劇場公開日 1995年9月15日

「愛の激流」マディソン郡の橋 カールⅢ世さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0愛の激流

2023年10月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

全然イタリア系には見えないメリル・ストリープを起用(オファー)したイーストウッド。その時点でもうあやしいなぁと思うんたけど、アイオワの田舎の素朴な専業主婦の感じはモニカ・ベルッチじゃ無理だもんな~なんて考えてしまいました。
激情にまかせるシーンも含め、とにかくフランチェスカ役のメリル・ストリープが素晴らしい。
同じころに激流なんていう川下りサバイバルクライムアクション映画にスタントなしで出ていた彼女。すこし贅肉を気にする中年女性の役つくりといい、この映画ではみずから筏を漕ぎだしたとはいえ、愛の激流におぼれながらも、最後には必死に堪える彼女の演技に、私はのみこまれてしまいました。
それの話しにからむ兄妹の会話もたまりませんでした。
大人になったんですね。
大人になった子供には知って欲しかったと言うフランチェスカの気持ち。世界中を放浪するナショナルジオグラフィックの写真家との本気の恋。
そんな気持ちがわかる齢にいつのまにかなってしまいました。
ずぶ濡れのイーストウッドのシーンはなんかズルい感じがしましたが、妻の涙を見たら、旦那だって気づかないわけはないですよね。家の中がタバコ臭かったり、知らないビールの空き瓶があったり、ブランデーが急に減ってたり、加齢臭臭いシーツ洗濯したのか?とか気になってしまいました。そのへんは、女性はぬかりないかとはおもいますが。
町で噂の的だったルーシーと急に親友になったりするのはちょっと違うなぁと思いましたが、たぶん寂しかったんでしょうね。

うちの嫁もずいぶん前から散骨を宣言しています。振りかえればその辺からもう・・・、な気がします。
しかし、「間男」の遺骨と一緒に橋の上から散骨してくれって、頼まれた子供はさすがにいやな気持ちでしょうね。

カールⅢ世