ストーリー
巨大な滝へとつながるイグアス川の上流で、十字架にかけられた男がインディオたちの手で流れに押し出されていた。南米内陸奥地のインディオたちに神の教えをもたらそうとするイエズス会の神父ジュリアンだ。彼は、十字架にかけられた無残な亡骸となった。彼のかわりガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)が布教にきた。殺気だった雰囲気の中で、彼はオーボエを吹き、その美しい音色にインディオたちの心は柔らいだ。武器を手にしたグァラニー族の小さな村に迎えられたガブリエルは、そこで、ロドリゴ・メンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)の存在を知って落胆する。彼は庸兵にして奴隷商人。アスンシオンの街では知らぬ者がいないこの男は、平和な村に奴隷狩りという魔の手をのばしていた。総督にインディオを売りさばいてアスンシオに戻ったメンドーサは、愛人カルロ(チェリー・ランギ)から、フィリッポ(エイダン・クイン)との愛を取ると告白されショックを受ける。実の弟であるフィリッポを、嫉妬に狂ったメンドーサが殺したことを、イエズス全本部に戻ったガブリエル神父は知った。弟殺しで独房に入ったメンドーサを連れ出したのはガブリエルだった。重荷を背負い岩場を踏みしめるメンドーサを、インディオたちが見守った。数年後、滝の上にサン・カルロス教会が建ち、枢機卿アルタミラノ(レイ・マカナリー)が到着した。イエズス会の神父を集めた会でも、私腹を肥やすことしか眼中にない偽政者たちに、見習い神父として控えていたメンドーサは怒りを爆発させた。メンドーサの怒りをアルタミラノに説明するガブリエル。枢機卿は懊脳した。奴隷に関することはポルトガルとスペインとイエズス会の政治にも影響があるのだ。両国ともイエズス会の勢力増大を恐れ国内のイエズス会士追放をもくろんでいる。会としては南米は譲歩し、ヨーロッパでの布教の道をとるべきだった。楽園を閉鎖するしかないのだ。メンドーサは武器をもって戦う決意をし、その方法に反対しながらも、ガブリエルも戦う姿勢をとった。大量の武器や火薬を持ったポルトガル軍とスペイン軍の前に、メンドーサの率いるグァラニーの人々、さらに祈りに託すガブリエルも最期の時を迎えるのだった--。
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