「ミクロ化SFの金字塔」ミクロの決死圏 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ミクロ化SFの金字塔
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初めて観たときは人体内部に潜航艇で入る突飛な発想、赤血球や抗体の浮遊する血管内の映像に目を見張ったものだった。BSでやっていたので録画して再鑑賞。リチャード・フライシャー監督は深海ばかりか体内まで潜っって見せるのだから監督冥利に尽きるだろう。後に知ったことだが手塚治先生が1948年に「吸血魔團」という漫画で小さくなって肺の結核菌と戦う物語を既に描いていました、さすが医学博士ですね。
もっとも一寸法師や親指トムなど人が小さくなる話は昔からありますし怪獣が年々巨大化するように縮小化も進み最近ではアントマンが量子のサイズまで到達していますからSFの流れとしては普遍のテーマなのでしょう。
「音を立てるな」のシーンではこちらも思わず息を止めてしまいましたが、お約束通りドジな看護婦がやってくれます。裏切り者も割と早い段階からもろばれですし、やはり見どころは医師監修による特撮プロットにつきるでしょう。肺から取る酸素分子の大きさとかリンパ球に食べられた後の潜航艇が元に戻らなかったの何故とか謎はありますがミクロ化自体が不可能を可能にしているので何とでもできるでしょう、ただ蟻さんを潰さなかったのは良いのですが研究所に蟻が出てくることや電子機器の多いところでコーヒーはこぼすし、葉巻は吸い放題なのはお行儀わるくて頂けませんね、劇中でも肺が煙で汚れていると言っているのに砂糖の取りすぎは注意しても煙草はお構いなし。本作に限らず、良い悪いは別として喫煙シーンの多さで時代がしのばれます。
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