「黒幕の描写が惜しい」マーキュリー・ライジング きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
黒幕の描写が惜しい
まず、設定がわくわくものでした。
パズルの天才である自閉症の子供が、偶然にも国家の開発した暗号を解いてしまったことから始まる物語。
つかみはとっても良かったです。
粗野な風貌のおじさんと子供の組み合わせがもうね、好きなんですよ。
今作では子供が自閉症で、知らない人と話さないよう両親に教えられているため、コミュニケーションをとるのにだいぶ苦労していましたが、だからこそ少しずつ打ち解けていく様子が良かったです。
ただ、打ち解けるのもわかりやすい描写がもう少しあった方がよかったと思います。
お母さんの代わりにココア?のようなものを入れてあげる場面、切ないけど好きなシーンです。
あとは、アートも友達って言って聞かせようと奮闘するシーンもかわいらしくて和みました。
子役のミコ・ヒューズくん、自閉症の演技が見事。
明後日の方向を見ているようなぼーっとした視線や仕草、暴れる様子も素晴らしいです。それに加えてかわいらしい。
ブルースウィリスも個人的にすごく好きな俳優さんです。
今作もタフな役で、血を流す姿が様になっています。それに対して優しい微笑みがとてもいい。
主人公の同僚のトミーや、ディーンといった脇役のキャラも良かった。
しかし全体としては盛り上がりに欠ける印象。
黒幕の描写が少なく、その強さや凄味がいまいち伝わってこない。そのため、ラストバトルもそこまで盛り上がりません。一番わくわくしたのは序盤かも。
とはいえ、途中でダレることもないので普通に楽しめる作品だと思います。
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