ミクロの決死圏のレビュー・感想・評価
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これが後の作品に与えた影響の大きさを讃えたい
60年代の特徴ゆえか、冒頭からシリアスなサスペンスの様相を呈する本作。一人の要人が昏睡状態に陥ったことから、これをなんとか救おうと、身の危険を顧みない前代未聞のアドベンチャーが幕を開けていく・・・。まずは伝説的なタイトルバックの斬新なデザインを楽しみつつ、潜入ポッドと共にクルーが小さくなっていく際のシュールな描写も目に焼き付けておきたいところ。
医療監修が付いているだけあり、当時としては最大級の専門性と創造性とを融合させた美術セットと特殊効果によって驚きの体内世界が描かれた。今改めて見るとやや動きが乏しく、中盤は緊張感に欠けるシーンも多々あるが、しかし体内で暴れるとどこからともなく白血球が飛来して異物を排除しようとする様など、その精巧さに驚かされる部分も多い。まだCGというものが全く存在しなかった時代の奮闘に敬意を表しつつ、作品そのもの以上に、後の作品への影響の大きさを讃えたいものだ。
微妙だなぁ...
当時のチャレンジ精神は高く評価したい
1966年公開
初鑑賞
TSUTAYAレンタル
監督は『海底二万哩』『トラ・トラ・トラ!』『10番街の殺人』『見えない恐怖』『王子と乞食』のリチャード・フライシャー
脚本は『ブリット』『栄光のル・マン』『レッドブル』のハリー・クライナーと『黒い蠍』のデビッド・ダンカン
粗筋
1時間以内なら人間でも潜水艦でもなんでも縮小できるSF社会
その技術を永続的なものとできることを知っているベネシュ博士がアメリカ亡命途中に狙われた
脳にダメージを負い通常の外科手術では治療は無理
そこで有志が原子力潜水艦に乗り込み細菌サイズに縮小されベネシュ博士の体内に入り脳内の血栓をレーザーで破壊する作戦に挑むのだった
しかし船員の中には始めから裏切り者がいた
主人公がときおりジョークを言うが医療関係者の助言もあり全体的に真面目な映画である
体内に入る過程も思いのほか面倒だ
重ね重ね言うが66年の作品
ビートルズが来日し『笑点』がスタートした年
日本映画といえば『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』『大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン』
当時は高く評価され精一杯やった感半端ない
現在の技術と照らし合わせて上から目線で酷評するレビュアーは思いやりもなくはっきりいって人間性を疑う
そんなレビューを読むほうがよっぽどがっかり
多くのフィクションに影響与えた古典
久米田康治の『行け!南国アイスホッケー部』でもパロディーとして「ミクロの決チン隊」が単行本に収められている
潜水艦に乗ることもなくおそらく久米田は大まかな内容は知っていても映画の方は全く観てないと推測される
リメイクの企画がだいぶ前からあるが実現していない
大雑把なイメージのアメリカ人だがこういうことにかけては意外にも慎重だ
最新技術で再現してほしいものだが未だに制作開始されていないところを見ると現代の敗北と言っても過言ではない
配役
通信・護衛担当の情報部員のグラントにスティーヴン・ボイド
執刀医デュヴァルの助手のコーラ・ピーターソンにラクエル・ウェルチ
作戦の総責任者のカーター将軍にエドモンド・オブライエン
米国きっての優秀な外科医だがスパイの疑いがかけられているデュヴァル博士にアーサー・ケネディ
スパイの疑いがあるデュヴァルの動きを監視する医療部長のマイケルズ博士にドナルド・プレザンス
潜航艇の開発者で操縦士のビル・オーウェンス海軍大佐にウィリアム・レッドフィールド
作戦主任で医師のドナルド・リード大佐にアーサー・オコンネル
ミクロ化の限界を越える技術を開発した東側の科学者のヤン・ベネシュ博士にジーン・デル・ヴァル
シークレットサービスにケン・スコット
交信員にバリー・コー
看護婦にシェルビー・グラント
技術者にジェームズ・ブローリン
通信士にブレンダン・フィッツジェラルド
ミクロの世界の大冒険‼️
SFの素晴らしさ、イメージの大きさ、そして映画が与えてくれる夢の楽しさに胸がふるえ、ワクワクさせてくれる名作ですね‼️人間の体内はファンタスティックでサイケデリックなマジカルワールドだった‼️外科手術が不可能なため、潜航艇に医者を乗せ、ミクロ化して注射器で患者の体内に入り、内部から治療するという奇想天外なアイデア‼️ミクロ化が可能なタイムリミットが60分というカウントダウンなスリル‼️敵のスパイがいるというサスペンス‼️そして最大の魅力はサルバドール・ダリがデザインを担当した色彩豊かな美しい "景色"‼️心臓の鼓動を止めて潜航艇を通過させたり、リンパ系の中で海草のような毛状繊維に邪魔されたり、アメーバのような白血球に襲われたり‼️人間の体の中がまるでジャングルのように、深海のように、宇宙のように不思議で恐ろしくて美しすぎる‼️そしてこの作品のアイデアが手塚治虫のものだったと知り、またまた感動‼️いやー、SF映画ってやっぱりいいなぁ‼️
観たような観てないような
楽しい人体探検
初めて観たときには政治色が強い冷戦時代の象徴のような映画に思えたものでした。ファンタスティックという原題が示すような夢と空想の世界よりも、冒頭から始まるサスペンスタッチの映像のほうが印象に残ったのです。何しろ体内は明るく、外の世界のほうが暗い。
軍隊ミニチュア化は60分しか持たない。狙われた要人はその永続化の技術を持っていたのだ。作戦は頚動脈から注入し、心臓を通らずに脳に行き、患部をレーザーで溶解し、静脈を通って体外に出ること。血液の流れや抗体、白血球など医学的にも説明される。さらに用意周到なことに、患者を冬眠状態にしてあるなど、冒頭の説明通り、専門家からの協力があってこそ出来あがった映画なのであろう。
スパイモノとしては、デュバル博士が反国家的という伏線を用意して、マイケル博士が信頼できる医者という設定である。途中のスリリングな展開はさすがにドキドキ。静脈から動脈に入ってしまい、心臓を一時的に止めなければ針路が危うい。そして廷内の空気不足。次から次へとピンチがおとずれる。
映像は面白いし、緊迫したサスペンスも楽しめるが、微妙な設定についていけるかどうか。
ディズニーのアトラクションに乗っているみたい
原題 Fantastic Voyage 素晴らしい航海。ちょっと医学的知識があったりすると「そんな訳ないだろう」が頭一杯になってそれから先はもう深く考えず、アトラクションに乗った感覚で映像を楽しむことにしました。最初のミーティングルームでの会議内容はしっかり聞いておきましょう。でも当事者達が世界初?!の試みにも関わらず、重要な作戦会議中に並んで葉巻に火を点けるシーン。おいおいみんなしっかり聴いてるのか?って思いました。しかも炎が大き過ぎる!昔はみんなそうだったのかな?そしてこの重要な任務をこなす人が適当に即席で選ばれ、何の訓練もなく有無を言わさずミクロ人間に。終盤のあのサイズになった人間が耳から脳内突っ切って眼、自力で短時間に行ける距離か?!しかも神経に沿って行くって??突然放り出されて酸素は足りるの?この異常事態も想定内??あの残されたマシーンは後で取り除くの?血栓の人は助かったの?もう彼の命は諦めたの?小さくなって大きくなった人達の今後が心配だし、人間を小さくした方が本来の目的の手術よりずっと凄い!!感動。これこそノーベル賞ものだ。まあ色々疑問出てくるけど、ミクロの世界を楽しめました!
プレ「2001年宇宙の旅」の傑作SF
Blu-rayで観賞。
1966年の作品。
その2年前に放送されたテレビアニメ『鉄腕アトム』のあるエピソードが、非公式の原案とされている。
アメリカでの放送がいつだったかは知らないが、映画製作より前であるとこは確か。
この映画には原作小説のような元ネタがないので、この説は否定しきれない。
ただ、アトムの原作漫画にはそのエピソードはなく、過去の手塚治虫の単独作品をアトム用に脚色してアニメ化したものだった。
要するに、手塚治虫はこの映画の何年も前にミクロ化した人間が人体に入り込むアイディアを作品にしていたのだ。
しかも、医学博士としての造詣を持って。
ただ、潜水艇で入り込むアイディアは、後に手塚が別の作品で拝借しており、手塚自身は「お互い様」だと言っている。
アイザック・アシモフの小説は原作ではなく、映画のノベライズ。
SFの大家らしく、映画のいい加減な部分を見事に理屈付けしているので、一読の価値あり。
アシモフは、手塚や藤子不二雄、石ノ森章太郎らが崇拝したSF作家の一人で、『鉄腕アトム』における「ロボット法」はアシモフの『ロボット工学三原則』へのオマージュだ。
そういえば、ウルトラセブンが少女の体内に入って寄生する宇宙人と戦う話があるが、その少女役は松坂慶子だった。
以上、余談。
映画のオープニングはスパイアクション風で、50年代のギャング映画の趣もあって画作りがよい。
秘密の施設は地下にあると相場が決まっている。車が地下へ降りていく特撮は、その後の潜水艇ごと縮小させるシーンと同様に単純な合成だが、うまく使われている。
人体の中の描写は幻想的で、宇宙家族ロビンソンが不時着した怪しげな惑星のように手作り感があって、想像と工夫の粋が発揮されている。
抗体や白血球がクリーチャーとして襲ってくるというアイディアは、手塚の模倣を越えて大胆な表現。
ドナルド・プレザンスは、医師を監視する役目で潜水艇に乗り込むが、閉所恐怖症だったというのは、なんともお粗末。
ラクエル・ウェルチのスウェットスーツが色っぽく、抗体に襲われ呼吸困難で悶え苦しむウェルチの全身から、クルーみんなで抗体を剥ぎ取る場面がなんともエロチックで、テレビの洋画番組で初めて観たときから脳裏に焼き付いている。思春期だった。
時間制限のスリルと、未知の世界の脅威、裏切りのサスペンスと、飽きさせない構成。今となってはやや中弛みな印象はあるものの、物語自体も面白くできている。
最後に、涙の波に押し出されてきたクルーをスライドガラスで受け取る描写なども、面白いアイディアだ。
体内に残してきた潜水艇は、元の大きさに戻る前に白血球が全て消滅させてくれるのか心配なところだが、そこはアシモフの小説が納得させてくれる。
さすがに古いな
面白かった
・現代の医学とどれぐらい違うのか今と相違ないのかわからないけど、人体の一端が楽しく理解できて面白かった。
・白血球が人間を食べたのと音の衝撃波が凄いのとレーザー銃がまさか通信機に使用しているトランジスタで代用できる代物っていうのが面白かった。
・乗組員全員が初対面でほとんど素人で何でこのメンバーが救出に向かってるんだろうと思った。ラクエル・ウェルチに関しては居なくてもよかったような役回りだった気がした。(今では使ってはいけないんだろうけど)紅一点ってだけだったような印象。
・70年代のSF美術が一番好きかもしれない。今観たら画面とか古って思うけど、想像で作られた未来って感じがSF感を凄く感じられて楽しい。あの頃より50年ほど経ってるわけだけど不思議。
・機体がどんどん縮小していく映像がとても良かった。器具の一つ一つが大げさなのも凄く良かった。血塊をあれで取り除けたとして命は助かったのか、水艇?と一人残していったのは大丈夫だったのか?とか疑問があるうちに幕が下りたのが凄かった。
忘れられない!
ミクロ化SFの金字塔
初めて観たときは人体内部に潜航艇で入る突飛な発想、赤血球や抗体の浮遊する血管内の映像に目を見張ったものだった。BSでやっていたので録画して再鑑賞。リチャード・フライシャー監督は深海ばかりか体内まで潜っって見せるのだから監督冥利に尽きるだろう。後に知ったことだが手塚治先生が1948年に「吸血魔團」という漫画で小さくなって肺の結核菌と戦う物語を既に描いていました、さすが医学博士ですね。
もっとも一寸法師や親指トムなど人が小さくなる話は昔からありますし怪獣が年々巨大化するように縮小化も進み最近ではアントマンが量子のサイズまで到達していますからSFの流れとしては普遍のテーマなのでしょう。
「音を立てるな」のシーンではこちらも思わず息を止めてしまいましたが、お約束通りドジな看護婦がやってくれます。裏切り者も割と早い段階からもろばれですし、やはり見どころは医師監修による特撮プロットにつきるでしょう。肺から取る酸素分子の大きさとかリンパ球に食べられた後の潜航艇が元に戻らなかったの何故とか謎はありますがミクロ化自体が不可能を可能にしているので何とでもできるでしょう、ただ蟻さんを潰さなかったのは良いのですが研究所に蟻が出てくることや電子機器の多いところでコーヒーはこぼすし、葉巻は吸い放題なのはお行儀わるくて頂けませんね、劇中でも肺が煙で汚れていると言っているのに砂糖の取りすぎは注意しても煙草はお構いなし。本作に限らず、良い悪いは別として喫煙シーンの多さで時代がしのばれます。
映画的娯楽と現実の扉を開く、人体の旅
ミクロ化や体内の冒険は特撮やアニメでもお馴染み。
『ウルトラセブン』の名作エピソード「悪魔の住む花」や『ガメラ対大魔獣ジャイガー』、『ドラえもん』にもそんな話があった。故・川北紘一特技監督は人間がゴジラの体内に入るという案を考えていたともいう。
本作は、その先駆け。
競争激化するミクロ化計画。
そのキーマンである博士が命を狙われ、脳死状態に。
博士の命を救うには、縮小して体内から治療するしか術がない。
が、ミクロ化の限度は1時間…!
もし本当にミクロ化が実現した場合、医療の現場に導入されるかどうかは疑問である。リスクが大き過ぎる。
これは映画だからこその面白さ!
博士の亡命と暗殺。まるでスパイ映画のようなOP。
ミクロ化実施。設定やメカニックはSF要素充分。
未知なる体内へ。リアルさより原題通り、イマジネーション溢れるファンタスティックな世界。
人体はよく出来ている。異物を排しようと襲い来るスリル。
チームの中に裏切り者が…。疑心暗鬼の密室サスペンス。
治療を成功させ、果たして無事に脱出出来るのか…? タイムリミット・ミッション!
ワクワクハラハラ、娯楽映画の醍醐味がたっぷり詰め込まれている。
確かにリアリティーには欠ける。
一体どういう原理でミクロ化出来るのか説明らしい説明はナシ。
その序盤のドラマ部分はかなりお粗末で、早々と本題へ。
『2001年宇宙の旅』でSF映画が“格上げ”される2年前、全体的にB級チックでもある。
でも、特撮は良く出来ている。
挺の窓から外の光景がどんどん大きくなっていく縮小の描写はユニークだし、何より人体内。
今ならCGと科学的アドバイザーでリアリティーあるだろうが、ビニールやプラスチックなど小道具で再現した人体内の美術や造形は、これぞ特撮!
リアリティーに欠けると言ったものの、劇中登場するレーザー銃などは類似したものが実際発明されてるし、未知なる世界への挑戦やその世界への激化競争は当時の宇宙計画を彷彿させる。
圧倒的なリアルさにも感嘆させられるが、やはりSFはアイデア、イマジネーション!
夢とロマンがあり、時には現実の扉をも開く。
色んな意味で、名作SF!
果たして現実世界で、ミクロ化が可能になる日はやって来るのだろうか…!?
古い!映像も機械設備も何もかもが古い。この50年のあらゆる面での進...
フロンティア
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