「この映画で一番怖いのはレイチェルの「実の姉」」ボディガード(1992) ばんびさんの映画レビュー(感想・評価)
この映画で一番怖いのはレイチェルの「実の姉」
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ケヴィン・コスナー(凄腕ボディガードのフランク)とホイットニー・ヒューストン(世界的歌姫のレイチェル)の切ない恋の展開にばかり、気を取られがちですが、結局この物語で一番ヤバいのがレイチェルの姉、ニッキー。誰もレビューに書いてないけど、プロのスナイパー(というかフランクと同業の男)にレイチェルの暗殺を依頼していたのが姉で、しかも期間も報酬も「成功するまで」。レイチェルの才能と美貌に嫉妬し、表舞台から去らざるを得なかったというのがレイチェルの命を狙う動機なんですが、逆恨みも甚だしい。ストーカーの影に怯えるレイチェルの傍で素知らぬ顔をしてその様子を眺めていた恐ろしい姉。レイチェルの息子フレッチャーがスナイパーに狙われなければこの悪事も白状していなかったに違いありません。
あの金髪巻き毛のストーカー男は単なるダミーで結局はプロ対プロの殺るか殺られるかの物語に発展し、フランクがレイチェルを守り抜くんですが、姉ニッキーは殺されて当然と思いました。恐ろしいですよね・・・身内の中(しかも血を分けた姉・・レイチェルは姉の、自分に対する企みを最後まで知らずに終わるのだけが救いなのですが)に自分の命を狙うものが潜んでいるのですから。
最後、フランクとレイチェルは結ばれないのですが、スナイパーは消えたしあの老齢のボディガードでも安心な状況になったのでしょう。やはり二人の生きる世界は違い過ぎて、一緒にはなれない。そんな切ないエンディングだからこそ、いつまでも忘れられない、語り継がれる物語として時代を超えて愛されるのでしょうね。
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