「東京オリンピックの前に是非チェックしておきたい陸上映画の傑作」炎のランナー ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
東京オリンピックの前に是非チェックしておきたい陸上映画の傑作
東京オリンピックまであと残り1年を切った今、ぜひ見ておきたい一作。製作者デヴィッド・パットナムは当時、クールでエレガントな作品ばかりがひしめく英国映画の現状に反旗を翻し、逆に主人公の熱い情熱が伝わる作品を作ろうと努力を続けていた。そんな中で「安息日のレースへの出走を拒否した牧師ランナー」のエピソードを知り、これぞ映画にすべき題材と詳しく歴史を掘り起こし始めたのだという。
1920年のパリ・オリンピックにおける英国勢の活躍を描いた本作は、この布教のために走り続ける牧師ランナーを描くと同時に、ユダヤ人としての差別にも臆することなく誰よりも勝利を追い求めたもう一人のランナーにも焦点を当てる。いずれも史実として面白く、キャストの演技や体の動きも素晴らしい。そして何より、オリンピックという舞台が、様々な出自や宗教や文化を持った人間たちが一堂に集う場であることを教えてくれる傑作ヒューマンドラマである。
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