ホワイトハンター ブラックハートのレビュー・感想・評価
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共感出来ない主人公
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クリント扮するハチャメチャな映画監督が主人公。
民衆に媚びて民衆受けする映画なんて作りたくないと思っている。
また映画の興行的な成功なんて二の次。自身の満足のため映画を作る。
この監督がアフリカで映画を作ることに拘り、それ以外なら降りるという。
こうして強引にアフリカでの撮影が実現した。
が、身勝手な監督は、象狩りに浪漫を感じそれにハマり込んでしまう。
いつか最高の牙の象を狩る事を夢見て、撮影など放ったらかし。
脚本家やプロデューサーが止めようとするが全く言う事を聞かない。
現地で雇った青年を可愛がって共に下見三昧の日々だった。
やがて雨季に入り、撮影は遅々として進まなくなる。
ようやく雨が上がったが、監督は反対を押し切って急に象狩りに行く。
200回象を狩ったとかいう猛者が危険だと言う中、強引に狩り敢行。
現地の青年が象に突き殺されて死亡。
現地人達の村に戻るが、知らせを聞いた現地人達は一斉に歌う。
ホワイトハンター ブラックハート(白人ハンターの心は邪悪)
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クリント映画は好きなのだが、好きになれない作品。
監督の気持ちが理解出来なさ過ぎて退屈な映画だった。
やはり主人公に感情移入出来ないってのはツラい。
まず、何故象を狩るのか?可哀相とか思わんのか?
まあアメリカ人は狩猟民族なんでワシらとは考え方も違うだろうが。
そして何より理解できないのが、撮影を一切やらないこと。
自分勝手な理由だけで。滞在費も半端じゃないだろう。
一体何を考えているんだか。
何でこんな映画を撮ったのかと思って調べて見たら、
実話に基づいた作品だった。
実話がベースになると、得てしてこういうつまらん映画になる。
イーストウッドと猿
『アフリカの女王』の結末は好きではないけど、最初から企んでいたことだったんだな~観客に媚びたら負け。映画監督は神である!と。主人公は最後に船の爆破により死んでしまう・・・当該映画を未見の人はネタばらしされて困惑してしまうだろう・・・これもイーストウッド流なのか。
なかなか本題に進まないが、中でも“寝たい”と思った美人がユダヤ人にたいする人種差別主義者であり、その後にホテルのウェイターが黒人差別をしてケンカするエピソードがなんとも言えず、監督の気概を感じて嬉しくなってしまう。脚本家のピート(フェイヒー)がユダヤ人であったためもあるが・・・
それにしても『アフリカの女王』よりはずっと面白い。こんなエピソードがあったのならもう一度見直してみたいものだ。信頼を置めに象に立ち向かいていたコンゴの現地人キブが最後にはハンターであるジョンたちを守るたって死んでしまう。これがかなりショッキング。彼の死によって映画を撮る決意・・・遅いんだけど。
猿と縁のあるイーストウッド。俳優やプロデューサーを迎えるディナーでも猿を抱えていた。
『アフリカの女王』の裏話
総合70点 ( ストーリー:60点|キャスト:70点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
主演のハンフリー・ボガートがアカデミー賞を獲得し、監督のジョン・ヒューストンも監督賞の候補に挙がった『アフリカの女王』だが、映画製作そっちのけで象狩りにばかり熱中するジョン・ヒューストンには不満が積もっていたと聞く。この映画は『アフリカの女王』の裏話として、その象狩りにのめり込むヒューストンのことを基にして描いているのだが、無責任でいい加減だけど才能も男気もあって冒険好きで、アフリカ旅行ではしゃぎまわる彼は、いい意味でも悪い意味でも子供のよう。
この監督の出鱈目で思いつくままの行き当たりばったりの行動を描くだけの物語は、実に他愛も無いものに過ぎなくて、普通ならばただくだらないだけでそれがどうしたとなるところ。だけどなんとなくこの作品は嫌いではなかった。もし自分が彼の関係者ならば惨劇だが、そのような描き方は滑稽さと皮肉があって、視聴者として傍観しているぶんならば彼は面白みがある。なんだかんだいってこんなことが許されてしまうというおおらかな時代の映画界も垣間見ることも出来た。もっとも実際の現場はもっとひどかったのだろうし、恐らくたくさんの動物も殺されているのだろうが。
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