「軽快なコメディーと真面目な家族ドラマ」ミセス・ダウト ohxrさんの映画レビュー(感想・評価)
軽快なコメディーと真面目な家族ドラマ
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親権を失ったダニエルが離婚した妻ミランダと子供の家に家政婦に変装して入り込むコメディー映画。
一人2役をこなすダニエルが繰り広げるお決まりだがテンポの良い笑いは見ていて痛快。
ただ家族ドラマについてはあらすじから受ける印象よりも真面目に向き合っている作品でもある。子供たちにとってはユーモアと愛情に溢れるよい父親ダニエルは、家事や家計を顧みずよい夫ではなかった。
ダニエルがミセスダウトに変身し、理想的な家政婦としてのスキルを身につけていくシーンでは、これまでダニエルがそういった役割に目を向けてこなかったことが暗示される。
第3者としてこれまで知れなかった妻の不満や気持ちを聞くことができるもそのときには既に夫婦として話し合いの場が失われているのは見ていてもどかしい気持ちになる。
最終的には隔たりが埋まることはないまま、それでも以前よりは建設的な妥協ができるようになったところで話は終わる。
安直に解決してしまうのではなく、現実的な結末になったところも含めて自分にとっては考えさせられる映画だった
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