「普遍的な笑い」街の灯(1931) penguinさんの映画レビュー(感想・評価)
普遍的な笑い
制作時、チャップリンは42歳。コメディって「8時だよ、全員集合」のドリフターズもそうだったけど、体力勝負なところがあるよなー、と思う。
Wikipediaによると87分の映画だけど製作に3年を要した。盲目の花売りの女性の最初の出会いのシーンだけで1年以上かけて撮り直しとは、ほんと、周りの人も大変だったろうなぁ。
アートショップの前の道路でチャップリンが、工事中の道路の穴に落ちそうで落ちない、を繰り返すぎりぎりの面白さ、そのあとに下からせり出した来た男が最初身長が分からなかったけど実は大男だった、酔った金持ちが酔った時にしか友達としてのチャップリンの記憶がない、ボクシングの試合会場でのやりとりなど、普遍的な笑い。計算されてるよなー、って思う。そして何回これをカメラの前で繰り返したんだろうってことも。男性が自殺を止めるシーンは特に大変だったろうね。何回ずぶぬれになって撮り直したんだろう。
日本では体形や見た目をお笑いのネタにするのが多い。でも最近アメリカではそれは時代遅れになってきているそうな。なんでもアメリカが良い、とは言わないけど、結果的にそういう流れになっていくんだろう。そうすると本来の笑いのセンスだけでの勝負が必要となってくる。本来の笑いとはそうあって然るべき。チャップリン映画を見てそう思った。
コメントする