「異端者は排除される世の中への警鐘?それとも当て付けか?」マルチプル・マニアックス カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
異端者は排除される世の中への警鐘?それとも当て付けか?
ジョン・ウォーターズの代表作ピンクフラミンゴは25年程前にリージョン1のDVDを手に入れているが、その時に1度観たきりである。
内容や映像への興味や関心は一切なく、ただ観たという事実が欲しかったためだ。
本作はピンクフラミンゴの2年前に製作された日本未公開の映画だが、何かを期待して鑑賞したわけではなく、冷静かつ論理的思考を持って鑑賞出来るか自分を試すためだ。
ストーリーはあって無いようなもので、悪趣味映像のオンパレード。
自身もゲイであるウォーターズが「そんなに普通じゃないモノに対し眉をひそめるならもっと見せてやろうか」と言わんばかりにアブノーマルでダブーで不快な映像を垂れ流すだけの作品でモノクロ映像であることに救われる。
ディヴァインがシャロン・テート殺害犯は自分だと言ったというくだりがあるが、実行犯のマンソンファミリーの1人と友人関係でもあったというウォーターズにとって極めて私的な映画でもあると言っても良いと思う。
ただ不思議と首を絞め殺したり、ナイフで刺したり、内臓を食したりするシーンはそれほどリアルに表現されておらず、グロさの中でも一定の線引きや好き嫌いがあるように思えた。
良い意味でも悪い意味でも評価すべき映画ではないと思うので星は付けない事にする。
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