ミッション

劇場公開日:

解説

1750年~58年を舞台に南米の地の果てに殉教した2人のイエズス会士の物語。製作はフェルナンド・ギアとデイヴィッド・パトナム、監督は「キリング・フィールド」のローランド・ジョフェ、脚本はロバート・ボルト、撮影はクリス・メンジス、音楽はエンニオ・モリコーネが担当。出演はロバート・デ・ニーロ、ジェレミー・アイアンズほか。

1986年製作/125分/イギリス
原題または英題:The Mission
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1987年4月18日

ストーリー

巨大な滝へとつながるイグアス川の上流で、十字架にかけられた男がインディオたちの手で流れに押し出されていた。南米内陸奥地のインディオたちに神の教えをもたらそうとするイエズス会の神父ジュリアンだ。彼は、十字架にかけられた無残な亡骸となった。彼のかわりガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)が布教にきた。殺気だった雰囲気の中で、彼はオーボエを吹き、その美しい音色にインディオたちの心は柔らいだ。武器を手にしたグァラニー族の小さな村に迎えられたガブリエルは、そこで、ロドリゴ・メンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)の存在を知って落胆する。彼は庸兵にして奴隷商人。アスンシオンの街では知らぬ者がいないこの男は、平和な村に奴隷狩りという魔の手をのばしていた。総督にインディオを売りさばいてアスンシオに戻ったメンドーサは、愛人カルロ(チェリー・ランギ)から、フィリッポ(エイダン・クイン)との愛を取ると告白されショックを受ける。実の弟であるフィリッポを、嫉妬に狂ったメンドーサが殺したことを、イエズス全本部に戻ったガブリエル神父は知った。弟殺しで独房に入ったメンドーサを連れ出したのはガブリエルだった。重荷を背負い岩場を踏みしめるメンドーサを、インディオたちが見守った。数年後、滝の上にサン・カルロス教会が建ち、枢機卿アルタミラノ(レイ・マカナリー)が到着した。イエズス会の神父を集めた会でも、私腹を肥やすことしか眼中にない偽政者たちに、見習い神父として控えていたメンドーサは怒りを爆発させた。メンドーサの怒りをアルタミラノに説明するガブリエル。枢機卿は懊脳した。奴隷に関することはポルトガルとスペインとイエズス会の政治にも影響があるのだ。両国ともイエズス会の勢力増大を恐れ国内のイエズス会士追放をもくろんでいる。会としては南米は譲歩し、ヨーロッパでの布教の道をとるべきだった。楽園を閉鎖するしかないのだ。メンドーサは武器をもって戦う決意をし、その方法に反対しながらも、ガブリエルも戦う姿勢をとった。大量の武器や火薬を持ったポルトガル軍とスペイン軍の前に、メンドーサの率いるグァラニーの人々、さらに祈りに託すガブリエルも最期の時を迎えるのだった--。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第44回 ゴールデングローブ賞(1987年)

受賞

最優秀脚本賞 ロバート・ボルト
最優秀作曲賞 エンニオ・モリコーネ

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) ジェレミー・アイアンズ
最優秀監督賞 ローランド・ジョフィ

第39回 カンヌ国際映画祭(1986年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール ローランド・ジョフィ
フランス映画高等技術委員会賞 ローランド・ジョフィ

出品

コンペティション部門
出品作品 ローランド・ジョフィ
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映画レビュー

3.5キリスト教という名の侵略

2023年3月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

滝がすごい! その滝から落ちるシーンもすごい! 原住民の役者?もすごい!! なんとまーすごいロケだなーーーと それにしても イエズス会 日本も布教といいつつ侵略されてたらしいけど… 戦い、戦争、人殺し クリスチャンとしては この辺を突っ込まれると 弁明に詰まるのよね… 腹たつのり 2023年3月5日追記 今日モリコーネの映画観てきた これもモリコーネだったんだ! すごくて震えた… けど、気づかず観てたのが恥ずかしい

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mamagamasako

4.0タイトルなし

2023年1月22日
Androidアプリから投稿

♬エンニオモリコーネ♬につられた ジェレミー・アイアンズ、ロバート・デ・ニーロ、リーアム・ニーソンまで出演している 滝の十字架シーンで度肝を抜かれる イエズス会ってあんな僻地まで布教活動していたのか 命知らずだな 結局はポルトガル、スペインの領土問題? 布教しておきながら、煙たがるのはちょっと事情が分かりにくい グアラニー族銃撃は原住民相手に浅ましい行為だと思った 森林に響く賛美歌、河のシーンで流れる音楽はやっぱり美しかった

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ゆう

4.0【”神は愛の筈だったのに・・。”18世紀の南米でイエズス会宣教師達と、南米原住民、スペイン人、ポルトガル人らが夫々の責務を果たそうとする姿をエンニオ・モリコーネの美しくも切なき楽曲で彩った作品。】

2023年1月15日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■18世紀の南米奥地。  スペイン人、ポルトガル人による奴隷政策が進むなか、イエズス会は原住民への布教活動に励み、ガブリエル神父(ジェレミー・アイアンズ)は音楽により原住民と、心を通わせ、安住の地を築いていた。  ある日、奴隷商人のメンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)が弟殺しの罪を背負ってかの地にやってきて、ガブリエル神父の下、原住民と暮らすようになる。  だが、そこに法王の使いとしてやって来た枢機卿が、禍を齎す・・。 ◆感想 ・今から30年以上前の映画にも関わらず、今作は圧倒的なスケールを誇る歴史大作で有る。 ・前半は、ガブリエル神父ら、イエズス会宣教師達が苦労しながらも音楽により原住民と徐々に心を通わせ、彼らを神の信者にしていく過程が描かれる。 ー 若きリーアム・ニーソンが宣教師役で出演している。後年「沈黙ーサイレンスー」でも宣教師を演じていた事を思い出す。- ・後半は、そんな安住の地にやって来た法王の使いである枢機卿が、スペイン領、ポルトガル領の線引きをし、ポルトガル領となったガブリエル神父(ジェレミー・アイアンズ)と原住民の安住の地は、戦地になってしまう悲しき光景を映し出す。 <南米での奴隷政策が色濃くなってきた18世紀の時代を背景に、政治と宗教の摩擦をリアルに描き出した作品。信念を貫こうとする宣教師達の夫々の熱い思いが哀しくも印象的な作品である。  エンニオ・モリコーネの美しくも哀愁を帯びた数々の楽曲が今作に彩りを齎している作品でもある。>

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共感した! 3件)
NOBU

3.0マン氏は見習え

2021年11月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

壮大で迫力のある映像にマイケル・マンの「ラスト・オブ・モヒカン」と比較してしまう、本作から学ぶ全てがあるようにマイケル・マンは誤魔化しのショボい映像と単に娯楽大作として甘んじる為体。 愛を貫くジェレミー神父と力で守るデ・ニーロ神父、何方が正しいのか?分かっているのは互いの無力さと犠牲になる罪の無い原住民、神の存在意義よりもイエズス会を含めた入植者である白人の傲慢さが全ての原因。 今や親父アクションの代名詞リーアム・ニーソンはスコセッシの「ギャング・オブ・ニューヨーク」から「沈黙-サイレンス-」の前にこんな役をやっていた驚き。 デ・ニーロが髭モジャで格好良い反面、ラストに活躍することも無く意気消沈。

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万年 東一