「婚姻についての男女のディスタンス」マリア・ブラウンの結婚 シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
婚姻についての男女のディスタンス
気になっているのに、なかなか観る機会がないまま未見になっている映画ってあるけど、この作品もその一つでした。戦時中から戦後にかけて、敗戦国ドイツで生き抜く女性の強さとたくましさ、いじらしさを丁寧に描いたドラマで感服しました。たった1日の結婚生活の後、戦地で行方不明の旦那を待ちながら、生き抜くためにリアルでドライな選択をしキャリアウーマンとして地位を獲得する姿に、女性独特の現実を直視した強さが感じられます。一方で、婚姻と言う昔ながらの因習のもと、旦那への愛情を決して失わない主人公の姿にジーンときます。男女間の婚姻と恋愛に対する意識の違いは、ある意味普遍的で、日本でも同じようなドラマがありそうだけど、こうは行かないでしょうね。役者では、圧倒的にハンナ・シグラの大熱演が光っていました。おかげで他の男優陣が霞んでしまうようでした。
シネマディクトさん、こんにちは。トミーさんのレビューにシネマディクトさんが書かれたレビューにそうだなあと思いました。ヘルマンのカナダ行きの件です。そして思い出しました。何かで読んだのですが、マリアの上司で愛人が刑務所のヘルマンに面会し、自分が死んだら財産を二人に遺す、その代わり自分が死ぬまではマリアから離れていてくれと提案される、のがファスビンダーの案だったようです。それに対してハンナ・シグラが猛反対したらしく、映画のように(理由は定かでなくヘルマン、カナダへ)なったらしい。シグラはヘルマンを取引男にしたくなかったのかな、と思いました。
共感&コメントありがとうございます。
カナダから戻ったヘルマンは感情の希薄な感じになっていて、修行後と感じました。爆発直前の警告の叫びが空しく、耳に残りました。