ミラクルマスター 7つの大冒険

劇場公開日:1983年10月15日

解説

動物を意のままに操つることのできる主人公が、悪逆非道な司祭を倒すまでの剣と魔法の物語。ポール・ペパーマンとシルヴィオ・タベットが製作。エグゼクティヴ・プロデューサーはネイダー・アルッシとシルヴィオ・タベット。監督は「ファンタズム」(78)のドン・コスカレリ。脚本をドン・コスカレリとポール・ペパーマンが書いている。撮影はジョン・オルコット、音楽はリー・ホールドリッジが担当。出演はマーク・シンガー、リップ・トーン、タニヤ・ロバーツ、ジョン・エイモスなど。アメリカではThe Beastmasterの題で、MGM/UAが配給。ドルビー・ステレオ。日本版字幕は進藤光太。CFIカラー、ビスタサイズ。1982年作品。

1982年製作/118分/アメリカ
原題または英題:The Miraclemaster The Beastmaster
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1983年10月15日

あらすじ

大古。広大な砂漠を領するアルークという国があった。この国では、国王ゼッドから実権を奪おうと企む悪徳司祭のマークス(リップ・トーン)が、アー教という宗教を盾に傍若無人の振る舞いをしていた。深夜、地下納骨堂で煮えたぎる鍋に王と王妃の顔がうつり、妖怪が「これから生まれる2人の間の子供が、お前を殺すだろう」と予言する。それを聞いたマークスは怒り、妖怪に子供を殺せと命じた。妖怪は王夫婦の寝所に忍び込み、2人を動けなくしてから、王妃の子宮の子供を連れて来た牛の腹に移しかえる。野原で牛の腹を裂き、子供を殺そうとするが、通りかかった旅人が妖怪にナイフを投げて子供を助けた。旅人はエムール国の長老で、彼は子供をダールと名付け自分の子として育てる。少年になったダールは、熊を自分の意のままに操つれる能力に気付いた。月日がたち青年となったダール(マーク・シンガー)は、丘で畑仕事をしていた。そこへ蛮族ジャンが襲いかかってきた。エムールはダールを除いて全滅した。彼は以前、父が自分は本当の親ではないこと、正体を知りたかったらアルークの谷へ行けといっていたことを思い出し、旅へ出る。彼の目というべき鷲と愛犬コドもいっしょだ。途中で2匹のいたずら者のマングースや、熊、黒豹が仲間に加わる。川のほとりで水浴びをしている美女キリ(タニヤ・ロバーツ)と知りあう。アー神殿の奴隷だという彼女は、ダールの手を振り切り去っていった。ダールは人間を羽のような袋で包んでとかしてしまう、恐ろしい鷲人間の集落へ入ってしまったが、彼らはダールの連れている鷲を見て、ダールに手を出そうとはしなかった。アー神殿に接近したダールは、マークスがいたいけな少女を生贅として火の中へ放り込もうとするのを目撃、鷲に命じて少女を救う。怒ったマークスの手下に追われるダール。黒豹が穴に落ちたのを、2人の旅人が手助けして救出した。1人はタルという少年で、ゼッド王の息子でキリとはいとこという関係だった。もう1人はセス(ジョン・エイモス)という棒使いの達人であった。2人は幽閉されているゼッド王を救いに行くという。3人は船つき場でキリを助け出すことに成功する。彼女の案内で神殿に侵入したダールとタルは、国王を救出する。ゼッド王はマークス打倒にはやる。しかし、味方は35人。マークスの術中にはまり生け捕られてしまった。王の無謀な計画に反対して決起に加わらなかったダールは、アー神殿に駆けつけ、マークスと対決。ついにダールはマークスを倒す。民衆も立ちあがり、マークス一派は壊滅する。そこへ、ジャン族が攻めて来た。ダール、そしてセスの指揮で防御が固められた。夜になり、ジャン族との死闘がくりひろげられた。ジャン族はやられて、民衆はダールを王にいただこうとする。自分がゼッド王の子供であることを知りながら、ダールはそれをしゃべろうとせず、弟のタルに国をまかせて1人旅に出る。丘の頂上に立つ彼の後に人が…。彼を恋するキリであった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5 動物たちと去っていく

2026年10月6日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

まず目を引くのは、マーク・シンガーの身体です。裸に近い格好で歩き、走り、剣を振る場面が多く、演技そのものよりも、鍛え上げられた肉体が主人公ダールの存在感を作っています。ヒロインのキリもかなり大胆な姿で登場し、この時代のファンタジーらしく、人間の身体をかなり前面に出した映画でもあります。

ダールの仲間になるのは、黒い虎、二匹のフェレット、鷲。人間より動物と一緒にいる姿の方が自然です。さらに、見た目だけなら完全に怪物にしか見えない鳥のような種族まで彼を助ける。一方で、本来なら正統な側にいるはずの王はかなり横暴で、実の息子であるダールを息子とも知らず、その能力も受け入れません。王道の剣と魔法の世界に見えながら、善悪や味方の配置は意外と素直ではありません。

ダール自身も変わった主人公です。王になりたいわけでも、力や富を求めているわけでもない。キリにはかなり惹かれていますが、それ以外には大きな野心もありません。育ての一族を殺した敵を倒し、自分の出生も知る。それでも王国には残らず、最後はまた動物たちと旅に出ていきます。

同じ1982年の『コナン・ザ・グレート』と比べると、どうしても軽く見えます。『コナン』には「力とは何か」という太い軸があり、主人公の肉体にも世界観にも重量があります。こちらにはそこまでの思想的な強さはありません。マーク・シンガーも十分すごい身体ですが、相手がシュワルツェネッガーとなるとさすがに分が悪い。

それでも、王子でありながら王座を求めず、最後まで動物たちと行動する気の優しい青年という主人公像は、この映画らしいところです。大きく成長して別人になるわけでもなく、最初から最後までダールはダールのまま。かなり素朴な冒険ファンタジーですが、その少し外れた感じは悪くありませんでした。

鑑賞方法: 4K UHD (Vinegar Syndrome) HDR10

評価: 70点

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neonrg

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