マイ・ルーム

劇場公開日:1997年2月8日

解説

白血病で余命いくばくもない女性をめぐり、長年絶縁状態だった妹とその家族の再会と新しい絆を描くヒューマン・ドラマ。舞台演出家スコット・マクファーソンの原作戯曲に惚れ込んだ「ヒート」「ザ・ファン」の俳優ロバート・デ・ニーロ(自身も脇役で出演)が、自身の製作会社トライベッカを中心に、「ザ・ファーム 法律事務所」のスコット・ルーディン、「ブロンクス物語 愛につつまれた街」のジェーン・ローゼンサルと共同で製作。監督は四度のトニー賞受賞歴を誇るブロードウェイの演出家ジェリー・ザックスで、彼の監督デビュー作。脚本はマクファーソン自身が執筆したが、撮影開始を待たず95年エイズで死去した。撮影はポーランド出身で、クシシュトフ・キェシロフスキ作品で名をあげた「身代金」のピョートル・ソボシンスキ、音楽は「ピノキオ」のレイチェル・ポートマン、美術はデイヴィッド・グロップマン、編集はジム・クラーク、衣裳は「12モンキーズ」のジェリー・ワイスがそれぞれ担当。出演は「マディソン郡の橋」「判決前夜 ビフォア・アンド・アフター」のメリル・ストリープ、「ゴッドファーザー」「花嫁のパパ2」のダイアン・キートン、「太陽と月に背いて」のレオナルド・ディカプリオ、「コクーン」「カミーラ あなたがいた夏」のヒューム・クローニン、「コクーン」のグウェン・ヴァードンほか。

1996年製作/99分/アメリカ
原題または英題:Marvin's Room
配給:松竹富士配給(松竹=アミューズ=デジタル・メディア・ラボ提供)
劇場公開日:1997年2月8日

あらすじ

母子家庭で手に職をつけるため、美容師をめざして美容学校に通うリー(メリル・ストリープ)のもとに、長男ハンク(レオナルド・ディカプリオ)が家に放火して家出したという知らせが入った。ハンクは生活に追われ子供を顧みる余裕のない母親と心を通い合わせることができず、鬱屈した日々を送っており、唯一愛情を感じることができるレーサーだったという父親の写真だけ残して家に火をつけたのだ。ハンクは精神病の施設に入所し、リーと次男チャーリー(ハル・スカーディノ)は修道院に身を寄せる。そこへフロリダに住む姉のベッシー(ダイアン・キートン)から20年ぶりに電話が。自分は白血病に冒されており、親族からの骨髄移植だけが唯一の希望だと言うのだ。リーは反抗的なハンクを施設から連れ出し、家族そろってフロリダへ。ベッシーは結婚もせず、父マーヴィン(ヒューム・クローニン)と母ルース(グウェン・ヴァードン)の面倒を見ていた。父は寝たきりで痴呆状態、そんな家族を見捨てて家出したリーとの間には複雑な感情がある。母を嫌い、反抗的だったハンクだが、ベッシーの誠実な優しさに次第に心を開いていく。最初は骨髄移植の検査を受けることを拒否していた彼は、主治医のウォリー医師(ロバート・デ・ニーロ)の検査で母と弟が不適合だと知り、自分も検査を受ける。リーはベッシーとハンクの信頼関係に嫉妬を感じ、姉妹はお互いの感情をぶつけあうが、やがて打ち解けた。ベッシーは自分の初恋を語り、リーは姉のかつらを洒落た髪形にカットした。一家はディズニー・ワールドへ。リーは感情に任せて、いつまでも母より父を慕うハンクに、彼の父親がハンクを虐待したことが離婚の理由だったと明かしてしまう。ところがベッシーが突然発作に襲われ吐血して倒れる。その晩、ハンクはベッシーに置き手紙を残して家出。母の自分ではなく、姉に宛てられた息子の手紙を見たリーは無力感に襲われながらも、姉に心配をかけまいと手紙を隠す。そこへハンクが帰ってきた。ウォリー医師から電話があり、残念ながらハンクも不適合と告げた。だが死の不安を越えて和解した家族は父の部屋に集まる。ベッシーはいつも父を喜ばせるためにやっているように、鏡に太陽を反射させて壁に光を舞わせる。その光の中で、家族は新しい絆を見つけようとしていた。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第54回 ゴールデングローブ賞(1997年)

ノミネート

最優秀主演女優賞(ドラマ) メリル・ストリープ
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映画レビュー

4.0 各々が違う幸せを。

2025年10月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

悲しい

たとえ体が思うように動かず、記憶がまだらになっても
一緒に光の行方を追って、その輝きを感じることが
できたら。
笑いあえたら。

本作はダイアン・キートンの映画なのでもちろん劇場でも観たしDVDも購入した。
でも辛い内容なので合計2回しか観ていない。
ダイアン・キートンにメリル・ストリープにロバート・デ・ニーロに、若く美しいディカプリオまで演技合戦しているのに、観るのが辛い映画なんて。
(問題になる前のミラマックス作品、攻めている。
こんな辛い映画を創れるなんて。
ある意味、凄い。)

久しぶりにダイアン・キートン追悼で観た。
直視できなくて我が家のワンコのハロウィン衣装の直しをしながら観た。
(今年の衣装はスーパードッグ「クリプト」の赤マントで映画『スーパーマン(2025)』のようにブイブイ活躍する予定である。)
だが、やはり後半は涙が止まらず鼻水も全く止まらず、
とうとうエンドロールが終わっても泣いていた。
さすがの演技人たちである。

胸にくる、とか、感動する、とか、
もう何か違う、
命の次元というか、せつない、とか、それだけじゃない
辛くて笑うしかない
という、やりきれなさに、
それでも生きている微笑んでいるというラストシーンを
忘れることができない。

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共感した! 2件)
なかじwithみゆ

3.0 テーマの表現が中途半端に思える

2025年2月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 ディカプリオ主演の家族を主題にした映画と言えば『ギルバート・グレイプ』『ボーイズライフ』がある。どちらも好きな作品なので、同様の主題の今作を鑑賞。だが、いまいち焦点を絞れていないストーリーで、期待を下回った。

 今作のテーマは『家族の再生』なのだろう。だが、姉妹の間にわだかまりは存在したものの、最初からそこまで悪い関係では無い。ストーリーの進展に伴い親子の関係が特に改善する訳でも無い。ディカプリオ演じる息子のハンクは叔母との出会いで自分の人生を見つめ直すきっかけとなったようだが、特に更生した様子でも無い。本音をぶつけ合う機会にはなったようだが、結局、疎遠だった家族と何となく再開しただけの話に思える。そのため、温かみは感じるストーリーではあったが、テーマの表現が今ひとつに思えた。

 それから、せっかくディカプリオが出演しているのに、彼の魅力が活かしきれていない気がする。どちらかというと、叔母役のダイアン・キートンと母親役のメリル・ストリープの比重が大きく、彼の扱いが中途半端に思えた。

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根岸 圭一

4.0 本音で話すこと

2024年6月16日
iPhoneアプリから投稿
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3.0 メリル・ストリープとダイアン・キートンの演技が心地よい

2024年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

幸せ

 シングルマザーのリーは二人の息子を養っていたが、長男ハンクは反抗的。そんな時姉のベッシーが白血病と知り、絶縁状態だった実家に20年ぶりに帰る。ベッシーは父と叔母を介護していて、リーらを歓迎。ハンクはベッシーに心開いていくが、姉妹は本音で言い合ったりしてしまい。
 ケンカもあるけど、穏やかな気持ちにさせてくれる作品。特に、メリル・ストリープとダイアン・キートンの演技を見ていると、心地よい気分になります。頼りないんだか有能なんだかわからない医師演じるデニーロも良い。ただ、あまり印象に残らない作品かな。

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sironabe