「ガーターベルトを着けた竜巻姐さん」マリア・ブラウンの結婚 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)
ガーターベルトを着けた竜巻姐さん
戦中戦後の混乱期からドイツがめざましい復興を遂げた時代に、さらにそれよりも早く激しく時代を駆け抜けたひとりの女性がいた。その名はマリア。
たった1日半の結婚生活で戦地に赴いた夫の帰りを待って駅に日参するマリア。占領軍が進駐し、黒人兵専門のダンスホールやバーが展開。ヒロポン中毒の医者もいる。「肉体の門」みたいな話しで終わっちゃうのかと思ったけど、そうはならない。さすがファスビンダーです。
マリアは美人だけれども、その美貌を武器にして男を騙してやろうといった鼻にかけたところは微塵もないと言ったらウソになるかも知れないが、とにかく大胆な行動や竹を割ったような性格と賢明さは男まさり。男を踏み台にして、さしずめキャリアウーマンを地でゆく展開。彼女は医者や弁護士にも物怖じしないばかりか、積極的に利用しようとする。男性は皆マリアに巻き込まれてしまう。ときには極妻のセリフのような切れのいい啖呵を飛ばし、じつに気持ちがいい。
黒のドレスやガーターベルトがよく似合う。
映画史に残る女性像を作ったニュージャーマンシネマの傑作といわれるファスビンダーの代表作。
1979年制作。丁寧かつテンポもいい。ちょっとびっくり。
これはコメディですね。
マリアの母親もなかなかやり手。
血は争えませんね。
2010年にデジタルリニューアルされた劇場版を鑑賞する幸運に恵まれました。ノーカット、ノーぼかしでした。
彼女が一代で建てた家にへルマンが毎日一本づつ贈る真っ赤な薔薇の花のシーンでひときわリストア感が際立っていたように思いました。
最後、オスワルド氏の遺言書を届けにきた二人。会計士のおじさんに少しも分けてあげんのかい!って思いましたね。
レンジの火でタバコに火をつけるシーンが何度もあって、ライターが切れたときよくやるんだけど、そこが最期のアレになるとはねぇ。そこらへんはニュー○○○○○シネマって感じでした。
占領下でのドイツ製のキャメルってどうゆう意味なんですかねぇ?単に高級品っていうこと?
共感ありがとうございます。
「天使の影」は訳分からなかったので、又ファスビンダー特集してほしいです。「ベロニカフォスのあこがれ」っていうのが凄いと聞きました。