マクベインのレビュー・感想・評価
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硬派に徹したリベンジマッチ
ベトナム帰還兵ものと言うのでランボーの亜流かと思ったが、ヒーローは一人でなくベトナムでの戦友たち、処刑寸前のところをサントスの部隊に救出され誰もが恩義に感じていたので、コロンビアのクーデターで死んだサントスの弔い合戦に集まることになる。
90年代と言えば麻薬と圧政の象徴のような国コロンビアを舞台とし、手をこまねいているアメリカ政府を虚仮にするようにベトナム帰還兵が一肌脱ぐ、暴力性をカバーするようにサントスの妹をジャンヌダルクに見立ててのクーデター、受けた恩義は命がけで返すと言うまるで日本の任侠モノのような単純明解さ、大義はあるから戦争映画として成立してしまう巧妙さは上手いプロット。
また、仲間のキャラクター設定も秀逸、戦闘担当だけでなく富豪の武器商人や医者、パイロットまでスペシャリストを上手く構成、唯一の護衛戦闘機の若きパイロットの父親もベトナム繋がりの縁と言う分かりやすさ。
かってベトナムで農民たちを無差別殺戮した米軍だがコロンビアでは麻薬カルテルが農民を襲撃、ヘリコプターの様は地獄の黙示録の借景にも見える、ベトナム帰還兵が農民の側に立つのはまるで贖罪にもとれる。
ジェームズ・グリッケンハウス監督は会話よりアクションを好む作風の人だから空中戦まで交えたノンストップアクションはサービス満点、やたら死人が出るのは辛いところだが、余計な色事も交えず硬派に徹した痛快リベンジマッチでした。
ミスキャスト
ベトナムでの戦友の遺志を受け継ぎ、コロンビアの独裁者を打倒を目指す帰還兵達の闘いを描く物語。
クリストファー・ウォーケン主演のミリタリーアクションです。正直言えば、この俳優はアクション映画の主演は不向きのように感じられます。アクション自体出来るようにみえませんし、所謂「見栄え」がするタイプでもありませんし・・・何故、彼が配役されたのか不思議に思います。
映画は、独裁者打倒がテーマ。ベトナム戦争の描写から、戦友のクーデター失敗等を順序だてて描写していきます。良く言えば分かり易く、悪く言えばメリハリがありません。
結果、メインテーマの独裁政権との闘いには時間が残されておらず、拍子抜け。戦闘シーンのアイデアにも乏しく、また、この時期のハリウッドではお金をかけた仕掛けも期待出来ません。
それらをカバーする主演が、前述の通りミスキャストに感じられるのですから、私的評価が低くなるのも仕方がないように感じます。
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