「いつ観ても泣ける」街の灯(1931) kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
いつ観ても泣ける
不況の波は弱者に厳しい。チャーリー本人と、祖母と二人暮しの美少女。そして対照的な存在が、自殺を思いとどまった金持ち。彼の存在は金持ちに対する風刺とユーモアにあふれている。
少女との出会いのシーン、車のドアが閉まる音と少女が彼を金持ちだと勘違いする。300回も撮りなおしたという有名なシーンだ。その他、全てのエピソードにチャップリンの完璧主義者を思わせる絶妙なタイミングが散りばめられている。金持ちの自殺のシーンは、その後のコメディで多く取り入れられているくらいコメディアンにとっての基本のような構図。ボクシングで笑わせるシーンは大好き。車をもらって金持ち風になったのにシケモクを拾うために男を追いかけるところも秀逸。貧乏臭さが漂っています。
ラストは、サイレンス映画なのになぜここまで心に訴えてくるのか・・・何度観ても、自然に涙が出てきます・・・
コメントする