「感情移入」真夜中のカーボーイ おまつさんの映画レビュー(感想・評価)
感情移入
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主人公の境遇が自分にかぶさって感情移入してしまう映画ってありませんか?私にとってこの映画はまさにそれなんです。自分の境遇にかぶさるって言っても、私が都会に出てきてジゴロを気取ったつもりが逆に娼婦からお金とられたって体験をしたってわけではありません。私が社会人になりたての頃、理想と現実の壁にぶちあたりもがき苦しんでいるときに観たのがこの映画。相当ショッキングでした。
自信と期待に満ち溢れてNYにのりこんだジョン・ボイト演じるジョー、そこに待ち受けていた辛辣な現実。それを体現するダスティー・ホフマン演じる文無しで脚の不自由なラッツォ。全く状況は違えど、ジョーに起こるひとつひとつの出来事が私にも辛ーく感じられました。
ジョーが夢破れて孤独に打ちひしがれているときに、街中で偶然見つけたラッツォに思わず見せた一瞬の安堵の笑顔、とっても印象的です。
憧れのフロリダに向かうバスの中で死んでいくラッツォ。失望で始まり失望で終わる結末。私は人にも観て欲しい映画を選んでレビュー書いてますが、この映画は誰にもお勧めしません。心がすさみます。でも私にとってはとっても、とっても大切な一本です。
(とは言ってもアカデミーの作品賞受賞作品です、これ。すごい時代だったんですね)
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