人は、誰にも見つからないよう学校へ急いだ。しかし、看護人に見つかってしまい、2人は学校の屋上へと追いつめられた。校庭ではちょうど学園祭が行なわれており、先生も生徒も固唾を飲んで2人を見上げていた。その時、エリックがミリイの手をやさしく握った。「エリック、本当に飛べるの?」という彼女の問いにエリックは手をしっかりと握りしめて応えた。そして2人は次の瞬間、大空高く舞っていった。この光景に校庭にいた生徒や先生、父母はびっくりし、2人のあとを追った。エリックはミリイを彼女の家の2階の窓辺におろすと、どこともなくまた大空を飛んでいった……。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ニック・キャッスル
- 脚本
- ニック・キャッスル
- 製作
- ゲイリー・アデルソン
- 撮影
- スティーブン・ポスター
- アダム・ホレンダー
- 美術
- ジム・ビッセル
- 音楽
- ブルース・ブロートン
- 編集
- パトリック・ケネディ
- 特殊効果
- リチャード・エドランド
- 字幕
- 戸田奈津子