南太平洋のレビュー・感想・評価
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バリ・ハイ島はガボテン島じゃなかった。
『魅惑の宵』と『バリ・ハイ』だけのプロパガンダ映画。
はっきり、敵国が日本で、
標的は「TOKYO」と言っている。
ガダルカナル侵攻後、沖縄へとアメリカは兵站を繋いでいく。そして、同じ美しいはずの太平洋の島のテニアン島から、アメリカは自国の正義を押し通すのだ。
さて
ここに登場せしトンキン人とは東シナ海の北ベトナムの民。では、なぜトンキン人なのか?
フランスの植民地だった仏領インドシナから連れて来た労働者なのである。
そして、
1958年と言えば、ベトナム開戦前夜。フランスがベトナムから撤退して、代わりにアメリカが西洋人として乗り込む前夜なのだ。
描かれる慰安演目は正にその為。
この映画の舞台はメラネシアのヴァヌアツだ。ヴァヌアツ共和国として植民地からは解放されているが、現在も宗主国としてフランス、イギリスの依存度は高い。
以下が
アメリカ人の考え方。そして、言い訳。
『勝利が良い世界を作る保証はない。だが負けたら更に悪くなるのはたしかだ』
ガキの頃、祖母にこのストーリーの舞台劇に連れて行かれそうになったのを、微かに覚えているが、実際に行ったのは「時代劇」であった。つまり、僕の妄想で、理由ははっきり覚えていない。しかし、祖母に別の舞台に連れて行って貰って良かったと思う。
イデオロギーは高校の世界史の教師から教わった。
「こんな映画見るな」って言っていた。
だから、初見は中年になってから。多分、今回が2回目。
イデオロギーは兎も角、自然を使った舞台劇に見えた。狙い通りなのかもしれないが、こんなにも期待を裏切る演出とストーリーだとは思っていなかった。ガキの頃見なくて良かった。僕にとって音楽だけの映画は「慕情」もそうかなぁ。音楽はいいんだけどね。
追記
僕にとっての魅惑の宵は、コンチキ号の話とガボテン島が最初だね。
追記
もう一つ、太平洋と言えば、ビキニ環礁に於ける水爆実験による3度目の被爆を忘れてはいけないと僕は思っている。
エキゾチックな音楽には魅せられたが・・・
ジョシュア・ローガン監督による1958製作の米国ミュージカル映画。
昔、テレビで見た。ストーリーは殆ど覚えていない。
主役二人に魅力を感じなかったが、音楽は素敵で、主題「魅惑の宵」は美しいが、それ以上に「バリ・ハイ」や「ハッピー・トーク」はエキゾチックな魅力に溢れていて素敵で、引き込まれた。
ただ、舞台が第二次世界大戦の最中、南太平洋の島であることには、日本軍との比較で少々はらただしさも覚えた。
原作はジェームズ・A・ミッチェナー、脚色はポール・オズボーン。
原作戯曲はオスカー・ハマースタイン2世、リチャード・ロジャース、ジョシュア・ローガン。撮影はレオン・シャムロイ、音楽はリチャード・ロジャース、
編集はロバート・シンプソン。
出演はロッサノ・ブラッツィ(旅情等)、ミッチー・ゲイナー、ファニタ・ホール(バリハイを唄った)、ジョン・カー、レイ・ウォルストン、フランス・ニューエン、ラス・モーガンら。
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