「【ムネアツなる勧善懲悪アクション映画。今作は練り込まれたストーリー展開に破綻なく、フェンシングの決闘シーンを軸にした数々のアクションシーンの迫力とヒーロー&ヒロインの恋も絡めた娯楽大作である。】」マスク・オブ・ゾロ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【ムネアツなる勧善懲悪アクション映画。今作は練り込まれたストーリー展開に破綻なく、フェンシングの決闘シーンを軸にした数々のアクションシーンの迫力とヒーロー&ヒロインの恋も絡めた娯楽大作である。】
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・製作総指揮、スティーブン・スピルバーグ。監督はマーティン・キャンベル。トリプル主演は、アンソニー・ホプキンス御大、今やイケオジ、アントニオ・パンデラス、美しさと気品が尋常でないキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。
何故に、私はこの作品を知らなかったのだろうか・・。
・悪徳なるスペイン人総督、ラファエル(スチュアート・ウイルソン)に対し、メキシコの民の為に立ち向かうゾロの黒覆面を被ったディエゴ(アンソニー・ホプキンス)の華麗なる剣捌き。
彼は総督の首にZの傷を付け、二度とこの地に帰るな!と言い残し、喝采の中家に帰るが、追って来たラファエルにより、妻を殺され、娘を連れ去られ、自身も囚われの身に。
・20年後、ディエゴの活躍を見ていたアレハンドロ(アントニオ・パンデラス)と、兄ホアキンは賞金を懸けられたお尋ね者になっていたが、アメリカ人のラブ隊長にホアキンは殺される・・。
■と言う所からのスピード感溢れる怒涛の展開に、一気に引き込まれて行く。
・老いたディエゴが、アレハンドロに眼を付け、厳しく剣及び品格を身に纏うように鍛えて行く様。まるで、ジャッキー・チェンの「酔拳」のシーンを見ているようである。
・アレハンドロは、若きゾロとしてディエゴの指示の元、ラファエル率いるスペイン人達に立ち向かう。そして、出会った美しく成長したディエゴの娘エレナ(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)だが、彼女はラファエルの娘として大切に育てられていた。
ー で、当然、二人は恋に落ちて行くのであるが、その様が熱いタンゴを踊るシーンであり、剣を交えるシーンであり、実に上手く描かれているのである。-
・ラファエルとエレナの親子として、お互いに認識するシーンも、名優同士であるから見所である。アンソニー・ホプキンス演じる父が娘を見る愛おし気で優しい眼。
<ラストのラファエルがメキシコの民を奴隷のように使っている金鉱山のアクションシーンも素晴らしい。アレハンドロは、兄を殺したラブ隊長と激しく剣を交えるが、見事に兄の仇を打ち、ディエゴもラファエルを、金が詰まれた荷車と共に断崖へ突き落とす。だが、ディエゴはラファエルにより撃たれた事でエレナの腕の中で息を引き取る。
時は流れ、アレハンドロはエレナと結婚し、幼子の息子も生まれている。そして、アレハンドロは、優しい目で息子に”ホアキン”と呼びかけるのである。
今作は、ムネアツなる勧善懲悪アクション映画なのである。>