ポネットのレビュー・感想・評価
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ポネット思い出話
実は「ポネット」を観るのは2回目で、初めて観たのは公開当時だった。四半世紀以上前のことだが、ある意味思い出深い出来事だったので、今でもよく憶えている。 残念ながら「よく憶えている」のは映画の内容ではなく、自分と自分を「ポネット」に誘ってくれた大学生のことで、よく考えれば当たり前なのだが、当時の我々は「ポネット」を鑑賞し、映画の内容を咀嚼するには若過ぎたのだった。 当時の映画館は指定席などレアな存在で、大概は入場券を購入し、入場順に座席を選んで座るスタイルだった。 「ポネット」はいわゆる単館系の映画で、わざわざ東急文化村シネマまで出掛け、上映2時間前に到着したにも関わらず立見が確定していた。そう、当時は小さい映画館では立見も当たり前であった。 曲がりなりにもデートのつもりだったので、高いヒールで待ち時間プラス上映時間の4時間強を立ちっぱなしはあまりにもしんどい。結局その日は揉めに揉めた挙げ句、映画館も映画も変更。後日改めて「ポネット」リベンジでどうか?ということになった。 後日。公開終了直前になってしまった事もあり、更に早く4時間前に出掛けて、それでも着席はギリギリ。大喧嘩に発展する事態だけは避けられたが、そんなにみんな「ポネット」が観たかったのだろうか。正直言うと私自身はそこまで興味がなく、なんでここまで苦労して「ポネット」を観に来たのかもよくわからなかった。 実際、今回観直すまでポネットちゃんが「ママ、ママ」と泣いていたことくらいしか覚えていなかったし(大まかに言えばそれであってるのだが)、他ならぬ「ポネット」鑑賞に並々ならぬ決意を持って挑んでいた(ように思えた)同行者の感想も「ポネットちゃん、可哀想だったね」という小学生並みの一言であった。一日の25%費やしてそれかよ! と、まぁそんなわけで2回目の鑑賞も別にそこまで観たかったわけじゃないのだが、もう大分イイ大人になってから観ると、ただポネットちゃんが可哀想な映画ではなく、10歳に満たない年頃の子供だけが持つ世界と大人の世界の境界に翻弄されるポネットと、彼女の父親の愛情を示す映画であった。 初めて観た時はチョロっとしか出て来ない父親の存在など、ほとんど意識してなかったように思う。 また、ポネットがママともう一度会いたいという気持ちで、必死に色々と努力していることもわかっていなかった。 何しろポネットがママと会うための努力、というのが神の子になるための試験だったり、ママが復活するための呪文だったりと、かなりイマジナリーな世界で行われるからだ。しかし、思い返してみれば、あれくらいの年頃の時、我々も現実世界とイマジナリーな世界を自由に行き来していたのではなかったか。 横断歩道の白い部分、花壇の縁、公園の飛び石、大きな木の上、滑り台の下やジャングルジムの天辺、そこかしこに天国や地獄や洞窟が見えていなかったか。鬼ごっこの最中に、自分が本当に鬼の子どもになってしまった気がして、不安に駆られて泣いたりしなかったか。 そんな年頃の少女に、「死」という概念は難しく、また「祈っていれば会えるわ」という言葉はメタファーでも慰めでもなく、直接的な助言にしかならない。 「ポネット」ではほとんど大人の出番がなく、子供たちだけのシーンで、子供たちだけが見える世界の話をしている。なのに視覚は完全に現実世界だ。 だから、現実に見えている景色の中にポネットやデルフィーヌやマチアスやアダたちが見ている世界を脳内再生出来ないと、彼女の気持ちを理解することなど無理なのである。 そして、子供たちの気持ちを無視して、大人の流儀で母親の死を慰めようとしても、ポネットには届かない。 そんな中で唯一ポネットの父親だけは、比喩や気休めではなく現実に起こった出来事の話をし、ポネットにとっての現実についても否定しなかった。 幼いポネットに対して、彼女の人格を認め真に向き合った父の愛を確認できたことは、「ポネット」に関する様々な出来事の中で一番良かったことかもしれない。
このバカ親は果たして、成長したのか 『タリタクム♥』
ネタバレありあり!でも、ネタバレされても、この映画は何回でも感動できると思う。
ちょっとたけ笑う事を忘れた女の子の話。
『楽しむ事を学びなさいって』
いい笑顔とまでは言えないが、不安を抱えながら、ポネットは父親に向かって、笑顔を作る。そして、同じ事をもう一度言って映画は。
父親の返す言葉が無いのは、ポネットが自らの力で自立したと言いたいのだ。少女にとっての地獄の様な終末を、少女は一人で乗り越えたのだ。
少女は自立したのだ。
しかし、
少し長すぎる。女の子だから、男の子と違って、もっと早く悲しみは乗り越えられると思う。その点がこの監督が男である事の男目線な所だと思う。
そして、
困難な事を乗り越え、何事もなかった様に振る舞い、満面の笑顔を振りまく少女の姿を、最後は見たかった。
この父親の行動は、ポネットが母親から離れられない原因を作っていると思う。
『お前はパパと同じ世界にいるんだ。そんな事考えると、いつまでも悲しいぞ』
その言葉に返す少女の言葉が
『怒ることないのに』しかし、バカな父親は
『馬鹿な事をしなけりゃ怒らない』
少女の胸が潰れる。
この少女に投げかける言葉ではない。演出家はアイロニーとして描いているが、現実に立ち返った時、このバカ親は果たして、成長したのか?と考えてしまう。
追記
フランス映画だけあって『禁じられた遊び』をリスペクトしているね。
追追記
少女のギブスに父親は犬の絵を書いてあげる。微笑ましい場面だが、僕はその絵を見て、ポネットと同じ思いを持った。ポネットは終始この絵と時計は見ない。
ポネットを救ったのは、ちらほら出てくるガキや全能の神を信じる少女やキャンディーじゃない。そして、何故?母親に会えないか?つまり、怖いから。だって、怖いから、人形を母の棺に入れる事すら拒んでいた。だから、最後に、彼女は勇気を出して、母親に合うために旅へと出た。お気に入りのリュックを背負って。その中には赤い防寒用のセーターが入っていたはずだ。自らの意志で入れた赤いセーターが。
子供の目線を描ける大人ってどういうことなんでしょうか?
フランス人は強いというイメージを裏切らない。 父親がまず、強い。 ハッキリとした物言いは清々しい。 こうやって凛々しいパリジェンヌが形成されていくのかしら。 これ、演技ですか? 子供達の会話のシーン、どうなってるんでしょうか。 荒唐無稽な内容でも成立する会話や、ちょっとエッチなやりとりとか、ほんとリアル。 台本、脚本どうなってるんでしょう。 子供達に勝手にやらせて、自然に撮ったような。 そして、服がとても可愛い。 フレンチ定番のベーシックなものなので、1996年の作品でも全然古くない。 ざっくりしたニットも襟の形がかわいかったり、グレーやブラウンも色味がキレイだったり。グリーンのニットにジャンパースカートとか。今でもナチュラルテイストのお店で毎年並ぶようなもの。 自分も確かに子供だった頃があって、 ある時までは、この子供心はずっと忘れちゃいけないと思っていて、面倒を見るのも好きだったはず。 それがいつの頃からか、神聖すぎて触れ難くなってきました。 色んな意味で子供や動物は先生だと思っているのですが、透明で純粋なパワーでこちらの汚れが見透かされてしまう気がするのかもしれません。 ***** ここからはまた脱線。 算命学や四柱推命では、十二運星といって、胎児期、成長期、青年期、熟年期などを経て、絶命するまでの期間を十二パターンに分けて性質を捉えます。動物占いの12種もそれに当たります。 監督たちの十二運星がなんなのか気になります。 Eテレや、子供向けの商品を開発する人たちも気になります。 自分も子供性があるから理解出来るのか、達観してるから出来るのか。そもそもそんな共通点など全く無いのかもしれませんが。。 今のところ気学で見ると、映画人や漫画家さんは本質に女性星を持つ人が多いです。 何かを通じて間接的に表現する人は、調和や支えといった女性力で、主役達を輝かせるのかもしれません。
ドキュメンタリー??…
と思うほど、子どもたちの演技が自然過ぎる。母親を突然亡くしてしまった4歳児にとっては大人たちのいい加減な慰めや、子供たちの迷信によって、余計母親への想いを強くしてしまう。仕事なのか、父親がそばにいてやれないのが一番悪いのだが。やっぱり母親本人が出てきて説明するのが一番。信じたご褒美かもしれない。しかし、期待しただけに私には単調過ぎる感じがした。
公開時から観よう観ようと…以下略
そう思い続けて25年ほど経ってしまった。
最近、再度思い出してTSUTAYAでレンタルしようとしたらレンタル中…。(;´д`)
で、次行ったら忘れてて…
やっと思い出して借りて観た。
ちっちゃい子の涙は切ないが、フランスらしい子どもたちの姿に見入ってしまう。
ちっちゃくてもフランス人らしく不器用にポネットを慰めようとしてる男の子も面白い。
終盤にポネットに理解をさせるエピソードがあるが現実感がなくて、そこら辺は急にファンタジーになって途中までのリアル感から急変して「え…それで解らせるの?」とちょと不満だった。
事故死した母親が戻ってくると信じ続けるポネットの姿に熱いものがこみ...
事故死した母親が戻ってくると信じ続けるポネットの姿に熱いものがこみ上げてきた。 最後にかなりリアルな姿の母親の霊が現れた時は、なんだこりゃと思ったが、あの展開でないとポネットが前を向くのは時間がかかっただろう。
4歳の主人公・・・素晴らしい
ポネットの演技につきる。 ストーリー自体は感動するほどでは無いと思うがポネットの自然なありのままの演技に吸い寄せられる。 ママの死をどう言ったら理解してもらえるのか、こちらがかまってやりたくなってしまう。 ぐずったり奔放な行動に参ってしまうがかわいすぎるので許してしまい抱きしめてあげたくなる。 最近の映画と思ったらもう25年も前の映画。 今、ポネットはどんな人間になっているのだろう。 ポネットも4歳で演じたビクトワール・ティビゾルも・・・ 幸せであって欲しい
ラストは結局そうなるのね~
母の死、死ぬことの意味を理解できない4歳の少女
ポネットと、子供たちなりの死生観
4歳とは思えない子役ヴィクトワールの演技が凄い
この年頃の、キリスト教下の子供たちの
宗教がらみの考え方や感性が興味深かった
ラストは結局そうなるのね~(母親出さずに
どう「死」という観念をわからせるのか
知りたかったけれど)と思った
幽霊の母親が、半透明とかでない、
ファンタジーしていないあたりが
フランス映画らしい
(生身のおばさんが画面の端からそそくさと
出てきたのにはちょっと笑った)
女の子たちの「独身」をめぐる会話とか
恋愛ごっこ遊びとか、ませていると同時に
少し残酷な感じも子供らしいリアリティーが
あった
ポネットが頑ななのと、子供の世界の話が
大半なので後半少し飽きたけれど
子役は演技が上手いし、フランスらしさが
よく出ていて面白い映画だと思いました
24年ぶりに観に行きました。
ストーリーは分かっているつもりだけど、感じ方は違ってた〜。 子供も出来て、親の気持ちも分かるようになってきたとか、子供の無垢で残酷な言葉にも心に刻まれる内容でした。 前回衝撃を感じた感動のエンディングよりも、ポネットの純粋な思いを口にする子供達とのやり取りが強く印象に残りました。
別視点で気になるところが
この子役の泣きの演技。多分、何かを吹き込んで泣かせてるだろうけど、余りにもドキュメンタリーみたいで映画に没頭出来なかった。 気になりすぎて検索掛けても当時のエピソードも出てこない。 みつばちのささやきのアナ・トレントと通ずるものを感じるも、似て非なる感じもあり。 ラストに母親が出てきた瞬間に泣きが一瞬で止まってるのがホントにすごい…。
子役の演技が最高!
もう、最初っからすごいです!ポネットの演技が上手すぎます。どうして4歳の女の子がこれほどまで自然に涙を流せるのだろう。長いカットでも台詞忘れないし、まさしく天才子役です。始終、どうやって演技指導してるのだろうと、そればかり気になってた・・・
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