劇場公開日 1988年12月10日

「【”来世で会おう!”賞金稼ぎの男と、マフィアのボスから福祉団体に寄付するために多額の金を横領した男との可笑しくもテンポ良き展開と、徐々に友情を育む姿とラストが沁みるアクションロードムービーの逸品。】」ミッドナイト・ラン NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【”来世で会おう!”賞金稼ぎの男と、マフィアのボスから福祉団体に寄付するために多額の金を横領した男との可笑しくもテンポ良き展開と、徐々に友情を育む姿とラストが沁みるアクションロードムービーの逸品。】

2024年12月24日
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■逃亡犯を追う賞金稼ぎのジャック・ウォルシュ(ロバート・デ・ニーロ)はL.A.マフィアセラノ(デニス・ファリナ)の会計士で1500万ドルを福祉団体に寄付するために横領した逃走中のジョナサン・マデューカス (通称デューク)(チャールズ・グローディンデューク)の逮捕を保釈保障業者のエディ・モスコーネ(ジョー・パントリアーノ)から10万ドルで依頼され、彼をアロンゾ・モーズリーFBI捜査官(ヤフェット・コットー)の名を使って逮捕する。
 ウォルシュは意気揚々とL.A.行きの飛行機に乗り込むが、デュークは”飛行機恐怖症”だと言い、パニックを起こしたために、機長から搭乗拒否を受けた2人は、仕方なく列車でL.A.に向かう。

◆感想

・ジャック・ウォルシュも、ジョナサン・マデューカスも粋で善人である事が、今作を面白くしている一因であろう。
 尚且つ、二人ともお茶目な所も、良いのである。
 ー 今作は、ロバート・デ・ニーロだけでなく、とぼけた感じのチャールズ・グローディンデュークがとても良いのである。ー

・ジョナサン・マデューカスが”飛行機嫌い”と言いながら、逃亡途中にセスナを借用して一人逃げようとするシーンのロバート・デ・ニーロ演じるジャック・ウォルシュとの遣り取りなどは絶品である。
 ー 嘘を散々ついて来たジャック・ウォルシュが、一泡喰わされて”お前、飛行機嫌いだなんて言いやがって、この嘘つきが!”クスクス。ー

・だが、これが後を追うアロンゾ・モーズリーFBI捜査官率いるFBIや、セラノ率いるマフィアを巻くことになるのだから、面白い。

・FBIにカードを止められたジャック・ウォルシュが、元妻ゲイルに9年振りに会い金を借りるシーンも、少し沁みる。
 彼は、刑事だったがシラノの買収に乗らなかったために、嵌められて警察を辞めたのである。彼が、元妻に対し”アイツは優しくしてくれるか?”と気遣い、久しぶりに会った娘に”大きくなったな・・。”と言い、娘は貯金箱を”パパ、使って。”と差し出すのである。
 ー ジャック・ウォルシュが、元は正義感溢れる刑事であり、家庭を大切にしていた男だった事が分かるシーンである。
 彼は、劇中しょっちゅう腕時計を気にするが、それをジョナサン・マデューカスに問われると、”ゲイルに貰ったんだ。いつも遅刻するから30分早い時間に設定されているんだ。”と答えると、デューカスは優しく微笑みながらジャック・ウォルシュを見るのである。ー

・途中途中で現れる同じく賞金稼ぎのマーヴィン・ドーフラー(ジョン・アシュトン)の存在もこのロードムービーに可笑しみを与えているとともに、彼の役割が最終版に大切なモノとなるシーンも巧い。

・そして、ジャックの思惑通りにシラノの悪事を記したという偽ディスクと交換にジョナサン・マデューカスを手に入れ、FBIは二人を付け狙っていたシラノ一味を取り押さえて、ジャックとジョナサン・マデューカスとを開放するのである。

・二人は飛行機でロサンジェルスに着き、ジャックはエディに電話しジョナサン・マデューカスの声を聞かせるが、彼を開放すると言いジョナサン・マデューカスの手錠を外し、大切にしていた腕時計を渡すのである。
 すると、一文無しだったはずのジョナサン・マデューカスも、腹巻から30万ドル‼の大金をジャックに渡し、いつもの”来世で会おう!”と言葉を交わして別れるのである。
ー 二人とも、粋な男だなあ!-

 <今作は、賞金稼ぎの男と、マフィアのボスから福祉団体に寄付するために多額の金を横領した男との、テンポ良く可笑しくも徐々に友情を育む姿と、ラストが沁みるアクションロードムービーの逸品なのである。>

NOBU
かせさんさんのコメント
2024年12月25日

「なあジャック。あの時のニワトリ、いい尻してるのがいたとと思わないか?」
「二、三羽相手をしたいのがいたな」
のやりとりで始まる会話は最高ですね。

かせさん