マルチプル・マニアックスのレビュー・感想・評価
全2件を表示
ピンクフラミンゴへの道
ピンクフラミンゴへの叩き台の様な内容。この作品をさらにパワーアップして、下品に輪を掛けたのがピンクフラミンゴ。それでも、教会の中でのロザリオ・ファックは強烈である。誰もがやらない、撮らない映画を撮る天才には恐れ入る。タブーを撃ち破り、良くも悪しくも人間性をヒネクリ、皮肉ったかたで作品に仕上げた手腕は誰にも真似は出来ない。全くのオリジナルだ。ある種の清々しさもある。俳優陣はそのままピンクフラミンゴの俳優陣であり、デヴァインは最高の俳優でもある。
ディヴァインよ、あなたはなんと美しいのだ。
新宿のTSUTAYAでVHSのレンタルしてるらしかったが、手を出さずにいて未見のまま新宿TSUTAYAは閉店してしまった。2022年正月k's cinemaでやっと観れたジョン・ウォーターズの初期作。今年はいい一年になりそうだ。
足りない部分が多い映画ではある。エド・ウッドの映画の様な雑さが終始つづく。
ロザリオのシーンとか見所はあるが、中盤くらいまでディヴァインのモノローグがずっと続いて少し退屈してしまった。
学生映画だってもっとマトモな(内容の事ではない)映画を撮れるだろう。
が、
そんな事はどうでもいい。監督もそんな事は気にもしていないだろう。
後半ディヴァインの暴力が爆発してから作品は猛烈に光を帯びてくる。ディヴァインの圧倒的な迫力と荒々しいカメラワークが相乗効果を生み狂気が画面から溢れてだした。
そこからの巨大ロブスターに犯されるディヴァイン。ディヴァインの悲鳴が劇場内に響き渡る。家のテレビで観ていたら音量を下げてしまうでしょう。
ロブスターが去り、高らかに笑うディヴァイン。
なんと美しいのでしょう。
ジョン・ウォーターズのディヴァインに対する愛情が溢れています。
昔ジョン・ウォーターズの本を読んだが、子供の頃から変わり者と周りから疎まれて、8mmカメラをもってはじめて自分の世界を作ったとか(うろ覚え)。そんなマイノリティとアウトサイダーの怒りと哀しみなのかな?私はそんなメッセージをこの映画から受けとりました。
ティム・バートンが『バット・マン』撮ったみたいに、
サム・ライミが『スパイダーマン』撮ったみたいに、
ピーター・ジャクソンが『ロードオブザリング」撮ったみたいに、
ジェームズ・ガンとかとか、、、
ジョン・ウォーターズにビッグバジェットの大作を撮らせたら絶対面白いのが出来るだろうし、もっと評価されると思うんだけどな。そういう事をしない所がジョン・ウォーターズのカッコいいところなんだけど。
全2件を表示