「"Newport Jazz Festival"」真夏の夜のジャズ 万年 東一さんの映画レビュー(感想・評価)
"Newport Jazz Festival"
十五年くらい前に背伸びして映画館で鑑賞、また映画館で観られるとは、再度背伸びして二度目の鑑賞。
初鑑賞時、ルイ・アームストロングを知る位で有難いかなチャック・ベリーも登場で一安心、二度目の鑑賞も知識は変わらず、敷居の高いジャズってイメージのまま成長出来ない情けなさ。
だが変化は大有りで、二十代と三十代で観た違いは明らか、序盤のジミー・ジュフリーからジェリー・マリガン、ジョージ・シャリングと鮮明に残る演奏場面、圧巻の歌唱力が素晴らしいアニータ・オデイなど今の時代でも新しい、チャック・ベリーの「Sweet Little Sixteen」が古き良き時代の音楽でしかない存在に、どの時代で聴いても鳴っても斬新でテンポ良く速い進行に変拍子を駆使したジャズの素晴らしさ、ロックンロールを凌駕するジャズメンたちの演奏に酔いしれるのみ。
改めてサッチモの偉大さ、セロニアス・モンクの佇まい、ドラマーながら中心にいるチコ・ハミルトンなど音楽を含めた魅力にどっぷりとハマれそうな気が。。。
楽しそうだったり気怠そうだったり色々な表情を見せ優雅に過ごす人々、疎に映る黒人もチラホラと、ドキュメントよりは記録映画として字幕いらずな、写真家としての手腕が発揮された監督のバード・スターン、ハリウッドが作らなかったアメリカの芸術としての素晴らしいジャズを楽しく描いた映画。
旧チネ・ラヴィータにて初鑑賞。
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