マイ・レフトフットのレビュー・感想・評価
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タイトルなし
【"知的障害者の回想" 】
-公開当時、クリスティ・ブラウンを演じたダニエル・デイ=ルイスの脳性麻痺者の凄みある演技に映画界が、驚いた作品。-
・クリスティが幼き頃、知的障がい者だと思っていた両親、多数の兄妹の前で"左足"で床に書いた"MOTHER"。
-当時の障がい者の方々の社会的認知度が分かる。-
・コール先生と出会い、絵の素質を見いだされ、密かに恋心を抱くクリスティの姿。
-人間だから、恋をするし、嫉妬もする。かなり、ストレートな表現だけれども・・。-
-クリスティの自伝が売れ、800ポンドを母親に恥ずかしそうに、けれど誇らしげに贈るシーンは良いなあ。-
〈障がい者を題材にした嚆矢的作品。
二十数年後に、「博士と彼女のセオリー」が公開され、主演のエディ・レッドメインも又、オスカーを受賞したのは、巷間が知る通りである。〉
「愛してる」と「生きるべきか死ぬべきか」
オスカー受賞のダニエル・デイ・ルイス。車いす生活を取り入れてクリスティ・ブラウンに成りきったという演技は怖いくらいに素晴らしい。生きているだけで奇跡のような脳性麻痺。かけがえのない家族の愛情、コール医師の愛情、子沢山で貧乏暮らしなのに愛に溢れている家族が微笑ましい。特に絵を描かなくなったために、クリスティだけの部屋を作ろうと家族でレンガハウスを建てるところがいい。
作品としては細かなエピソードがてんこ盛りなので、置いて行かれそうになるほど。最も印象に残るのは小さなベッドに大人になった兄弟が4人寝ているところだとか、アイリーン・コール(フィオナ・ショウ)に惚れてしまったけどレストランで結婚宣言されて癇癪を起したところ。その失恋によって開き直ったのか、コンサートの控室では看護師メアリーを口説く、口説く、口説く・・・
左足一本で描く絵画が暗い色彩ながらもとても奥が深く、その人の心が滲み出てくるような人物画なのです。障がい者に対して偏見を持つ人も登場するけど、そうした人もいることを全て受け入れているかのような心。現代ほど優しくない社会状況も伝わってきました。
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